本朝徒然噺

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GW旅日記2~都をどり

2008年05月04日 | 花街随談
毎年4月から5月にかけて、京都の各花街(祇園東を除く)の踊りが次々と開催されます。

なかでも最も歴史が古いのが、明治5年に第1回が開催された、祇園甲部の「都をどり」。
明治維新によって首都が東京に移った後、古都京都を盛り上げたいという願いから開催されたのだそうです。
現在は毎年4月1日~30日の1か月間にわたって行われ、京都の春の代名詞ともなっています。

毎年テーマは変わりますが(今年のテーマは源氏物語でした:冒頭写真)、全体の構成はほぼ同じ。
「都をどりはヨ~イヤサ~」というおなじみのかけ声で幕が開き、大勢の芸妓さん、舞妓さんが揃いの髪型・衣装で踊った後、テーマに沿って作られた長唄や竹本の舞踊がいくつか披露され、1時間ほどでフィナーレとなります。
美しい芸妓さん・舞妓さんが舞う華やかな舞台を見て、しばし現実を忘れられるひとときです。

お茶席付きのチケット(茶席付き特等観覧券)を買うと、開演前に芸妓さんのお点前(立礼)を拝見してお菓子とお抹茶をいただけます。
また、お茶席に行く前には、芸妓さんや舞妓さんの書や絵などの作品を見ることもできます。

ほかの花街だと、一部テープを使うところもあるのですが、都をどりの場合は、長唄とお囃子(太鼓、大鼓、小鼓、笛)もすべて芸妓さん・舞妓さんが生演奏をなさいます。
踊りの配役とお囃子、お茶席のお点前と控え(半東)はローテーションなので、芸妓さん・舞妓さんたちはみなさん八面六臂の活躍をされており、1か月間休む間もないという感じです。
もちろん、都をどりの後は普段どおりお座敷に出るのです。
気力的にも体力的にも大変な1か月間だと思うのですが、それをサラリとこなしておられるところがさすがプロだなあ……と思います。

これまで何度も都をどりを観に行ったのですが、芸妓さんや舞妓さんの美しく優雅な舞台は何度観ても飽きません。
というわけで、今年もまた行ってまいりました(笑)。
しかも、今年は2日連続で(笑)。

1日目はお茶席なしにしましたが、2日目はお茶席付きにしました。
本当は、都をどりのお茶席ってあまり好きじゃないのですが(お客さんの数も多いせいか、席に着いたらあっという間にお菓子とお茶が運ばれてくるし、お点前の途中でも次のお客さんたちが案内されてきてしまうので、ゆっくりとお点前を拝見できないのです)、1階で観たいならお茶席付きの「特等」じゃないとだめなので……。
お茶席なしのほうは案の定2階席でしたが、2階の前のほうの席だったので、結構よく見えました。
お茶席付きのほうだとちゃんと1階席を確保してくださっていて(席は当日にならないとわからないのです)、両脇の花道もよく見える席だったのでよかったです。
1階席には、置屋やお茶屋の女将さん、芸妓さんや舞妓さんも結構座っておられて、華やかでした。

お茶席のお菓子は毎年決まっていて、虎屋の薯蕷饅頭。
祇園甲部の紋章「つなぎ団子」の柄があしらわれたお皿(写真右側。写真左側は公演パンフレット)に乗って出されます。

都をどりのパンフレットとお皿

このお皿は、お土産としてお持ち帰りできるのです(お皿の下に大きめの敷紙が敷かれるので、それに包んで持ち帰ります)。

お茶席入りを待っている間は、歌舞練場の中庭を愛でることもできます。
ちょうどツツジも咲いていて、きれいでした。

祇園甲部歌舞練場の中庭のツツジ

今回着て行った着物は、松竹梅の丸紋を織りだした泥大島。
帯は、ピンクの雲取りの絞り。
毎度おなじみのコーディネートで失礼いたします(笑)。

この帯は、通常の名古屋帯よりも少し短かったので、思い切って付け帯に仕立て直してもらいました。
付け帯初体験なのですが、すごく楽で、ハマってしまいそうです
付け帯だと着崩れしてしまわないかと心配していたのですが、一日中着てあちこち歩き回っても、まったく問題ありませんでした。
むしろ、普通に名古屋帯を結んだときよりもしっかり締まったような気がします。お太鼓の形も崩れにくかったですし。
コンパクトになるので、旅行のときはとても便利です。
この際、ほかの帯もいくつか付け帯にしてしまおうかと画策中……

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