「RAISE」1,2巻(新谷かおる著)読了(表紙はこちら)。
コミックを買ったのは「のだめ」以来ですが,以前のエントリで述べたように書店で全く手に入らず,楽天から取り寄せました。
とにかく待望の一冊(買ったのは二冊か)でした。
新谷の作品は,WRCやF1等のモータースポーツものも勿論良いのですが,やはり航空もの-それもWWIIものが最高と思うのは私だけでしょうか。
今時,独特のバースを効かせた構図で航空機を描くことのできる漫画家は他に見当たりません。
中身はまんま映画「メンフィス・ベル」の世界,と言えばよいでしょうか(「メンフィス・ベル」号は機首下に旋回機銃座の無いF型ですが)。
英国からドイツ本土(或いはフランスやノルウェー)を爆撃する米陸軍航空隊(第8空軍)のボーイングB17G爆撃機「プリズン・レディ」号のクルーたちのエピソードです。
機長のスタンレー大尉は上官を殴り,副機長のバック中尉は基地司令官の娘を孕ませたという理由で,軍法会議で終戦まで出撃し続けるという(通常は25回出撃・生還で除隊・本国帰還)判決を受け,上官反抗や命令無視によって「プリズン・レディ」号に乗る他の8人のクルーと共に戦火の欧州の空へ・・・という設定です(詳しくはこちら)。
通常の爆撃任務の他に4,000ポンド(約2トン)爆弾を積んでのオランダのUボート基地攻撃(水面でのスキッピング投弾なんてできるのか??)や山中のV2ロケットのジャイロ工場爆撃,フランス西岸(カーンかカレー?)の列車砲攻撃等の特殊任務を単機で行ったりもします。
とにかく,エンジン音が響きオイルが臭い,クルーを乗せるウィリスMBの音まで聞こえてくるくらい描き込まれたディテールに感動でした(こちらやこちら参照)。
新谷の作品は,師匠とも言うべき松本零士のそれとは違って,メカや時代に対する考証が極めてしっかりしているので模型作製の資料としても一級です。
また,連合軍側が主役ですが,敵方のルフトヴァッヘ(独空軍)も悪役にはならず,ハイネマン少佐のような騎士道精神を重んじる生粋の軍人が描かれているので,日本とドイツしか主役にせず連合軍を悪役にした松本作品とは一線を画します。
メッサーシュミットBf109G6(枠の少ないエルラハウベキャノピーなので,最初G10かK4だと思った)とか,マルコムフードのP51B(Cか?)なんて機体が出てきたり,RAF(英国空軍)との共同作戦で出てきたデ・ハビランド・モスキート爆撃機の基地に「633SQ」と書かれていたり,マニア心をくすぐる術を心得ています。
Dデイからパリ解放とストーリーが進み,やがて「ラインの守り」作戦とベルリン攻防戦となるのでしょうか。
次巻が楽しみですが,こちらを見て模型を作りたくなりました。
B17GとMeBf109G6を対で作ったらなかなかでは,とは思うものの「メンフィス・ベル」号を死蔵しているのにG型まで手が回らんのが現状で・・・。
絶対にkoshiさんなら堪能すると思ってましたよ。やっぱり新谷かおるは飛行機ですよね。(いや、車も良いけど)
しかし、あんなデカール・・・また作ったんだ(過去にエリ8のオリジナルデカールを新谷かおるがメーカーと共同制作した頃が懐かしい)なんかあたしも作りたくなるなぁ。
でも、DH98作っている途中なんですよ(実は先ほど機体の迷彩塗装を済ませたばかり)。
その次はフェアリーソードフィッシュも待ってるし・・・グランドスラムも待ってるし。
ああ、でもなんかB-17Gも良いなぁ(個人的にはGよりもFかDが好きなんですがね)
この根多に食い付いていただいて嬉しい限りです。
いやー,新谷は多作家ですからね。
PCもの,アクションもの,スキーもの,モータースポーツもの,経済・社会もの等,そして戦記もの・・・と,極めて守備範囲の広い作家だと思います。
でも,やはり空もの,しかも大戦ものが合いますね。
エリ8系は10年ほど前に,F20,X29,IAIkfilC2,SAAB Dorakenを買いまして,未だ死蔵してます。
以前,イタレリ製のF5Eの垂直尾翼に苦労してユニコーン描いていたのは何だったんだ・・・(笑)。
DH98ですか。
いいなぁモスキート。
田宮48作りたいけど,腕も置く場所もないしなぁ・・・。
長谷川72で我慢するか・・・。
ソードフィッシュもいいっすねぇ。
アブロ・アンソンとか,ウェストランド・ワイバーンとか,あのころの蛇の目空軍は味のある機体が多かったですね。
グランドスラムボマー・・・って,ランカスターですね。
昔,Airfix製の凸リベットとかMatchbox製の「運河彫り」に泣いたなぁ・・・。
もしかして,田宮48・・・なんてことは無いですよね・・・。
さて,久々に英軍機根多かましたので,今日は「RAF行進曲」聴いて寝ることにします・・・(笑)