ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

正直村の子どもたち(3)

2008-09-06 | 放蕩息子Part2
また、テストがありました。

義男先生はテストの答え合わせをしていました。それがどうも変な感じなのです。生徒たちの答えがあまりにも似ているのです。

翌日、義男先生は、生徒たちに言いました。「もし、みんなのなかで、カンニングをした人があれば、今日の夕方5時までに先生に申し出てください。」

でもだれも、申し出てきた生徒はいませんでした。



次の日の朝です。緊急全校朝礼が開かれました。学校の生徒全員が、校庭に並びました。

校長先生が、穏やかに、けれども重々しく、ゆっくりと話し出しました。

「正直村に住む人は、みんな正直な人たちのはずです。ところが、最近、カンニングをする生徒がいることがわかりました。カンニングをした生徒は、鞭打ち3回、そしてそのテストは0点という決まりです。これから、名前を呼び上げる人は、前に出て来てください。決まりに従って、鞭打ちをします。」

(つづく)