12月10日(日)の夜、京都旅行から無事戻ってまいりました!
留守中、コメントをくださったみなさま、ありがとうございます!
今回の旅行の第一目的は……衿替え(舞妓さんから芸妓さんに変わること)直前の舞妓さんに会うことなのでした!
お座敷(といってもカジュアルなお席ですが……)で、衿替え前の晴れ姿を拝見してまいりました。
衿替えの2週間くらい前になると、舞妓さんは「先笄(さっこう)」という特別な髪型を結います。
これはもともと、京阪において町家の若妻が結っていた髪型で、笄に髪を巻き付け、髷(まげ)の上に尻尾のような毛を垂らしているのが特徴です。
わずかな期間だけ見ることができる貴重な髪型「先笄」の写真です。
祇園甲部では、「先笄」を結っている舞妓さんは黒紋付で正装します(ほかの花街では、黒紋付を着ない場合もあります)。
そして、なんと「お歯黒」を塗るのです。
前述のとおり、「先笄」はもともと若妻の髪型でした。昔は、結婚した女性はお歯黒を塗るのが通例でした。それにならってのことだと思われます。
黒紋付を着てお歯黒をした舞妓さんは、どことなく大人っぽく見えました。
「先笄」を結った舞妓さんは、お座敷で「黒髪」という舞を舞います。
「黒髪の結ぼれたる想いには……」という詞で始まる地唄で、想う人と会えないせつない女心が綴られています。
振り付けもとても艶っぽい感じで、相手の男性と喧嘩をしている場面や、一人寝をしている場面などがあり、物語性豊かでした。
先笄を結った舞妓さんの美しい舞姿に、思わず見とれてしまいました。
この舞妓さんと初めてお会いしたのは、彼女がまだ「ぶら」(花かんざしの下につける長い飾り)のついたかんざしをつけていたころでした(舞妓さんになってから1年くらいは、「ぶら」のついたかんざしをつけるのです)。
そのときはまだまだあどけなさが残っていたのですが、舞もしっかりしていたし、明るくて話も楽しいし、きっと良い舞妓さんになるだろうなあ……と思ったのを覚えています。
それから何度かお会いしましたが、そのたびに成長されていてうれしく思ったものです。
その舞妓さんがいよいよ芸妓さんになるというのは、さびしくもありうれしくもあり……といった感じで、なかなか感慨深いものです。
私には子どもはいませんが、なんだかまるで「卒業生を見送るPTA」のような気分です(笑)。
舞妓さんというのはそもそも、「芸妓さんになる前の見習い期間」です。
ですから、衿替えをして芸妓さんになるというのは、一般の人でいうと、成人して一人前になるという感じでしょうか。
子どもだった舞妓時代に別れを告げるさびしさと、芸妓さんになって「大人の仲間入り」をすることへの希望が入りまじった時期、それが「先笄」の時期なのかもしれません。
そんな貴重な瞬間に立ち会えたのが、とても幸せなことに感じられました。
これからもよりいっそう精進され、立派な芸妓さんになられることをお祈りしつつ、ささやかですがお祝いをさせていただいたのでした。
舞妓さんにお会いしたときのことは、どれも素敵な旅の思い出として残っていますが、なかでも今回のことは、忘れられない大切な思い出になると思います。
芸妓さんになられた姿も、またぜひ拝見したいものです。
<当日のキモノ>
舞妓さんが黒紋付の正装なので、私もそれなりに改まった格好をしたかったのですが、なにぶん遠距離移動&雨だったので、縞小紋にしました(これだと汚れが目立ちにくいので……)。
でもまあ、「やわらかもの」だからよしとしましょう。
帯は、季節柄、雪の結晶にしました(朝急いで結んだので、お太鼓部分の柄が少し上のほうにずれてます……)。
留守中、コメントをくださったみなさま、ありがとうございます!
今回の旅行の第一目的は……衿替え(舞妓さんから芸妓さんに変わること)直前の舞妓さんに会うことなのでした!
お座敷(といってもカジュアルなお席ですが……)で、衿替え前の晴れ姿を拝見してまいりました。
衿替えの2週間くらい前になると、舞妓さんは「先笄(さっこう)」という特別な髪型を結います。
これはもともと、京阪において町家の若妻が結っていた髪型で、笄に髪を巻き付け、髷(まげ)の上に尻尾のような毛を垂らしているのが特徴です。
わずかな期間だけ見ることができる貴重な髪型「先笄」の写真です。
祇園甲部では、「先笄」を結っている舞妓さんは黒紋付で正装します(ほかの花街では、黒紋付を着ない場合もあります)。
そして、なんと「お歯黒」を塗るのです。
前述のとおり、「先笄」はもともと若妻の髪型でした。昔は、結婚した女性はお歯黒を塗るのが通例でした。それにならってのことだと思われます。
黒紋付を着てお歯黒をした舞妓さんは、どことなく大人っぽく見えました。
「先笄」を結った舞妓さんは、お座敷で「黒髪」という舞を舞います。
「黒髪の結ぼれたる想いには……」という詞で始まる地唄で、想う人と会えないせつない女心が綴られています。
振り付けもとても艶っぽい感じで、相手の男性と喧嘩をしている場面や、一人寝をしている場面などがあり、物語性豊かでした。
先笄を結った舞妓さんの美しい舞姿に、思わず見とれてしまいました。
この舞妓さんと初めてお会いしたのは、彼女がまだ「ぶら」(花かんざしの下につける長い飾り)のついたかんざしをつけていたころでした(舞妓さんになってから1年くらいは、「ぶら」のついたかんざしをつけるのです)。
そのときはまだまだあどけなさが残っていたのですが、舞もしっかりしていたし、明るくて話も楽しいし、きっと良い舞妓さんになるだろうなあ……と思ったのを覚えています。
それから何度かお会いしましたが、そのたびに成長されていてうれしく思ったものです。
その舞妓さんがいよいよ芸妓さんになるというのは、さびしくもありうれしくもあり……といった感じで、なかなか感慨深いものです。
私には子どもはいませんが、なんだかまるで「卒業生を見送るPTA」のような気分です(笑)。
舞妓さんというのはそもそも、「芸妓さんになる前の見習い期間」です。
ですから、衿替えをして芸妓さんになるというのは、一般の人でいうと、成人して一人前になるという感じでしょうか。
子どもだった舞妓時代に別れを告げるさびしさと、芸妓さんになって「大人の仲間入り」をすることへの希望が入りまじった時期、それが「先笄」の時期なのかもしれません。
そんな貴重な瞬間に立ち会えたのが、とても幸せなことに感じられました。
これからもよりいっそう精進され、立派な芸妓さんになられることをお祈りしつつ、ささやかですがお祝いをさせていただいたのでした。
舞妓さんにお会いしたときのことは、どれも素敵な旅の思い出として残っていますが、なかでも今回のことは、忘れられない大切な思い出になると思います。
芸妓さんになられた姿も、またぜひ拝見したいものです。
<当日のキモノ>
舞妓さんが黒紋付の正装なので、私もそれなりに改まった格好をしたかったのですが、なにぶん遠距離移動&雨だったので、縞小紋にしました(これだと汚れが目立ちにくいので……)。
でもまあ、「やわらかもの」だからよしとしましょう。
帯は、季節柄、雪の結晶にしました(朝急いで結んだので、お太鼓部分の柄が少し上のほうにずれてます……)。
わくわくしながら拝読しました。
先笄、というのですね。なるほど確かに、あまりなじみのない髪形ですね。垂らした毛がなんだか可愛らしいです。
藤娘さまの縞小紋も改まっていてよくお似合いですね。キリッと、というよりは、見守る立場としての貫禄というか緊張感というか・・・PTAとおっしゃる気持ち、良く伝わってきます。
雪の結晶も華美でなく、ステキですね
この舞妓さんの襟替えはちょうど今日14日だったのですー。
きっと今頃は、立派な芸妓さん姿になってらっしゃるだろうなあ……と想像しつつ
芸妓さんになると、地毛で日本髪を結うことはほとんどなくなるのですが、舞妓の最後に先笄の尻尾の毛を切り落とすのだそうです。その瞬間はきっと、さびしいようなうれしいような……という感じなのでしょうね
縞小紋、お褒めの言葉をいただけて本当に光栄です
ありがとうございます!
この縞小紋は(も)かなりお値打ちに買ったうえに、汚れも目立ちにくい柄なので、やわらかものですが怖がらず着て歩けて重宝しています(笑)。
藤娘さんの、和・京都・伝統芸能・伝統文化に対する造詣の深さに益々感服致しております。
丁寧に分かり易く記事にして下さるのでいつも本当に楽しみにしているんですよ!
ご自分のお好きな事を実際にその場所に行かれて体験されるのって、意外と出来そうで出来ないこと。(少なくとも私にはなかなか出来ません~)
とてもとても素敵なことです。
まずは興味のあることをじっくりと”知る”事が第一歩ですね。その辺が私、ゆるいんです。(笑)
(お返事遅くなりまして申し訳ございません……)
とりとめのないブログで恐縮ですが、楽しみにしていただけて本当に光栄です
agmaさまも、いつもいろいろなことに精力的にトライされていて、素敵だなあ……と思います
お芝居もそうですが、生で見るとやはり感動が倍増しますね
とても嬉しいお言葉をいただけて、本当に光栄です
いろんなことにとりあえず首をつっこんでいるばっかりなので、おはずかしい限りです……
着物も同様で、その時どきの好みにあわせていろいろ首をつっこんでいるうちに、レパートリー(?)が広がってしまいました……(笑)
限られた手持ちの中であれこれ組み合わせているうちに、「きりっと系」の着物に「はんなり系」の帯など意外な組み合わせも発見できたりして、キモノって奥が深いなあ……と思っている今日このごろです
雪の結晶の柄は、クリスマス前から2月ごろまで身に付けることができて便利そうですよね。
お手持ちの無地系の着物に銀糸で刺繍を入れるなどしても良いかも!