伊達政宗公の命により、石巻にて日本初と言われるガレオン船が作られた。
その船を、包みに描いた商品がある。
この、石巻で作られた船が「サン・ファン・バウティスタ号」で、これに乗って支倉常長がローマへと出航。
太平洋を渡り、メキシコのアカプルコに入港し、その後更に大西洋へ抜け、スペインのマドリードやローマへと旅を続けた。
さて、船が描かれた「東太平洋」という名の包みだが、塩釜の「梅花堂」さんの作っている菓子である。
中に入っているのは、素晴しい香りがするコクのあるクッキー。
素材を吟味し、丹念に焼き上げたクッキーを、ラム酒シロップに浸している。
包みを開けたとたん、素晴しい香りが広がって、厚みがあり、少しほくほくした感じと、さくっとした食感が心地良い焼き菓子だ。
アルコールは飛ばしてあるので、お酒の弱い方でも食べられそう。
宮城に、こんな洒落たクッキーがあったのかと、あらためて地元の菓子の豊富さや魅力を再認識した。
宮城のお土産として、なかなか洒落た良い品ではないかな。
※追記
震災で、梅菓堂も被災。駅の売り場は辞めましたが、現在は塩釜の店が再開し、仙台駅の地元産品売り場にも商品が置かれています。
神無月の初め、川崎町を通ると、稲刈り田んぼの合い間に、可愛い蕎麦の花がいっぱい咲いていた。
仙台から南西方向、蔵王へ向かう途中にある川崎町は、笹谷峠を越えて山形へと続く街道として、歴史ある町だ。
この川崎町は、蕎麦の生産量が県内一であった。
こじんまりした町の中には、ちょっと歩くとお蕎麦屋さんや、お蕎麦が主の食堂が目に付く。その中でも、街道沿いにある老舗のお蕎麦屋さんが気になり、飛び込んだ。
「はるそば家」という店だ。
この日は、すずしろ蕎麦750円を頂く。
コシがあって、香り豊かな蕎麦であった。少し太めなので、ここの蕎麦は噛んで味わうほうが、その香りや蕎麦の繊細な味を存分に楽しめると思う。
全席禁煙で、蕎麦の風味をしっかり味わえ、落ち着ける環境のお店。蕎麦きりの他に、蕎麦がきもある。予約すれば、蕎麦打ち体験も出来るとのこと。
歴史ある笹谷街道で、歴史ある蕎麦を味わうのもいいものだ。
その日、松島に寄った時は、もう日が暮れていた。
まだ、暮れ六つ時(六時頃)だというのに、まるで五つ時(8時)を過ぎたかのようで、深まる秋は日の落ちるのが早いもの。
松島海岸駅前(仙石線)で、海を右にして立ち、前方を見ると細い道がある。
その道を入って行くと、左にホテルがあり、右からは、ほのかに温かさを感じるオレンジ色の灯りが目に入った。
その灯りの傍に行くと、看板があり「菓子工房 松田屋」と書かれている。
ガラス越しに店の中を覗くと、魅力的なケーキが見えた。
「入ってみよう」輝くケーキに、見ているこちらの目も輝く。
今日は、持ち帰りやすい品を選んだ。
棒状で個別に包まれたチーズケーキと、フルーツケーキやチョコレートケーキ、そしてシュークリーム。
このケーキは、どれも素材の味をしっかり引き出していた。
チーズの味も生チョコレートの味も濃厚だし、フルーツケーキは、中にさっくりした生地も加え、食感に工夫が加えられている。
シュークリームは、ふっくらした生地の中に、まろやかで、卵と牛乳の味わい豊かなクリームがたっぷり入っていた。
美味しい品も、その土地に行く楽しみになる。
松島に行く楽しみが、また一つ増えた。
※追記 震災後の津波で浸水しましたが、復旧再開し、現在も同じ場所で営業しています。