『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

田原総一朗『全身ジャーナリスト』「中露はもう伸びない…これから衰退していくと思う」

2024-06-04 05:02:46 | 日記
日本を取り巻く状況も厳しくなるばかり。ライフワークとして掲げる「日米安保における日本の主体性」とは
「戦後の世界で、アメリカは世界一豊かで、強い国でした。ところが、アメリカの力が相対的に弱くなり、『パクス・アメリカーナ』(アメリカによる平和)の時代が終焉を迎えると、日米安保も、それまでの(安全保障を一方的にアメリカに依存する)『片務』→『双務』に変わることが必要になった。つまり、日米安保を維持してゆくには、日本が、主体性を発揮する新たな形を構築しなくてはならなくなったわけです」
アメリカは安倍政権を本気で潰そうとしていた
――そこで、安倍晋三政権は集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に踏み切った。田原さんは第二次の安倍政権を評価している
「そうですね。安倍さんの思いは、日米安保を維持しつつも、『アメリカにバカにされない国』になることでした。そのために僕は安倍さんと何度も会ってアドバイスもした。靖国問題はそのひとつ。安倍さんは(首相に復帰した2013年に)参拝したけど、僕は『二度と行くな』と言いました。それは、中韓だけでなく、アメリカが『戦前の日本』に戻ることを懸念し、安倍政権を本気で潰しにかかろうとしていたからですよ。安倍さんは『分かった』といい、(首相在任中は)靖国に行かなかった」
日本は台湾侵攻阻止で米中間のパイプ役になるべきだ
――日本に求められる役割は、米中間を取り持つパイプ役になること
「中国の台湾侵攻が懸念されているが、そうなれば、アメリカは日本に『ともに戦え』と求めてくるでしょう。そんなことになったら、日本の国土はめちゃめちゃになってしまいますよ。アメリカもホンネでは中国と戦争をしたくない。だから日本は『外交の力』で、中国に台湾侵攻させないようにするパイプ役になるべきです。日本の政治家の中にはそれができる人がいると僕は思うし、アメリカも期待していますよ」 
――とはいえ、今の国際社会の中では、「力による現状変更」を強行する中露などに対し「民主主義」陣営は、劣勢に立たされ、歯止めがかけられないように見えるが
「歯止めがかけられない…実は、それこそが『民主主義のすごさ』なんだと僕は思いますねぇ。(強権的な国は)国民による政府の批判も認めない。そんなことをすれば刑務所行きですよ。人間は理性だけで生きているのではありません。感情をもっている。そんな状況に置かれた人間が満足できますか? (現在の国際情勢に対して)『心配がない』とは言わないけど、(中露は)もう伸びない。これから衰退してゆくと思います」
――ところで、政治とカネの問題で今や自民党はガタガタ
「ああいう問題が露呈するのも日本のよいところ、言論の自由があるからです。政権交代ですか? 本来なら自民党は持たないんですけれど、野党もひどい。各野党が組んで、政権を奪取しようという意気込みが見えませんからね」
90歳を超えてこんな本を書けるなんて驚嘆しかない。
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