現時点での各新聞社サイトのトップ記事は,すべて中国製餃子の中毒事件である。
千葉と兵庫で10人が中毒症状を訴えたというから尋常ではない。
市川市の保健所で分析の結果,基準値を大幅に超える有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が餃子から検出されたという。
原産が中国で都内の輸入業者が仲買してco-opが販売したようで,co-op商品を家庭班等で愛用している我が家としても人ごとではなく,すぐに冷凍庫を開いて中身を確認した。
この事件は,幾つかの問題を内包していると思う。
まず,他の大手スーパーに比べて,多少値段は高いものの安全・安心をウリにして,多くの客層を掴まえてきた「co-op神話」がぐらつく怖れがあるということだ。
我が家の近くにはco-opの他に□-ク系とイ△ン系があり,熾烈な過当競争が繰り広げられているが,肉魚の類はイオ△系が群を抜いて安い。
ただ,売り場面積がやたら広いので,それを嫌ってco-opに行く客は多いと思う。
勿論,今回の原因のすべてがco-opの商品管理にある,とは言い切れないのであるが,短絡的なものの見方や断定は日本人の得意とするところだ。
次に,何と言っても一体何処で殺虫剤が混入したのかという点だ。
前述の通り,問題の商品は中国の工場で生産され,輸入業者が仲買してco-opが販売したものだが,その流通過程の何処で混入した(された)か,という点が問題になる。
仲介業者の親会社であるJTによると,サンプル品に異常は無かった,ということだ。
但し,それはあくまでも細菌に関する検査であって,人体に有害な化学物質の混入の検査は通常行われていない,ということである。
10/1,10/20に製造されたもの,というのは分かっているようだが,断定は困難を極めると予想される。
そして,何と言っても中国側の対応と,それに伴う国民感情の問題である。
製造元の中国業者は,証拠のない言いがかりである,と態度を硬化させている。
ただでさえ根底に反日感情がくすぶっているわけだから,一般民衆に飛び火したらまた4年前のような日本叩きの集いのようなものになってしまうのでは,という危惧がある。
食料品に留まらず,我々の着ている衣料品の殆どは中国製である(私だけか???)。
1972年の国交正常化以来,中国とはお互いに必要な存在であり続けた訳であるから,今後もその関係を維持するためにお互い努力を継続していかなければならない筈である。
そのためにも,今回の一件は徹底解明を望みたい。
断固とした姿勢を打ち出しつつも,融和の取れた外交交渉を期待する・・・。
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