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koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

不条理は常なれど・・・

2012年12月18日 21時52分46秒 | 車&モータースポーツ

この憤懣を何処にぶつければよいのか・・・
というか,半ば諦めて予想はしていたのだが,それにしても腹が立つし世の不条理を感じるところ,一昨日の選挙結果の比ではない。

遂に可夢偉の来季シート喪失が決定的になった。
最後の望みだったロータス(あんなかつての名門と縁も所縁も無いチームをこの名で呼びたくないが・・・ルノーで結構だ)が「壊し屋」グロージャンの残留を発表。
可夢偉のリクルート活動も終息するに至った・・・。

かつて,F1のドライバーズシートは,開幕ギリギリまで決まらないことが多かった。
当然である。
2月にテストが解禁になって,温暖なイベリア半島のバルセロナやヘレス,エストリルといったサーキットで各チームが挙ってテストを行い,結果を出した者がシートを得てきたからだ。
例えば,激震の年となった94年だとトップチームの一郭だったベネトンフォード(現ロータス・・・と言って良いのか・・・)は,エースドライバーの兄シューの相棒が決まらず,故ミケーレ・アルボレート(伊)とJJ・レート(芬)が最後まで鎬を削った(その結果,JJが採用されたが,シーズン中のテストで負傷。ヨス・フェルスタッペンに変わった。アルボレートはミナルディへ)。
テストで好結果を出した者が採用・・・という当然のことが行われていた。


ところが,昨今は持参金付きドライバー(ペイイングドライバー)の存在が俄に大きくなってきたような気がする。
否,F1バブル華やかなりし90年代初頭も,我が国のドライバーは大口スポンサーを背負っていたし,ペイイングドライバー自体は結構居たと記憶している。
しかし,それは経営の苦しい下位チームが多かったのであり,今回のようなトップチーム,或いは可夢偉が放出されたザウバーのような中堅チームでも・・・と考えると,首をかしげざるを得ない。


例えば,ザウバーとしては,今シーズン終了を待たず早々とニコ・ヒュルケンベルグ(独)と契約した。
ヒュルケンベルグは,実は大口スポンサーを持っていない。
だからザウバーとしては,可夢偉+ヒュルケンは魅力的なラインナップながら,不可能だったことになる。
メキシコの大企業テルメックスを冠スポンサーにもつセルジオ・ペレスをいち早くトップチームのマクラーレンに引き抜かれたザウバーとしては,テレメックスのを失うわけにはいかず,インドGPでは可夢偉に比して1ラップ辺り2.5秒も遅いテスト兼リザーブドドライバーのメキシコ人,エステバン・グティエレス(昔,キューバ出身のオラシオ・グティエレスなる腕っこきのピアニストが居たっけ)を走らせざるを得なかったということだろう・・・。
勿論,癪だが可夢偉<ヒュルケンと思ってだろうけど・・・。


ではロータスは何故壊し屋と曰く付きのグロージャンを選んだのか。
これも尽きるところ金である。
グロージャンの背後には,以前もF1にガソリンを供給していたトタルなるフランス企業が付いている。
つまり金持ちなのである。
エースドライバーのキミ・ライコネンに高いサラリーを払う以上,サブとしてペイイングドライバーを雇わざるを得ない。
そう言えば,かつて佐藤琢磨がトロ・ロッソのシートをフランス人と争って破れたのも,フランス企業が国威をかけてドライバーのセバスティアン・某(名前失念)をサポートしたからである。
可夢偉にはそれが無い。
10億円以上をぽんと出してくれる日本企業は無いのである・・・。
元F1チャンピオンであるアラン・ジョーンズも,可夢偉のことを過去最高の日本人ドライバーであると述べ,日本企業は可夢偉をバックアップすべきと断じた。
イタリアやハンガリーを中心とした欧州でも,ザウバーが可夢偉を放出したことで抗議が相次いでいるという。
あの非力なマシンを駆って,相棒のペレスを上回る入賞を重ねて60ポイントを叩きだしたドライバーならば当然のことだ。


残された道は3つ。
ケータハムやマルシャといった下位チームに移るか(印度力への道も閉ざされたということだろう),テストドライバーかリザーブドドライバーになるか,タイヤを供給するピレリのテストドライバーになるか・・・という選択肢である。
3つ目が一番良さそうだが,ピレリの契約は2013年限り。
ピレリとしては更新を願うだろうが,もしそこで切り捨てられたら2014年は無い。
かと言って他チームのテストドライバーを務めるというのはどうか・・・。
近年テストが制限されており,トップチームではテストドライバーがFP1に出てくる機会はまず無いと思われる。
故に,余程のアピールが無いと苦しいだろう・・・。
下位チーム移籍に関しては,敢えて語るまい。
トゥルーリとかグロックといった可夢偉の先輩格が,トヨタ撤退後に辿った轍は踏ませたくないし・・・。


可夢偉とトゥルーリのW入賞に湧いたアブダビGPからむ僅か3日後の09年11月。
痛恨のトヨタ撤退から3年,私に思い入れの出来るF1を提供してくれた可夢偉の来季シートは決まらなかった。
かくなる上は,何としても14年にトップチームに行ってもらわなくては,振り上げた拳のやり場が無いではないか・・・。
日記@BlogRanking


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