koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

Eroica Symphony・・・

2013年08月26日 21時47分27秒 | 音楽


これは4月に一度mixiで,紹介したものなのだけど・・・。

こうした曲を,自らの意志で聴くことは滅多に無いのだが,やはり改めて聴いてみると,古典主義から浪漫主義への過渡期の所産としても,凄い曲だと思う。
長くても30分前後のハイドンやモーツァルトの交響曲に対して,本作は1楽章だけでもリピートを含めると17分を超える。
ジャンルは違えど,ゲーテやバイロンと共に,浪漫主義芸術の旗手たるベートーヴェンの面目躍如というところだろうか・・・。

交響曲第3番変ホ長調op.55「英雄」〜第1楽章Allegro con brio。
今は自らベートーヴェンを聴くことは滅多に無いと述べたばかりだが,学生時代,銀の装丁のカートンボックスに入ったバーンスタインとウィーンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集のLPを月賦で買って,貪るように聴き,狂ったように片っ端からボーダーレスで音楽を聴き,書を読みふけったのもこの時期だ(何せ,就職に失敗したので,卒業後,時間は山のように有った・・・)。
最初が77年録音の第5で,最後が79年の第9。
あとは78年に一気にライブ録音された。
ベーレンライター版の新全集が世に出る10年以上前のことである。
旧全集版による最後の名演とでも形容としたら良いのだろうか。
颯爽としたテンポと,シェイプされた鋭敏なリズム。
抉りの効いたダイナミズム。
そして,新大陸の活力と欧州の伝統の幸福な融合・・・。


この第3番「エロイカ」は,決然とした明るい響で始まる。
推進力と弾力に満ちた進行と,明るく弾けるような音色とリズム。
コンマスは,93年にザルツで亡くなった故ゲルハルト・ヘッツェル。
アクセントの効いた硬質なティンパニは,先頃水戸室内管弦楽団へも客演した,ローラント・アルトマン。
ホルンの首席はギュンター・ヘグナー,フルートは,ウォルフガング・シュルツ,オーボエは,アルフレート・トレチェク,そしてチェロの首席はノルベルト・シャイヴァインだろうか・・・。
当時のウィーンフィルが,如何に高水準にあったかを物語ると同時に,停滞なんかとは無縁な,一瞬たりともダルな瞬間の無い見事な演奏が,精神を鼓舞して止まない・・・。


疲れたり,凹んだりした時は,これを聴いて精神力を高揚させるに限る。
そう,停滞なんかしていられない・・・。


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