koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

龍馬伝-第2回「大器晩成?」

2010年01月11日 22時50分39秒 | 龍馬伝
昨日出かけたために見ることができず,今日ビデオを回しました。


しかし福山龍馬,あちこちのサイトにお邪魔させていただいた限りでは,至極評判が宜しいですね。
特に女性人気が絶大なようです。
番組自体の評価も,初回の視聴率では「篤姫」や「天地人」に及ばなかったものの,
「土佐藩の下級武士の苦しみがよく描かれていた」
とか
「龍馬や半平太,以蔵,そして弥太郎といった下士たちの熱さが伝わってきた」
といった肯定的な感想が多かったように記憶しています。
「天地人」の後だからかどうか分かりませんが,滑り出し順調なようです(因みに,昭和43年の「竜馬がゆく」は平均視聴率が14%程度で,幕末維新ものは当たらないというジンクスを作ったらしいです)。
そうなると,素直に認めようとしないのが天の邪鬼な私でして,ついつい突っ込みを入れるという悪癖が出てしまいます・・・。


久万川の堤をつくる治水工事を龍馬が農民たちを指揮して仕上げた,という今回のエピソードは勿論創作でしょうが,有り得ないことではないと思います。
・・・というのは,高知市自体が鏡川と国分川・久万川の三角州にできた平野であるため,洪水に悩まされたのは確かと思います。
高知はかつて河内と言われたくらいで,文字通り川の真ん中に街割りをしたと言っても良いかもしれません。
ですから,現在の位置に居城を定めた藩祖山内一豊が,河内を高知と改めたという話も頷けるような気がします。
ただ,そんなことよりも,酒でも三味線でも農民たちを懐柔することのできなかった龍馬が,一人で土嚢を担ぎ始めると次々に農民が寄ってきて・・・というのは,何の必然性も無いのでは・・・と思ってしまいました。
本来なら感動のクライマックス・・・といくところなのでしょうが,このあたりは「天地人」同様,必然性も無く祭り上げられた兼続同様に思われてしまいました。


で,それによって結局父八平の許可が下りて・・・,というのは,ちといじりすぎのような気がします。
おそらく,龍馬の江戸遊学のきっかけとなったのは,坂本家から程近い城下の小栗流日根野弁治道場で「和兵法事目録」,「和兵法十二箇条」,「和兵法二十五箇条」ならびに「和兵法三箇条」(つまり免許皆伝)を与えられて,弁治によって江戸の大流儀を学ぶように大いに薦められて,やがて藩庁より許可が下りて・・・というのが真相のような気がします。つまり,世の中を見たいとか,これからの人生を考えたい・・・といった青雲の志よりも,剣術家として大成し,やがて城下の道場主となる・・・といったことを考えていた方が,18,9の若者としては自然のような気がするのですが・・・。


福山雅治の龍馬は,きりっとした表情が確かに格好良いですね。
ただ,後年のトレードマークとなった蓬髪(つまりぼさぼさ頭)ですが,あれはいつ頃からのものなのか,知りたいような気がします。
髷を崩して月代を伸ばした総髪のような感じで,髷がかろうじて頭頂に残っている・・・といった感じなのが現存する幾つかの写真からうかがえますが,それらは慶応年間に長崎で写真師の上野彦馬に撮らせたものであり,土佐藩時代の龍馬が既に蓬髪であったとする根拠にはなりません。
それより福山さんの髪型はパーマをかけたようにちりぢりで,かえって違うような気がするのですが・・・。


龍馬の初恋の人とされる平井加尾に縁談があった,というのは寡聞にして知りませんでしたが,史料があるのでしょうか・・・。
あの自由恋愛など有り得なかったあの時代に,縁談を断ることは考えられませんので,創作なのかどうか・・・。
加尾は後に藩主の妹に従って公家の三条家に仕えることになり,維新後に結婚しましたが,龍馬と結ばれなかったことが痛恨事だった,と語ったとされています。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」では,加尾の名は僅かに出てくるだけですが,三条家に仕えたということから,家老福岡宮内(孝弟の一族でしょう)の妹であるお田鶴さまのモデルであることは間違いないでしょう。
ご当地出身ということで,広末涼子に白羽の矢が立ったのでしょうか・・・。
個人的には,序盤のヒロインとしては合わないような気がします・・・。
如何に下級武士とはいえ,儒教道徳に縛られた時代に女性からの告白は有り得ないような気がしますし,それに弥太郎を絡ませた一種の三角関係というのも穿ちすぎといった印象を否めません・・・。
弥太郎役の香川さんは引っ張りだこですね。
晩年の正岡子規役も凄味がありそうですが,ああした薄汚い格好(失礼!)がよく似合います。


・・・ということで,例によっていろいろと突っ込んでしまいましたが(悪い癖だ),最後にタイトルバックについて。
あの饒舌過ぎるCGは,個人的に???です。
稲妻とか飛龍とか,漫画チックでどうも好きになれません。
フルCGによるタイトルバックは,記憶にある限り昭和60(1985)年の「真田太平記」あたりが始まりと思うのですが,一昨年の「篤姫」にせよ4年前の「功名が辻」にせよ,どうも好きになれません。
CGは実写の補助的に使用するのが良いと思うのですが・・・(そうした点で「利家とまつ」,「風林火山」,「天地人」良かった)。
そして背後に流れる佐藤直紀の音楽について。
「ウォーターボーイズ」,「Good Luck」,「H2」,「ローレライ」,そして一連の「プリキュア」シリーズにおいて見事な「劇伴」を聴かせてくれた売れっ子作曲家の満を持しての起用です。
昨年の大島ミチル同様,現代を代表する作曲家の一人と言って良いと思いますが,大島が重厚なフルオーケストラを豪快に鳴らすのに対し,佐藤の楽曲は電子音を通奏低音的に扱い,それにストリングスによる平易な旋律を乗せ,明るいブラスでアクセントを付けるという手法が際立ち,極めて現代的で垢抜けた感覚を示していると思います。
ただ,ボーカルを加えたテーマは,CG画面同様饒舌過ぎるきらいがあると思うのは私だけでしょうか・・・。
上述の作品同様,劇中に魅力的な楽曲が散りばめられていると思われますので,サウンドトラックの発売を心待ちにすることにします・・・。
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