やっぱり例外ではなかった・・・。
エジプトの隣国,リビアが揺れに揺れている。
何せ独裁者カダフィ(正しくはムアンマル・アル=カッザーフィー)の国である。
ムバラク政権があっさり倒れたのを見て,民衆が放っておく筈はない・・・。
リビアでも,反政府勢力によるデモが相次いだ・・・。
しかし,そこはカダフィである。
無事で済む筈がない。
強権発動で,狙撃手まで出る始末で,一説によると反政府勢力が800人以上犠牲になった・・・とも言われている。
しかし,そこはしぶといアラブ人である。
聖書時代からユダヤ人と2000年以上にわたって喧嘩してきた経緯を持つ彼等であるから,その程度で怯む筈もない・・・。
リビアという国は,本来は数十の部族の集合体だった(中東~北アフリカにはそうした国が少なくなかろう)。
首都であるトリポリを中心とするのが政府勢力,そして今一つの勢力はもう一つの大都市であるベンガジを中心としでいるらしい。
長年にわたって,カダフィはそれを攻撃対象にしてきた。
よって,今回の反政府勢力に対しても,積極的に軍による鎮圧を行ってきた(掃討に当たったのが,次男というから,リビアもどっかの国と同様世襲らしい・・・)。
何せ空爆までしているくらいである(どうせ60年代のミグかスホーイだろうが・・・)。
しかし,30年以上にわたって北アフリカに君臨してきたカダフィにも,落日が訪れようとしている。
ベネズエラへの国外脱出説が,まことしやかに流れたが,これは否定されたらしい。
反政府勢力は勢いを増し,国営テレビ局を襲撃したとの情報もある。
軍や政府内部にも離反して反政府勢力に加わる者も出ているようで,エジプトのムバラク政権同様,完全に張り子の虎となっている可能性は否定できない・・・。
カダフィが今も「大佐」と呼ばれるのは,彼がエジプト建国の父と呼ばれるナセル元大統領を尊敬しており,革命時のナセルの階級が大佐だったから,と言われている。
「中東の狂犬」にせよ「砂漠の狂犬」にせよ,芳しいイメージではないが,欧州各地でのテロの黒幕と目されていた80年代半ば,米軍がカダフィ宅をピンポイント爆撃して,暗殺未遂に終わったことがあった時,米国をなじるように非難したため(ま,当然であろうが),それに対して米国メディアが言ったことが元になっているような気がする。
因みに,その際カダフィは爆撃された自宅を公開したが,何でも日本でも某所にある回転式のベッドを使用しているのがばれたらしい・・・(日本から輸入したのか??)。
そういえば,つい最近彼の五男がスイスで婦女暴行容疑で捕まったことがあった。
以来スイスとは犬猿の仲となったことを思い出した・・・。
丁度30年前,地中海の空母から飛び立った米海軍のF14Aが,リビア空軍のSu17を鎧袖一触叩き落とす,という事件もあった。
私の周りのサヨクたちは皆憤激していた・・・。
さらには,執務室に,明治天皇の写真(明治帝は極端な写真嫌いだったようなので,肖像画か?)が貼ってあるらしい。
いずれにしても,血を流して何の民主化か。
このあたりは,国際的に批判されるべきと思うのだが,世論は反政府勢力に同情的な気がする。
勿論,私だって旧政府勢力を支持するものではないが・・・。
しかしまぁ,いつまでも「大佐」と呼ばれるのは,カダフィとシャア・アズナブルだけだろう・・・。
以前,カダフィについて書いたものはこちらに・・・。