ここ2,3年何故か日航にばかりトラブルが発生し,企業イメージを低下させること著しかったのであるが,今度は全日空機にトラブルが発生した。
伊丹発高知便の前輪が出ず,胴体着陸を敢行。
機長を初めとするクルーが的確・冷静な判断を下したせいか,幸い死傷者は出なかったが,飛行機に乗るのが恐い私としては看過できない出来事である。
伊丹~高知という近距離なので機種はB737-500あたりか,と思って画像付きのニュース記事を漁ると,何と見たことのない高翼の小型レシプロ機だった。
ボンバルディア・エアロスペースDHC8-400。
ボンバルディアとは迂闊にも初めて聞く名だが,モントリオールにある航空機・鉄道車両メーカー(珍しい組み合わせだ)らしく,近年は我が国でも使われている路面電車の生産が注目されているらしい(もともとはスノーモービルのメーカーだった)。
DHCとはデ・ハビランド・カナダのことで,大戦中有名なモスキート爆撃機(全木製の快速機)や世界初のジェット旅客機であったコメットを作った英国のデ・ハビランド社が何らかの理由でカナダで民間機の製造を行っていたものだが(詳しくは知らない・・・汗),ボンバルディア社が買収したものだそうだ。
で,DHC8-400であるが,こちらを見ると,最新鋭だけ有ってジェット機並みの装備であることが判る。
伊丹~高知のような近距離だとB737と所要時間がさほど変わらないため,コストパフォーマンスに優れた機体として重宝されているらしい。
ジェット機が長大な滑走距離を必要とするのに対して,ターボプロップ機であるDHC8-400は,短距離離着陸(STOL性)や旋回性能に優れるということだろう。
ところが,今回のような脚が出ないというアクシデントが相次いでいるという。
何らかの原因が有るのだろうが,もし脚の昇降に欠陥や構造的な問題が有るとしたら大変である。
一刻も早い原因究明を待ちたい。
機長の落ち着いた指示と着陸技術により,犠牲者を出さずに済んだ今回の事故だが,無事胴着を終えた時に乗客から安堵の拍手が起こったらしい。
実は,私も経験がある。
JAC(日本エアコミューター)の今は亡きYS11で屋久島~鹿児島間を飛んだ際,台風の中のランディングである。
以前書いた記憶があるが,あれは壮絶だった。
機体の振動が直接身体に伝わり,窓の外のシラス台地が斜め45°に傾いて見えたときは一瞬異境に果てる覚悟をせざるを得なかったくらいだ。
見事に鹿児島空港に我が国の誇るレシプロ旅客機を着陸させたクルーに対して,自然と拍手が湧き起こったものだった・・・。
密集した建物の真上を飛ぶ伊丹や,山側からアプローチすると国道が斜めに見える我が県の空港も恐ろしかったが,ピーナッツ畑とゴルフ場だらけの成田や,周辺施設が無機的な印象を与える関空へのランディングも楽しいものではなかった。
いずれにしても,今回のようなニュースを聞くと,益々飛行機に乗るのが恐くなる。
ま,当分予定は無いが,乗る可能性が有るとすれば大阪便か札幌便だろうか。
小1時間,或いは2時間足らずの肝試しである・・・。
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