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ふくらく通信

東北人が記す、東北の良さや震災の事、日々のなんだりかんだり。
他所で見る東北の足跡や繋がり、町の今昔や輝きを発信。

海老喜商店の「醤油まころん」(登米) :2008年05月20日の食べ歩記

2013-10-11 19:53:24 | 食べ歩記

「お、私の好きなマコロンがあるよ。」宮城の明治村と呼ばれる、登米の町へ行った時のことだ。      
宮城のマコロンは丸くて甘く、かりっと噛んで口に含めば、ほろりと砕ける食感と、落花生の風味がとても美味しいお菓子である。仙台駄菓子として親しまれてきた物の一つだ。

でも、買ったのは、お菓子屋ではない。実は、味噌醤油のお店である。
天保4年創業の老舗、海老喜(えびき)商店さんで、気になるマコロンを見たのだ。

それが、「醤油まころん」である。
ちょっと醤油の香りがして、塩味と甘味が程よく、ついついもう一個と手が出る。

登米は、大崎と並ぶ大豆の産地で、味噌や醤油の生産も盛んだ。
伝統の味噌醤油のみならず、いよいよ醤油を活かしたマコロンも作られた。
ちなみに、味噌アイスもある。
今や甘辛の魅力を広げ、人々を惹きつけているのであった。

追記: 現在は、仙台市内のスーパーマーケットでも 「醤油マコロン」を時々見かけます。駅の「食材王国みやぎ」の売り場に置かれていることもあります。  


栗原の「夢風船」 :2008年07月15日の食べ歩記

2013-10-11 14:54:06 | 食べ歩記

栗原で、じっくりと育てられ、協力しあって色々な工夫を加えられている物がある。
紅くて、町の夢を広げるような名前の「夢風船」だ。

「夢風船」は、ケーキ屋の「パレット」にもある。
この店は、国道4号線を、栗原市役所前の交差点で、東方向の道に入るとあった。

手を加えられ、さらなる魅力を身につけた「夢風船」が目に入る。
みずみずしく、甘酸っぱいゼリーだ。中に、「夢風船」が丸ごと入っている。

ところで、この「夢風船」とは何であるか。
実は、真っ赤な高糖度トマトなのである。

宮城の県北には、鹿島台のデリシャストマトの他に、もう一つ高糖度のトマトが存在する。
それがこの、栗原市一迫産の「夢風船」だ。

一迫は、岩手宮城内陸地震で被害が大きかった花山の隣町。やはり、いくつかの被害があった。
それから1ヶ月。
自宅に帰れないため仮設住宅に移り、不安の中で町の再生を目指して踏ん張っている方々がいる。

栗原は、農業や観光での地場産業が主な収入源。
だが、被災して厳しい情況となっており、何か少しでも協力できたらと、産物を買いに行ってきた。

夢風船トマトの、生の旬は6月までだ。
ただし、その後も栗原の菓子として、「パレット」のゼリーや、「愛す村」のアイスクリームで、「夢風船」の旨味をいくつか味わえる。

被災から立ち直ろうとする栗原。
その産物に触れ、その品を買い、地場産業の再興につながるよう願う。

追記: 現在、仙台駅地下の「仙台みやげ舘」でも、栗原のパレットの品が「畑のスウィーツ」として販売されています。
 夢風船の他、デリシャストマトや栗原りんごなど、栗原の農産物を生かした菓子やジャムがあります。


伊達のごま丸(仙台市) :2008年09月27日の食べ歩記

2013-10-11 12:20:33 | 食べ歩記

「真っ黒で甘い」
見事にまっくろ。
表面は艶があり、ふんわりしている。

「伊達のごま丸」だ。  
饅頭を割ると、とても芳ばしいゴマの香りが漂う。
柔らかな饅頭は、中もまっくろで、たっぷりのゴマ餡が詰まっていた。

この饅頭の黒さは、生地に竹炭が練りこまれているため、見事に艶のある黒に仕上がっている。
しかも、あんの黒ゴマの他に、甘味にも黒糖を使っているそうだ。その黒糖によって、コクやまろやかさが出るのだろう。

小振りの饅頭だが、芳ばしいゴマの味やコクのある甘さ、旨味がしっかり味わえる。
この年、また一つ杜の都の土産に加わったのは、とことん黒い物を使った饅頭であった。

※追記:もちろん今も、寿三色最中本舗で販売されています。


梅花堂の「東太平洋」(塩釜) :2008年09月07日の食べ歩記

2013-10-10 19:31:24 | 食べ歩記

伊達政宗公の命により、石巻にて日本初と言われるガレオン船が作られた。
その船を、包みに描いた商品がある。
              
この、石巻で作られた船が「サン・ファン・バウティスタ号」で、これに乗って支倉常長がローマへと出航。
太平洋を渡り、メキシコのアカプルコに入港し、その後更に大西洋へ抜け、スペインのマドリードやローマへと旅を続けた。

さて、船が描かれた「東太平洋」という名の包みだが、塩釜の「梅花堂」さんの作っている菓子である。
中に入っているのは、素晴しい香りがするコクのあるクッキー。  

素材を吟味し、丹念に焼き上げたクッキーを、ラム酒シロップに浸している。
包みを開けたとたん、素晴しい香りが広がって、厚みがあり、少しほくほくした感じと、さくっとした食感が心地良い焼き菓子だ。
アルコールは飛ばしてあるので、お酒の弱い方でも食べられそう。

宮城に、こんな洒落たクッキーがあったのかと、あらためて地元の菓子の豊富さや魅力を再認識した。
宮城のお土産として、なかなか洒落た良い品ではないかな。

※追記
震災で、梅菓堂も被災。駅の売り場は辞めましたが、現在は塩釜の店が再開し、仙台駅の地元産品売り場にも商品が置かれています。


はるそば家(川崎町) :2008年10月21日の食べ歩記

2013-10-10 17:36:29 | 食べ歩記

神無月の初め、川崎町を通ると、稲刈り田んぼの合い間に、可愛い蕎麦の花がいっぱい咲いていた。

仙台から南西方向、蔵王へ向かう途中にある川崎町は、笹谷峠を越えて山形へと続く街道として、歴史ある町だ。
この川崎町は、蕎麦の生産量が県内一であった。

こじんまりした町の中には、ちょっと歩くとお蕎麦屋さんや、お蕎麦が主の食堂が目に付く。その中でも、街道沿いにある老舗のお蕎麦屋さんが気になり、飛び込んだ。
「はるそば家」という店だ。

この日は、すずしろ蕎麦750円を頂く。         
コシがあって、香り豊かな蕎麦であった。少し太めなので、ここの蕎麦は噛んで味わうほうが、その香りや蕎麦の繊細な味を存分に楽しめると思う。

全席禁煙で、蕎麦の風味をしっかり味わえ、落ち着ける環境のお店。蕎麦きりの他に、蕎麦がきもある。予約すれば、蕎麦打ち体験も出来るとのこと。

歴史ある笹谷街道で、歴史ある蕎麦を味わうのもいいものだ。