ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

正直村の子どもたち(2)

2008-09-05 | 放蕩息子Part2
また、テストがありました。

義男先生はテストの答え合わせをしていました。それがどうも変な感じなのです。生徒たちの答えがあまりにも似ているのです。

義男先生は、そのことを校長先生に相談しました。

「やはり、生徒たちがカンニングをしているのだろう」、校長先生は、そう言いました。

義男先生は自分の生徒たちに間違ったことをしてほしくありませんでした。「生徒たちがカンニングをしようと思わないように、決まりを作ります。カンニングをした生徒は、鞭打ち3回、そしてそのテストは0点。次のテストから、こうすると、生徒たちに告げます。」義男先生は、校長先生にそう言いました。校長先生は、黙ってうなずいただけでした。


また、テストがありました。

義男先生はテストの答え合わせをしていました。それがどうも変な感じなのです。生徒たちの答えがあまりにも似ているのです。

翌日、義男先生は、生徒たちに言いました。「もし、みんなのなかで、カンニングをした人があれば、今日の夕方5時までに先生に申し出てください。」

でもだれも、申し出て来た生徒はいませんでした。


義男先生は、そのことを校長先生に相談しました。

「生徒たちがカンニングをしているのは間違いないだろう」、校長先生は、そう言いました。

でも、テストを見ただけでは、だれがカンニングしたのか、はっきりしません。

校長先生が言いました。「生徒たちに、もう一度、新しい決まりのことをよく言って聞かせなさい。そして、生徒たちにわからないように、教室にビデオカメラを取り付けましょう。それを見れば、だれがカンニングをしたのか、はっきりとわかります。そして、カンニングをした生徒は、本当に、鞭打ちにしましょう。」

義男先生は自分の生徒たちが不正をしているとは思いたくありませんでした。でも、こうなっては仕方ありません。義男先生と校長先生は、その夜の間に、生徒たちにまったくわからないように、教室にビデオカメラを何台も取り付けました。

(つづく)