一口馬主のつれづれ日記

一口馬主の悲喜こもごもを語ります。
ほかにも小説の感想や旅先で感じたことなど、
気の向くままに・・・

ディープインパクト凱旋門賞失格

2006年11月17日 | 競馬
1日遅れになりましたが、ディープインパクトの凱旋門賞失格の報道を聞いて思うことをつらつらと書きたいと思います。

インパクト失格、池江泰郎師の不注意

まあ「薬物疑惑」の報道があってから覚悟はしていましたが、やはり処分が現実のものとなると、失望の念は隠せません。
結局、ディープインパクトの凱旋門賞3着は「失格」という形で消えることになり、賞金は支払われず、管理責任者の池江泰郎師には、制裁金としては最高額である1万5000ユーロ(約225万円)が科せられました。
今回の禁止薬物検出に関して、フランスの競馬統括機関フランスギャロは「不正」ではなく「過失」という判断を下し、池江師自身も故意ではないことを主張していますが、今となっては真相は闇の中です。

で、もうこうなってしまうと、一競馬ファンとしてはいかんともしがたく、これからもディープインパクトと池江師をはじめとする関係者を信じて応援していくしかないのですが、この一連の騒動の中で、どうにも引っかかったのがJRAの高橋政行理事長のコメント。

彼は10月19日に「禁止薬物検出」の一報が飛び込んできたその日に、下のようなコメントを出しています。

「この度、凱旋門賞に出走したディープインパクト号から禁止薬物が検出されたとの報告を受けました。同馬の出走に際しては、競馬ファンの皆様をはじめ、多くの方々から応援をいただいたにもかかわらず、世界最高峰のレースとして栄誉ある凱旋門賞に汚点を残す結果となり、誠に残念でなりません。今回の件はフランスで起きたものではありますが、JRAとしても、今後、国の内外を問わず出走馬関係者に対し、禁止薬物等に対する意識の向上を図るべく指導を徹底して参りたいと考えております。」

まだ詳しいことがわかっていない状況で、JRAの理事長という立場の人間がこんなコメントを出すとは、正直驚いてしまいました。
「凱旋門賞に汚点を残す結果となり、誠に残念でなりません」ってね~。
レース前までは、凱旋門賞のCMまで作る熱の入れようで、JRAとしても社をあげて異例の応援していたはずなのに、こういう事態になるやこんな手のひらをかえしたようなコメントとは、もうあきれるしかありません。

ちなみに昨日、処分が発表されてからの理事長のコメントは以下の通り。

「JRAといたしましては、今回のことを重く受け止め、今日のように国際交流が盛んになっている時代の競馬にあって、国内同様、海外においてもこのようなことが起きないよう対応していかなければならないと考えております。二度と競走馬に無念な思いをさせないよう、改めて競馬に携わるすべての人とともに、競走馬の管理について万全を期してまいります。」

先述のコメントと比べると、だいぶ表現がやわらかくなった気がします。
おそらく先のコメントに対して内外から指摘を受けたんじゃないかな~と。

さらにちなみに、今月7日にオーストラリアのメルボルンカップで日本馬がワンツーフィニッシュを決めたときの理事長のコメントは以下の通り。

「オーストラリアで最も伝統のあるメルボルンカップで、日本馬が1、2着を納めたことは素晴らしいことであり、この快挙を成し遂げられた関係者の皆さまに対して心からお喜びを申し上げます。日本のサラブレッドの実力を世界に示してくれたことを嬉しく思います。」

理事長、ご機嫌のようです。
でも、今後もしデルタブルースに何か問題が起こったとしたら、またもや手のひら返しとなるのでしょうか?
コワイですね~。

理事長話はこの辺にして、今度は報道に関して。
今回の「ディープインパクト凱旋門賞出走」に関する一連の報道は、出走前から残念な結末まで逐一大きく報道され、普段競馬を見ない人たちさえ「ディープインパクト」の名は言えるくらいになりましたが、その一方で「ハーツクライ」「コスモバルク」「デルタブルース」の名を知っている人たちはどれくらいいるだろうかと?
これら3頭とも、今年に入ってから海外のGⅠレースを勝っているのに、ディープインパクトとの扱いの違いはなんなんでしょうか。

日頃崇拝してやまない柏木集保氏はエリザベス女王杯の翌日、次のような見解を述べています。
「この秋になって、凱旋門賞のディープインパクトの敗戦から始まり、帰ってからの禁止薬品の検出事件。さらにジャパンCにほとんど外国の馬が招待に応じてくれず、ジャパンCダートにはただの1頭も海外の馬は来ないというニュースが伝わったころ、エリザベス女王杯での残念な降着。競馬場に急にファンの数が減った気がする。」と述べ、総括として「JRAを中心に競馬サークル全体の危機だろう。」と結んでいます。

確かにここへきて良くないことが続いていますが、でも一年間をトータルで考えると決してそうとも思えず、むしろこれだけ海外のビッグレースで日本馬が活躍した年も珍しいとさえ言えます。
ただこういった快挙を大きく取り上げないで、不祥事ばかりに目くじらを立てていたら、ややもすれば偏った印象を世間に与えかねません。
自分もそうですが、競馬ファンは無邪気なもので、競馬が盛り上がっていくことに異論を唱える人はほとんどいないと思います。
主催者であるJRA(理事長をはじめ)と、それを喧伝する役目(もちろん批判もですけど)を担うマスコミには、もっとそのあたりのことを肝に銘じて欲しいなと本気で思う今日この頃です




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