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ふくらく通信

東北人が記す、東北の良さや震災の事、日々のなんだりかんだり。
他所で見る東北の足跡や繋がり、町の今昔や輝きを発信。

かま志んさん(仙台市若林区):2009年01月26日の食べ歩記

2013-12-27 13:12:44 | 食べ歩記
広瀬橋から、五橋方面に伸びる国道は、奥州街道にあたる。
その道を歩いてみれば、地下鉄河原町駅を過ぎて仙台堀を渡った辺りで上り坂になる。
先は、左に駐車場や変電所、右側にマンションが見えて横断歩道がある。そこの横断歩道を、右のマンションのほうへ渡って、直ぐ脇の路地に入れば、弓の町へとつながる。
この路地は、「石名坂」という。

さて、その「石名坂」を進んで、行き当たる十字路を左に入ると、そこは昔、その辺りに閻魔堂があったので付いたという「閻魔堂横丁」という通りだ。
「閻魔堂横丁」を行くと、円福寺があり、そのちょっと先にお気に入りの店がある。

たまに立ち寄るのだが、店の雰囲気も商品も、お店の方の笑顔も、ぬくもりがあって良い店なのだ。(2009年撮影)
お店の名前は、「かま志ん 蒲鉾店」という。

ここの笹かまぼこは、炭火で焼いており、焼いた魚の芳ばしい香りがする。味も歯ごたえも、しっかりしていて、魚の旨みがたっぷり味わえる蒲鉾だ。
おでん種によい、揚げた蒲鉾類もたくさんあるが、この日は、黄色くて焼き目も美味そうな「玉子」を買った。

噛むと、甘味の奥から、魚の旨みがにじみ出てきて、わさび醤油などをつければ、おつまみにもおかずにもなる、玉子焼きのような蒲鉾だ。
甘さと卵の風味が、お茶請けにもいい。旨い具合に個性を活かす、いい役者みたいだ。

※追記:現在は、店舗が新しくなっています。
実は、震災当時も建替えのためにプレハブの仮店舗で営業していたとのこと。案外丈夫で、被害がなかったと言っていました。
まだ仮店舗の頃に寄った時は、せっせと作る姿が目の前にあり、笹かまぼこを買ったおまけに、出来たてのあったかいのを食べさせてくれました。

宮町「味楽」の人形焼(仙台市宮城野区) :2009年04月09日の食べ歩記

2013-12-08 15:18:48 | 食べ歩記

杜の都の北東に、江戸の御威光と共に仙台藩の繁栄を示すような、飴色の透塗(すきうるし)や精巧な細工を施した美しい神社がある。二代藩主の伊達忠宗公が造営した、徳川家康公を祀る「東照宮」だ。

この東照宮から、南方向へ長く長く伸びる道があり、そこを「宮町通り」と言う。
実は、この仙台宮町に、美味しい煎餅と「人形焼」があるのだ。

宮町通りを東照宮から進んでいくと、2つ目の交差点で「宮町3丁目」となり、この交差点を少し過ぎた所の十字路を左(東方面)に入る。
その路地を少し進むと、瓦のひさしの下に扇形の看板が付いた、趣のある店にたどり着く。


このお店は、「味道楽せんべい 味楽(みらく)」さんだ。
穏やかな甘さの、歯ごたえが軽くて小気味よい、美味しいお煎餅を売っている。         

この味楽さんでは、お煎餅だけでなく、東京の下町で有名な「人形焼」が売られている。
人形焼は、明治頃の発祥だろうか。人形町から、型で生地を焼いた菓子が作られたのが「人形焼」の始まりだと言われている。

もともと、江戸時代に流行った歌舞伎と共に、浄瑠璃の人形遣いや芝居小屋が多く集まったので、そこが「人形町」となり、それにちなんで人形焼が作られたようで、人形町で芝居を楽しむ人々にも親しまれた菓子だったらしい。

さて、仙台の宮町にある「味楽」さんの人形焼は、中に餡が入った、生地が芳ばしく、しっとりとして程よい甘さの人形焼きであった。
その形は、人形焼の伝統の型といわれている、「七福神」である。  

東京では6個で、「お客さんの笑顔を入れて七福神」などと言うが、仙台のはちょっと違う。
「あれ?七福神だけど、8個だ。」どうやら、大黒様が2つあったかなと、顔を見比べた。
末広がりの8つにしたのだろうか、豊かで円満な人形焼だった。

町をゆったり歩いて、笑顔を誘う人形焼を楽しむのもいいものだ。

※追記:今も同じ場所で、美味しい煎餅と人形焼が売られています。仙台で作る、伝統の七福神人形焼は、この味楽さんでしか見たことがありません。
瓦せんべいの材料はカステラと同じなので、菓子作りの技法を活かして人形焼きも作られているのでしょう。
ちなみに、上杉や二の森にも、同じく瓦せんべいを主としたお店があるので、聞いてみたら親戚だと分りました。でも、各々が独立しており、それぞれに持ち味があります。