格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など

2019-04-06 21:01:08 | 杉並からの情報発信


推奨本朗読】衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第六十六回目朗読 (2019.04.05)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第五節 就業人口構成にみる歪んだ姿 (P178-186)

●農水系と官公需依存企業にも一三〇〇万人 (P182-185)

E類 ― 農・林・漁業関係就業者

わが国では農林漁業のほぼ九九%は、構造的に行政による経済的保護下にあ
る。個々の農、林、漁業者が保護されているのではない。政と官がそれらの業
を団体として束(たば)ね、自由な生産・経済活動を規制し、自立を奪い、押
しっけの保護構造を作ってきたのである。

各種農協系団体、土地改良団体、林業諸団体等に対する事業補助、価格保
障、資金補助等のシステムは、農林漁業を完全に政官のものにした。

また、末端の生産者は農協、漁協、森林組合など、全国団体や県レベルの連
合会などを通して官庁支配と政治利用の餌食になった。彼らはこうした“生か
さず殺さず〟 の補助金構造の中に組み込まれているため、基本的に資本蓄積
は行われない。

わが国では農村地域に本来あるべき経済活動が政府の堅固な管理下に置かれて
いて、それがマクロ経済の活力にとって重大な阻害要因となっているのであ
る。農協で働く役職員は二八万五〇〇〇人。土地改良区に勤める役職員一万余
人。全農、経済連、共済連、信連、厚生連、中央会、およびそれらの関連団体
就業者が七〇万人と推計され、合計およそ一〇〇万人である。農業人口は三九
〇万人であるから農業関係人口の総計は四九〇万人となる。同様に林業は関係
団体一万人を含めて約二五万人、漁業も漁協二万人等を含め約三〇万人であ
る。かくしてE類全体は五四五万人で総人口の四・三%である。

F類 ― 官公需依存企業従業員

わが国は世界でも飛び抜けた補助金王国、公共事業王国で、とくに地方にお
ける“仕事”では、全面的に官公需に依存した企業が多い。ちなみに、全国六
〇万社にのぼる建設・土木企業の過半は公共事業に依存する存在である。“公
共”事業は行政の事業として行われるゆえに経済活動の呼び水には成り得て
も、本質的にそれ自体が経済的価値を拡大再生産することはない。

また大手ゼネコンであっても土木部受注の九割は官公庁発注によるものであ
る。共同企業体(ジョイントベンチャー=JV)で官から仕事を請け、二次・三
次下請けに工事をやらせ、結局は公共事業に依存しているのである。ちなみ
に、民間大手のゼネコンは最近でも通常、年間一〇億円前後の使途不明金があ
る。これが政治献金の裏金に使われているというのは常識だ。おしなべて、官
公需専門企業は“上納金”を納めている。

官公需によって存立する六〇万社の就業者数は約七〇〇万人である。これに
大手ゼネコンの該当部分と土木建設以外の官公需依存企業を含めると、わが国
の官公需依存企業の就業人口は特殊法人・公益法人等の関連を除き約九〇〇万
人となる。ただし、この中にはE類に掲げた第二種兼業農家(二〇〇万人) 
の半数程度は建設土建企業就業者と重複しているため一〇〇万人を差し引くこ
ととし、総計八〇〇万人となる。

G類 - 非社会的職業従事者

社会の暗部で生活を営んでいる人々の分類として、右翼関係は約九〇〇団体
一万人、極左関係は約二万七〇〇〇人、暴力団(テキヤ、バクトなど)は八万
一三〇〇人ほど。その他、企業舎弟、テレクラ、回収屋、総会屋などアングラ
社会のビジネスマンなどを含めると非生産的な人口は総計約三〇万人は下らな
いと推計される。

H類 - 押さえ込まれる経済の担い手・民間企業活動(=市場)就業者

H類こそが唯一、国の生産力を担い、資本の再生産によって剰余価値を生み
出し、社会全体の経済活動を支える分野である。しかるに今日、わが国のシス
テムにおいてはH類は社会全体に占める割合がわずかに二割そこそこしかない
うえに、強力な官庁権限の下の全面的な行政裁量下に置かれ、自由度が低く、
競争と伸張能力を殺がれ、負担を増やす官制経済の補完的地位に幽閉されてい
る。

したがって、社会全体に再生産の力が弱く、経済的富を生みがたい構造をも
っている。政・官・業トライアングルの下で大企業でさえ政府事業の下請け企
業となっている。否、大企業であればあるほど、政府の庇護下で官公庁に依存
して生きている。

(つづく)






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