G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

補聴器がQOLを変える

2022-01-29 | エッセイ

1.はじめに:
後期高齢者の筆者が、シャープ製のワイヤレス イヤホン タイプの耳穴式補聴器を初めて使用(20日間)したので、難聴が気になる高齢者の参考にと思い、補聴器選定、使用感、難聴問題などを述べる。

2.難聴に気付く:
下記のような状態が次第に多くなり、難聴ではないかと気づき耳鼻咽喉科に行き、聴力検査を受けた結果、軽度難聴と診断されたが、補聴器が無くても良いのではないかと言われた。然し、自分としては不自由を我慢しているわけで、医師の意見には納得できず、補聴器をレンタル試用してみることにした。

■最近、テレビでドラマを見ていて、音声が小さいシーンではっきり聞き取れない場合が多々あり、その結果、ストーリーの理解が不十分になってしまう。
■ミーティング等では音量、音色などさまざまで細かい部分を聞き落としてしまう。
■対話時に多少聞き逃しても、大筋が分かれば適当に相槌を打つ時が多々ある。
■高齢者のエクササイズ系講座などで講師の指示を聞き落とし、他の受講者と違った動作をすることがある。

3.補聴器の選定:

(1)一般的な補聴器:
購入時に補聴器店へ出向き、3回以上のフィッティング(使用者の聴力特性に応じて調整する)をしてもらう必要がある。購入価格も30万円以上であり、気安く購入できない。 

(2)シャープの補聴器:
シャープが2021年9月に発売した補聴器(MH-L1-B) で、外観は一見ワイヤレス イヤホン様である。改善点及び付加機能は次項に示す通り魅力的で、又、購入に先立っての一週間のレンタル試用結果も満足だったので迷わず、当製品を選定した。
尚、シャープでは補聴器と言わず、「メディカル リスニング プラグ」と呼んで新鮮味をアッピールkしている。

                 [充電ケースと補聴器]

(3)シャープ補聴器(MH-L1-B)の概要:
■フィッティング:スマホを使いリモート(在宅)で行うので、補聴器店へ出向く必要はない。
(注)但し、この方法はスマホを使い慣れていない人には不向きである。
■価格は¥99,800:他の補聴器の1/3以下である。
■ワイレスイヤホンとしても使用でき、高音質で音楽が聞ける(ストリーミング モード)ほかハンズフリー通話も可能ある。
■タッチ センサーによる音量調整、モード(リスニングとストリーミング)切替、シーン(標準、打合せ、会議、リビング、コンサート他11シーン)切替の使い勝手が良い。要約すればワイヤレスイヤホンに近い使用感である。              

4.使用しての感想:
■装着時に違和感もなく、雑音もなく、ハウリングも問題ない。
■会話がよく聞こえるようになった。
■身の回りは色んな音が溢れていて、世間は思ったよりも活気があるように感じ、気分が若返ったような気がする。
■今まではテレビの近くに椅子を引き寄せて視聴していたが、家人と一緒の席で見られるようになり、疎外感が軽減された。
■趣味でウクレレを習っているが、ウクレレの音が豊かにに聞こえる。    

このような結果から、脳の活性化→行動が活動的→QOLの向上などが期待でき、現時点では良い買い物をしたと思っている。

5.気がかりな点:
■脱落:何かの拍子に落下しないか不安である。
本品に限ったことでなく耳穴式の補聴器、イヤホンに共通の問題と思うが、実用上問題ないのかもしれない。
■耐環境性:耐水性、耐衝撃性に強くないようであり、アウトドアでの使用は避けたほうが賢明であろう。
■耐用年数:2021年9月発売で、使用実績データがなく不明である。

6.高齢者の難聴問題は潜在的な重要課題:
最後に、日本では、補聴器の重要性の認識が足りないように思われるので、私見を述べる。

(1)日本の難聴者数と補聴器所有者数:難聴者率;11.3%、難聴者の補聴器所有率;14.4%から次のようになる。
日本の人口;1.25億人とすると、難聴者数≒1,400万人、補聴器所有者≒200万人

この数字から、日本では1,200万人もの人が難聴を軽視し、補聴器を持たず不自由を我慢していることになる。
 因みに、難聴度には4段階(軽度、中等度、高度、重度)あるが、難聴者の52%が中等度難聴、39%が軽度難聴で、夫々の補聴器所有率は15%、10%である。
出典:「Japan Trak 2018 調査報告」、日本補聴器工業会

(2)高齢難聴者数推計:
話を簡単にするため男性の高齢難聴者の難聴率のデータ例を示す。

60歳~64歳:18.8%
65歳~69歳:43.7%
70歳~74歳:51.1%
75歳~79歳:73.3%
80歳~   :84.3%    

このデータから自分は難聴でないと思っていても、現実には高齢者(65歳~)の多くが難聴者であるのが分かる。
出典:「全区高齢難聴者数推計と10年後の年齢別難聴発生率」、日老医誌、2012;49

(3)難聴問題の重要性:
難聴は国民の11%が罹患し、加齢に比例して、難聴率は拡大し、重症化するので、到来しつつある超高齢化社会でQOLの向上、健康寿命延伸のための重要課題のひとつになって然るべきであろう。又、脳に悪影響を及ぼし、認知症の一要因とも言われている。
然しながら、難聴は直接、生命に関わるものでなく、又、徐々に進行するものであるので当人も、重要問題であるのに気付かずに、補聴器を購入しないのが現状である。
因みに、欧米諸国での補聴器所有率は日本の数倍、高く、古いデータであるが、日本の14.1%に対してアメリ;25%、イギリス;41%、ドイツ;34%である(出典;Japan Trak 2012 、日本補聴器工業会)。

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ウォーキングはスマホと道連れ

2021-02-12 | エッセイ

1.単独ウォーキングを楽しく:
 ウオーキングは誰でもが手軽に始められ、健康維持に有効と言われ愛好者も多数います。
コロナ禍で外出が憚れる昨今、ストレス発散と運動不足解消にウオーキングはお勧めです。
 私の場合、運動効果をより一層高める為、日常的にノルディックウオーキングに励んでいます。
日常的にウオーキングしようとすれば、単独で、歩行コースは自ずと自宅周辺に限定される
場合が多いのではないでしょうか。
その場合、見慣れた風景の中を、ひとり黙々と歩くことになり、ウオーキングが退屈で、
半ば苦行のようになり、継続のモチベーションが萎えてくる恐れがあります。
 継続するからにはできるだけ楽しいものにしたいものです。多くの方が既に実行しているかも
知れませんが、私が実行している方法をご紹介します。

2.スマートウオッチの活用:
最近、徐々に愛用者が増えつつあるスマートウオッチの活用です。
スマートウオッチと言ってもピンキリで、時計表示機能以外に、⓵健康管理、
⓶電話、メール、LINE着信確認、⓷通話、⓸電子決済、⑤その他などができるものもあります。
ウオーキング(ランニング、サイクリングを含む)用に特化するならば、
⓵、⓶の機能があれば十分でしょう。
 健康管理データとしては、歩行軌跡、歩行距離、歩行時間、歩数、心拍数、ピッチ、ストライド、
消費カロリーなどと睡眠の質などが表示されます。
只、やみくもに歩くのでは能がありません。これらのデータを活用して各人の体力、年齢、
運動目的などを勘案して目標値を設定すれば、安心・安全・効果的な健康管理に役立つと思います。
 私の場合はスマートウオッチの簡便型であるスマートバンドを使用しています。
因みに、人気のある中国のファーウエイ社、シャオミ社のものなら通販で3,000~4,000円位で
入手できる優れものです。最近では、通販でなくても、ホームセンターなどでも見かけます。
                 (Xiaomi Mi Band 5スマートバンド)

               (スマホ画面上のウオーキング データ例)

3.音楽ストリーミングの活用:
見慣れた景色の中をひとり黙々と30分~Ⅰ時間も歩くと退屈してきます。
又、色々な雑念が湧いてきて陰鬱な気分になる場合が多々あります。
 そこで、私の場合、退屈を紛らわすためにスマホで無料音楽ストリーミングを受信し、
それをイヤホンで聞きながら歩いています。次々と色々な音楽が聞こえてくるので音楽に集中し、
半ば無心になり退屈さを感じなくなります。
 又、音楽は副交感神経を落ち着かせる効果があるのでリラックスした気分になり、疲労軽減にも役立っているようです。
この場合のイヤホンですが、スマホの収納場所を気にしなくて済む、無線型(ワイヤレスイヤホン)が有線型よりも取り回しが良く便利です。
 無線型には左右独立型と左右連結型があります。独立型は作動時間が4時間位であるのに対して
連結型は15時間位と長いことと、独立型は落ち易いこともあるので私は連結型を使っています。
              (連結型ワイヤレスイヤホン例)

4.あとがき:
(1)昨今、スマホは誰でも持っているので、スマートバンドとイヤホンさえ購入すれば直ぐに始められます。健康管理データに興味がなければ、音楽ストリーミングだけでも楽しいです。一度、体験してみるのをお勧めします。
 (2)健康管理のためにモニターすべきパラメータの種類(例えば心拍数、歩行時間など)と その目標値などを知りたいと思っています。どなたかご教授くだされば有難いです。
 (3)音楽ではなく他のジャンルもありか(例えば落語)と思っています。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

 

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アナログ腕時計についての愚考

2020-10-17 | エッセイ

 9月上旬に市から新型コロナ生活支援として特別定額給付金10万円を頂きましたが取り敢えず買いたい物がなく色々物色していました。
ふと、若い時から気になっていたカシオ製の腕時計、G-SHOCKを思い出し、これに白羽の矢を立てました。
 若い時は格好が良いのと、10mの高さから落としても壊れない頑丈さを売りにしたG-SHOCKと言うネーミングに惹かれて欲しかったけど、普通の会社員には相応しくなさそうなので買うのを躊躇していました。しかし超高齢者となった今ではそんな他人の思惑など無用ですし、
又、思いもかけず10万円も頂けたので写真のアナログ腕時計を購入しました(AMAZONにて3割引きで購入したものです)。

 余談ですが、今さら、どうしてアナログ時計を選択したのか考えてみましさ。
アナログ時計は時間を見る道具としてはデジタルよりも劣っています。
デジタル時計なら即座に何時何分か分かります。アナログ時計では一瞬、針の位置に目を凝らさないと分かりません。
 では、アナログ時計の魅力とは一体、何でしょうか?大きな魅力のひとつがレトロ感でないでしょうか。昔の時計は掛け時計、懐中時計、腕時計など全て、短針と長針が円盤の上を回っていましたがその名残がアナログ時計です。
もうひとつの魅力は、メカニック感と思います。超精密機械加工の極致感、金属の質感・仕上げの美しさなどは何故か男心を擽りまます。
                                                           

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爺のノルディックウォーキング(NW)事始め

2020-09-17 | エッセイ

1.転 機:
 70代までは山に魅了され、登山サークルに加入し、中心的メンバーとして月2,3回は山に出かけていました。山行は私の生き甲斐・人生の目標でもありました。
山行に必要なスタミナを維持するために、スポーツジムに週2,3回通い、筋トレやスイミングに励んでいました。
80代になりますと、歩行スピードが急に遅くなり、普通の山でも他のメンバーと歩調を合わせて歩けなくなり、時々立ち止まって待って貰うようになってきました。今後は、初心者向けの楽そうな山を選んで参加する予定です。
とは言え、仲間と山行を共にできなくなる日が1、2年の内に訪れる予感がします。
   では山行に代わる生き甲斐・目標は何にしましょうか。人生百年時代を踏まえて、今考えているのは、何時までも、脳力、体力共に健やかに保ち、色々な分野に挑戦し、大いに人生をエンジョイ(謳歌)することです。
脳力の方は新聞、読書、PC、スマホ、インドアのサークル活動などで活性化できます。体力維持の方は登山のようなハードスポーツは不適ですが、スイミングに加えて、年齢に応じた何らかのエクササイズ・スポーツが必要と考えるようになりました。

2.引き金: 
    折しも、昨年秋に、各務原市の「生涯学習情報」(2019秋号)の講座案内を眺めていた ら、10月~11月に亘る、6回の「初めてのノルディックウォーキング」の講座紹介が目に留まりました。
因みに、私は「生涯学習」の大ファンで従来から種々様々な科目を受講して、色々なことを学び、多くの人と知り合い、シニアライフをエンジョイしています。
 ウオーキングだけでも健康維持には役立つと思いますが、一人で黙々と歩くだけでは詰りません。ノルディックウォーキングなら運動量も多く、全身運動だし、更に、クラブに入れば仲間との交流も計れるので継続できそうだと期待し、受講することにしました。早速に受講抽選を申込み、運よく当選しました。

3.講習会:        
 講師は「犬山ノルディックウオークらぶ」所属の役員の方々で、親身になって指導をして下さいました。
講座の内容は「NWの歴史、その効用」「ポールの持ち方」「歩行の姿勢」「ポールの引きずり歩き」「ポールの使い方」等々主として実技を中心にした基礎的事項でした。
 6回の講座終了時点では、NWとはどういうものかが凡そ分かっただけですから、NWの本来の面白さ・楽しさ、エクササイズとしての有効性などは殆ど実感できませんでした。
 講座の最後に、体験会の紹介がありました。何事でもそうでしょうが、その面白さ・楽しさ・奥深さなどが分かるにはある期間、我慢し、実践し、それなりのレベルが必要ですので、体験会に参加することにしました。

4.体験会参加: 
  2019年12月7日の体験会がNW実践の記念すべき第一歩でした。コースは木曽川左岸の犬山緑地の遊歩道で、周囲の景色はウオーキングに絶好です。当日は快晴で、山好きな私は冠雪した伊吹山に目を奪われました。あたかも私のデビューの幸先を祝福しているようで嬉しく思ったのを覚えています。
 何人かの役員の方々とは、生涯学習講座で既に、面識があり、初参加の緊張感はなく、すんなりと溶け込めホットしました。
準備運動をして直ぐにスタートです。皆さん三々五々に歩き、とてもアットホームな雰囲気で楽しそうでした。体験会終了後に入会手続きの用紙を貰い、早速マイポールの発注をお願いしました。

5.その後の実践
 入会し、マイポールを入手し、続けて、ウオーキングシューズも買ったからには、家人の手前、簡単にはヤーメタとは言えません。
その後の例会にも積極的に参加し、最近は(2020年9月現在)、近所を一人で週3回、約4 kmの距離をNWしています。
NWはまだ一般には馴染みがないので、多分、好奇の目で見られていることでしょうが、NWの普及の一助になれば嬉しいです。
 時折は、市民講座担当の役員の方が開拓されたコースに同行をさせて頂いたりしていますが、意外に知らない所があり面白いです。
お陰様で、講座で教えて頂いた事も次第に納得できるようになりましたが、未だ、NWの門を潜ったばかり初心者です。
これから先どんなNWライブが待っているのかとても楽しみにしています。(以上)

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老人本ブームに思う

2019-11-09 | エッセイ

 最近、近所の大型書店に老人本の展示棚が設置され、20冊以上が陳列され人目を引いている。
「人生100年時代」の喧伝と事実、新聞の訃報欄を見ると90歳前後の方が多く、100年は尚早だが、「人生90年時代」は到来しているのを実感する今日このごろである。
 かく言う小生も80歳を過ぎ、当然仕事はしていなく暇もあり、金銭的な心配もないので、充実した老人生活を送りたいものと常々願っている。
 然し、充実した老人生活とは、どのような生き方であるのか明確に整理できていず、それが不安のタネである。
一方では最後まで面白おかしく、楽しく過ごせれば、それはそれで悪くない生き方とも思っているが、多分、そんな人は極く稀な神の寵児に限られるであろ。
 幸い、今は心身共に、すこぶる健康で色々な趣味の世界に遊び人生を謳歌しているが、やがては身体も頭脳も衰え人生を謳歌できない時が来る筈である。医学の進歩などを考えると、その後もかなりの期間、未知の領域を生きなければならないであろう。
 多くの高齢者は、そうなった時どう生きれば充実した人生が送れるかを知りたいので、老人本を手にするのであろう。又、色々な作家、思想家、宗教家など各界の人も例外でなく、老いて未知の領域に踏み込んで行き、都度、新たな知見を得、それを公表することになるので、老人本の出版は一過性でなく、今後も継続すると考える。

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