一口馬主のつれづれ日記

一口馬主の悲喜こもごもを語ります。
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気の向くままに・・・

風林火山 第11話「信虎追放」

2007年03月19日 | テレビ
タイトルのとおり、今回は前半のクライマックスともいえる信虎追放のお話。

今週は先週からの続きで、晴信が弟の信繁と信虎派の諸角虎定や小山田信有に謀反することを伝えるところから始まります。
紛糾するのかと思いきや、諸角が抵抗した程度で、小山田は「すべて知っていた」といわんばかりの様子であっさり同意。
信繁にいたっては、逆に「よくぞ背かれた」と晴信の決断に心底エールを送ります。

ということで、これで家臣も団結。信虎追放ということで話がまとまります。

一方、信虎は駿府で何も知らずに連歌に興じています。
義元が詠んだ「晴れし心に戻る甲斐なし」というのが自分のことを詠まれているとも知らず、逆に晴信のことを詠んだものと思い込み、ご機嫌な様子。
ちなみにこの連歌のメンバーに大井夫人の父親という人物がいましたが、この人はこれからも出てくるのでしょうかね~。もし今回だけだったとしたら、ただでさえ登場人物が多い今回の大河で、余計に話をややこしくしている気がします。

そして信虎が駿府を発った後、事態はにわかに騒がしくなります。
まず義元は勘助を呼び出し、信虎を迎えに行くように命じます。
その際、「今川家の使いとして恥ずかしくないように身なりを整えよ」と言って黒革の眼帯を与えますが、だったらそもそも浪人の勘助なんかに命じるなよって話です。

また甲斐では、晴信が国境に向かう前に母親の大井夫人に出発の挨拶を。
先週の段階では複雑な思いを見せていた大井夫人ですが、今週はまず「むごいのぉ」と晴信を責めるかような態度をとります。
けど、最後には「晴信、頑張るのじゃぞ」的なエールを送るような言葉を息子にかけ、ちょっと胸が熱くなってしまいました。

そして国境。
ここで信虎を待ち受けていたのは槍を構えた武田の足軽隊でした。
信虎は部下たちに「何事か確かめて来い!」と言いますが、みなここぞとばかり信虎を置き去りにして一斉に門の中に駆け込んでいきます。
その様子を見て信虎は「待て、行くな!」と止めに入りますが、時すでに遅し。
今回の大河には、このような細かいセリフが随所に出てきますが、こういうのって人間くささが出ていてすごくいいですね。

さて、一人ぼっちになってしまった信虎ですが、そこに晴信・信繁の兄弟をはじめ、板垣信方・甘利虎泰・飯富虎昌といった武田家譜代家臣がずらっと登場します。
呆然とする信虎は家臣たちの名前を呼びますが、みなシカト。
晴信の説明のあと、信繁までが「あとは任せてください」的なことを言うに及び、信虎もすべてを悟ります。

この時、駿府で詠んだ連歌が字幕付きで出てきます。

見る人の 心のそこにすむ月や
ちりもくもらぬ 老いし見の程
世をうつし 思い捨ぬる心もて
晴れし心に 戻る甲斐なし

何かと悪評高い信虎ですが、一人の人間として捉えたら、ちょっとかわいそうな気もします。
晴信はともかく、自分がかわいがっていた信繁にまで裏切られたあげく、奥さんの大井夫人にも会えなくなるわけですからね。
今の時代に置き換えたら、会社の社長が息子たちや部下たちに突然リコールされたあげく、住んでいる家も追い出され、奥さんとも別々に暮らさなければいけないわけで、なんだかムチャクチャな話にも聞こえます。

それはそうと、信虎は観念して駿府へと向かいますが、ここで今川家からの命を受けた山本勘助が登場します。
一行は粛々と駿府への道を行きますが、途中、信虎は勘助に「ぬし、殺気を感じる」と言ったかと思うと、突如として刀を抜き、勘助に襲い掛かってきます。
勘助も2太刀までは我慢しますが、最後には勘助も刀を抜き、一騎打ちとなります。
っていうか、勘助は義元にもらった黒革の眼帯からミツの作った藁の眼帯に付け替えた段階で信虎への復讐心を露骨に出していたわけで、どっちにしろ勘助は道中、信虎を討とうとしていたんでしょうね。

そしてこの一騎打ちの場面。
スローモーションの合間にミツの回想シーンが流れますが、これは泣かせてくれます。
貫地谷しほりは、やっぱいい演技してましたよ。
つい先日、朝の連ドラのヒロインになることが決まりましたけど、これも納得。
返す返すも大河での早世が惜しまれます。

とまあそんな演出もあり、かなりいい感じの一騎打ちになったわけですが、そんな中、青木大膳という浪人がなぜか突然信虎に斬りかかり、額に傷を負った信虎は落馬してしまいます。
この場面、見ていて「はぁ?」って思ってしまいましたが、おそらくほぼすべての視聴者が同じ感想を抱いたのではないでしょうか。

青木ぃ~、空気、読めよ

そして落馬した信虎に勘助が近づくと、信虎は「わしを討っても甲斐には晴信がいる。いずれ天下に号令をかけるのは、わが武田家の嫡男・晴信じゃ」などと本音かなんだかわからない言葉を叫び、そんな信虎を見ていて勘助もあきれたのか憐れに思ったのか、もう復讐とかはどーでもよくなったみたいです。

それにしても、そもそも勘助が信虎を迎えに行くこと自体、ありえない話ですが、勘助と信虎の一騎打ちまでくると、これは本当に国営放送のNHKが作っているドラマなんだろうかと俄かに信じがたい思いを抱いてしまいました。まあでも面白かったから別にいいんですけどね。

ちなみに史実では、武田信虎が追放されたのは47歳の時。
そして今回、信虎を演じた仲代達矢は現在74歳。
見ていてとくに違和感は感じませんでしたが、こうして見ると、かなり強引なキャスティングのようにも思えます。

もうひとつちなみに、追放後の信虎ですが、とりあえず義元の庇護を受けて駿河でおとなしく暮らしていたようです。
しかし桶狭間の戦いで義元が討たれると、その後を継いだ今川氏真と折り合いが悪かったため、駿河を去ったとのこと。
そして一説によると、この時に今川氏の滅亡が近いことを信玄に知らせたと言われていますし、逆に信玄も信虎の生活費用などを送金していたとも伝えられています。
なんだかせつない思いを抱くと同時に、「親子の絆」というものを考えさせられました





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