競合するイオン、大手家電メーカー、ヤマダ電機などの量販店が相次いで経営不振に陥る中一人勝を続けるガリバー企業セブン&ホールディングス。強さの秘訣は高齢になっても衰えを知らない鈴木敏文会長のカリスマ性にあります。遅れて出店を開始した関西地区が不振で日販が落ち込んでいる中関西風味に味を変え肉じゃが、ざるそばなどの大ヒットを生み出しました。まさに現代の経営の神様です。セブンイレブンで驚かされるのはしばらく行かないと別の店かと見間違うほどの変化です。変化に対応するだけでなく自ら変化を生みだしている。これが強さの根源です。往年のヒット商品すら微妙に味を変えて提供し続ける姿勢です。死角は見当たりません。
以下コピー 消費増税もものともせず、流通業界で独り勝ちのセブン&アイ・ホールディングス。今年1月に「地域性重視」を掲げ、全国を9ブロックに分け、組織を再編した。それには深い理由があった。
セブン-イレブンには悩みがあった。日販(1店舗の1日当たりの平均売上高)約66万円と、競合チェーンに10万円以上の差をつけ、コンビニエンスストア業界で独り勝ちのセブン。だが、エリアごとにその数字を追っていくと、他チェーンとの差が10万円を下回る地域があったからだ。
その地域とは関西。東京を創業の地とするセブンは、特定の地域に集中的に出店する「ドミナント戦略」を進めてきたため、関西では後発組。関西約2000店の平均日販が関東よりも低い理由について、社内では「シェアが低いため」とされてきた。
とはいえ、関西は関東に次ぐ一大消費地である。その差をこのまま放置しておくわけにはいかなかった。2014年3月、ついに鈴木敏文会長は決断を下す。
「関東と比べて、関西のセブンは顧客に支持されていない。関東のセブンとの差を埋めなさい」
関西の商品作りを抜本的に立て直す、西日本プロジェクトが発足。石橋誠一郎執行役員がリーダーに抜てきされた。
石橋氏はプライベートブランド(PB)のカップ麺「セブンゴールド 日清名店仕込みシリーズ」などのヒット商品を開発した、商品本部のエースの1人。鈴木会長は大阪に単身赴任することになる石橋氏にこう指示を出した。
「セブンの商品が、関西という地域に合っていない。市場を知り、打つ手を考え、やりたいことはスピード感を持って進めなさい」指示したのはカリスマ経営者鈴木敏文会長
です。大ヒットする新しい商品開発が必須なのです。