みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

セーターになりたかった毛糸玉

2007-01-13 | とびきり好きな絵本
セーターになりたかった毛糸玉
 津田直美・著  ブロンズ新社

ベッドに入ってから、大きくなったら何になろう?
と考えることがあるように・・・・

 「だれもいなくなった 暗いお店のなかでも
  毛糸玉たちが
  自分たちの将来について
  いろいろな夢を語りあっているのです。」

とはじまるこのおはなし。
夜、ひそやかに語られる夢って何だろう?

どうやら、毛糸として生まれたからには、一度は
セーターになってみたいと憧れるものらしいのです。

このおはなしは、セーターになることを夢見ながら、
なかなか願いのかなわない、一つの赤い毛糸玉の
波乱に満ちたドラマです。

10個の赤い毛糸玉は、セーターになるべく
おばあさんに買い取られ、希望通りセーターに
編み上げられていきます。
5コなくなったとき、胴体完成。
さらに3コなくなったとき、両そで完成。
さらに1コなくなったとき、ゴム編み部分も編みあがり、
セーターはすっかり完成してしまいます。
悲嘆にくれたのは、残ってしまった最後1コの毛糸玉。
自分の不運を嘆きます。

それからは、山アリ谷アリの毛糸人生のはじまり。
孫への手袋として、「身を落とした」ことを嘆きつつ
次第にその状況にもなれ、幸せを感じる”山”時代。
その後やってくる試練の”谷”時代。
最後は、形は違えど、救われる思いにホッとします。
人間の人生だって、同じようなものかもしれない、と
ちょっぴり思ってみたりする。

このおはなし、ペンギンハウスの店長さんから教えて
もらってとても気に入ったものの、当時、
まったく入手不可本で、本当に手をつくして探しました!
ちょっと思い出深い絵本。
すっかり、ストーリーの運びと絵に、やられてしまったのでした。
思えば、この絵本が、津田直美さんの絵本を集めるきっかけ
だったんですよね。
今は、版元がかわってブロンズ新社から、復刊されています。
版型も少し小ぶりになって、加筆もされているらしいです。

毛糸やスープやお風呂など・・・あったかさの漂う絵本って、
結構好きなものが多いなぁ。

冒頭の絵本横にあるのは、手袋人形です。
この作り方も、絵本の中でかわいい絵つきで紹介あり。

            

以下、余談ですが・・・。
お正月休み、けっこう気合を入れて編んだ、かぎ針あみの
コハのチュニックワンピースが、ようやく編みあがりました!
さっそくうれしがって、しょっちゅう着せているわたし

 
取りかかりは、去年の3月。


↑この絵本(編みものばあさん/これもいい!)の記事を書いたら、
唐突に編み物がしたくなって、これから春という時期に
毛糸を買いにいってしまったものなんです。
家族の予言どおり、案の定、ひと夏ほっぽってまして・・・。
ようやく完成です。 
ふ~~。
でも、かぎ針は楽しい
次は・・・シーズンまたぐの覚悟で、帽子とモチーフかな!?

参考本はこちら。 「ベビーニットの本
             

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あみもの (masako)
2007-01-14 00:16:04
フラニーさん、こんばんは。
この絵本、かわいいですよね。
私も実は編み物が好きですが、棒針専門です。
しかも最近はマフラーぐらいしか編まないですね(笑)
昔はセーターやら帽子やら楽しんで編んでいたのですが…。

コハちゃんのワンピース、かわいいです!
大人っぽく思えましたが、2歳のコハちゃんが着たら
きっとキュートなんでしょうね。
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Unknown (ペンギンブルー)
2007-01-14 01:45:19
フラニーさん、こんばんわ。
このお話、初めて知ったときは、なんだかとてもツライなーって、思っちゃったんですよね。
きっと、自分のその時の精神状態にも左右されてしまっていたのだと思います。ツラかったのか?私..?^_^;;)
セーターになれなかった事や、手袋になってやっと幸せになれたと思ったのに公園に忘れていかれる事wやら、そんなツライ状況ばっかりが残っちゃいました。
でも、最後はハッピーエンド、フラニーさんの言うとおり、人生を垣間見るような絵本ですよね。

コハちゃんのワンピース、かわいいですね!
色が素敵!!
いいなぁ、女の子は..。お洋服の楽しみがひろがってねぇ。
かぎ針編みって、いろんな模様とか作れてかわいいですよね。
でも棒針よりも時間も毛糸の量も根気も使っちゃう、完成させたフラニーさん、拍手です☆


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いいなあ~ (こもも)
2007-01-14 06:55:13
私、編み物大好き!だから、わかるなあ~。
そうそう、最後の1つがあまるんですよ。そうかあ・・・最後の毛糸玉くんは、辛い思いをしていたのかあ。
うふ。この記事を読み、若かりし頃、せっせと旦那に、毛糸玉くんの憧れ・セーターを送っていたのを思い出しました。ちなみに、その後は、息子に編み続けていたのですが・・・
あるとき、「チクチクするから毛糸は嫌だ」と言われてしまい、以来「編みぐるみ」以外、作っていないんです(涙)
コハちゃん、着てくれていいなあ。
お腹の赤ちゃんは、着てくれるかなあ。う~ん。チクチクしない毛糸玉でも探してみようかな。
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編み物と言えば (harry)
2007-01-14 10:13:45
こんにちは、おじゃまします(^^)/
この本、人気ありますよね。
私が地方紙でレビューを書いたとき
「あの本すきなんですよ~。取り上げてくれてうれしかった」
なんて、わざわざコメントをいただいたりもしました。
しかも、それが男の人から!!!
編み物といえば苦い思い出が。
昔むかし、そのむかし。
つき合っていた彼に、マフラーと手袋が欲しいと言われました。私がこの世で一番苦手なことは編み物。
・・・母に頼みました。母は「手袋の親指1本くらい自分で編みなさい!」と言ったので、渋々編みました。
親指だけ抜群にデカイ手袋ができました。(T_T)
スチームアイロンかけて縮ませました。(^^;)

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受け継がれていく毛糸と心 (S. Yard)
2007-01-14 11:00:16
御紹介のあった本のアウトラインを読みながら、母方の祖母が、生前、誕生日にくれた帽子とマフラーを思い出しました。この2点は、従姉が小さくなってしまったセーターとベストを解いて編み直したものでした。色はレモンに近い黄色とミルクチョコレートの茶でした。黄色はマフラー、そして茶の方は帽子で、子供心にとっても嬉しかったことを覚えています。編み物が出来る人の手は魔法の手...これは、当時も今も変わりません。さんざんお世話になった帽子とマフラーは、その後母が、従妹のケープとして編み直してました。受け継がれていく気持ちは、大量生産、大量消費が当たり前になってしまった今だからこそ、生活の中で見直していくことが、大切なのでしょうね。
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●masakoさんへ (フラニー)
2007-01-14 23:31:02
masakoさん、この絵本かわいいですよね。
こまこましたイラスト部分も見逃せません。

masakoさんは棒針なんですか!
わたしの母が編み物上手で、もう棒針はまかせてしまいました。
かぎ針だと、1本持ち歩くだけですむという手軽さもあって、ここのところもっぱらかぎ針なんですよ。

これ、ちょっと大人っぽい感じもしますかね。
前後とも真四角に編んで、襟ぐりと胸をリボンできゅきゅっと結ぶだけのお手軽なものなんですよ。
タイツはいやがるので、スパッツとあわせて着せています。
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●ペンギンブルーさんへ (フラニー)
2007-01-14 23:38:40
この絵本、深読みすれば人生そのものなんて思えるほど深いですもんね。
精神状態に左右されるって、本当にそう思います!
プレゼントした先で、涙が出そうになったと感想をくれた方もいましたよ。

ワンピースの色をほめてもらえるなんて・・・ふふ、うれしいです☆
つい自分の好きな色に惹かれてしまって。

このベビーニットの本には、男の子にもよさそうなかわいいもの、いくつかありましたよー。
でも確かに着せるものに関しては、女の子のほうが長く楽しめるのかな。
わたし、かぎ針のようにちまちましたもの好きなんですよ~。 どうもありがとう♪
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●こももさんへ (フラニー)
2007-01-14 23:54:38
こももさんも編み物好きなんですね!
どうしたって、この時期毛糸には惹かれてしまいますよね。
今回も、結局青い玉がひとつ、ほんの少し使っただけで、丸々残ってしまいました。
違う糸とあわせて、アンカのカバーにでもしてあげないとかわいそうかな。(←あ~、その処遇に嘆くかもですね)

毛糸がチクチクしていやって、ありますよね。
うちもチヒロは暑がりでとてもとても・・・。
でも、今はオーガニックのやさしい毛糸も出ていて、ベビーちゃんにぴったり♪
おくるみなんか編むにもいいなぁと思って見ています。
このベビーニットの本に、「リブ編みカバーオール」なんて載っていて、もっと早く知っていれば、ちょっと編んでみたかったナァと思ってるんですよー。
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●harryさんへ (フラニー)
2007-01-14 23:56:33
やっぱりこの絵本、人気なんですね!
男の方から感謝されるなんて、よっぽどこの絵本への思い入れが強かったのかしら。
なんだかおはなししてみたい気がします。

編み物って、お菓子作り同様、女の子が一度はチャレンジするものなんでしょうか。
harryさんのエピソード、身にしみます~。
なんだか、親指だけ大きな手袋を想像して、苦笑してしまいました。
わたしも、過去何度セーターを作ったか。
いつもかちこちの、重~いセーターができあがり、
自分だったら着られないなと思いましたよ。

harryさんの書評、拝見するすべはないですか?
見たいです・・・。
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●S. Yardさんへ (フラニー)
2007-01-15 00:03:20
S. Yardさんの思い出のマフラーと帽子のおはなし、なんともほのぼのとしていて、ステキです。
心に残る毛糸の色って、わたしもあるのでよくわかりますよ。
わたしは、伯母が兄弟4人に編んでくれた色違いの帽子で、形はどんぐりの帽子のよう。
わたしは、オレンジ系のまざり糸だったんですよね。
弟二人が緑。妹がピンク。強烈に覚えています。

S. Yardさんの帽子やマフラーの元の姿も、先の姿も、おばあさんやおかあさんの気持ちが込められていて、とてもすてき。
いいおはなしを聞かせてもらいました。
毛糸って、そういうことができるんですもんね。
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