例によって録画して,子どもを寝かしつけてから見ました。
1812年,ナポレオンのロシア遠征失敗とヴィットリアの会戦におけるウェリントン将軍による敗北を背景にベートーヴェンは三曲の交響曲を一気呵成に書き上げます。
即ち,戦争交響曲「ヴィットリアの会戦とウェリントンの勝利」作品91,交響曲第7番イ長調作品92,同じく第8番ヘ長調作品93ですが,規模と完成度からいってもやはり第7交響曲が群を抜いていると言って良いでしょう。
今回のメインは,Sオケがこの第7交響曲を演奏して大成功するくだりと,「こたつ事件」がメインとなります。
どの楽章もリズムが一貫していて,強靱な印象を与える交響曲ですが,初演当時
「酔いどれが作曲したような曲」
という批判に対して,ベートーヴェンは
「俺は酒を造る酒神バッカスだ」
と豪語したというエピソードが伝わっていますが,後年の作曲家ウェーバーやベルリオーズはこの曲を「バッカスの饗宴」とか「舞踏の聖化」と称したと言われています。
構成感のかっちりとした曲作りをするベートーヴェンらしさと,酩酊したようにブレイクした部分が混在する名曲で,まさに「のだめ」のOPに相応しい曲と言えるでしょう。
しかし,峰とかのだめとかが実際に演奏しているように,実にうまく撮影されていますね。
ただ,例によって突っ込んでみますと,弦楽器の"ジミヘン弾き(峰談)"はともかく(本当にどこがジミヘンなんだ・・)はともかく,終曲でチェロが楽器を回すのは,あのパッセージでは不可能です。
以前ニューヨーク・フィルが,休符の際にコントラバスを回したのを見たことがありますが,演奏中は無理です。
あと,管楽器のベルアップ奏法は唾が逆流して気持ち悪くなります。
あと,やはり玉木宏と竹中直人の指揮はどうしても変ですね。
もう少し,レッスンが必要だったかもしれません(偉そーに・・・)
そうそう,もじゃもじゃが使っていた撥ですが,プロや音大生は間違っても使いません。
楽器のおまけで,まったく使い物にならない代物です・・・。
ただ,今回は嬉しいことに前回よりも新登場の曲が増えました。
「アルルの女」第2組曲~メヌエット,ファランドール(ビゼー)
交響曲第9番ホ短調「新世界より」~第2楽章Largo(ドヴォルザーク)
ピアノソナタ第15番~第1楽章(モーツァルト)
きらきら星の主題による変奏曲(モーツァルト)
アイネ・クライネ・ナハトムジーク~第1楽章(モーツァルト)
「美しきロスマリン」(クライスラー)
バレエ「ガイーヌ(ガヤネー)」~剣の舞(ハチャトゥリアン)
動物の謝肉祭~水族館(サン=サーンス)
ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調より(J.S.バッハ)
といった感じです。
しかし,音楽プロデューサーのセンス満点ですね。
こたつでダラックマになるところで「新世界」のLargoとは参りました。
あっという間に40数分が過ぎ,もっと見ていたいという気にさせられる数少ない番組です・・・。
早く原作読みましょう・・・。
原作では,各打楽器のディテールが正確に描写されており,感心させられました。
但し,TVであるかどうかは・・・。
多分カットされると予想します・・・。