Entrance for Studies in Finance

東日本大震災の地震保険制度への影響(2012年9月)

1966年スタート。火災保険にはいることが条件で
火災保険の保険金額の3割から5割が上限保険額。建物で5000万円。家財で1000万円が上限。
支払い額が1150億円を超えると政府と民間保険会社(日本地震再保険)が共同で支払う。官民の
支払い準備金は約2兆3000億円(2011年3月末 内訳は国が約1兆3000億円 民間が1兆円)
地震1回当たりの支払い限度額は2008年度に5兆5000億円に引き上げられた(この金額を超えると
保険金額を減額する仕組み)。2009年度末加入件数は1230万件(全国の平均加入率は23%)。
政府は2012年度に支払い限度額を6兆2000億円に引き上げる方針を2011年末に固めている。

今回の2011年3月11日の東日本大震災では
請求件数 2011年3月末で25万件 最終的に50万件 1兆円規模を予想が当初予想された(2011年3月末)。
後述するように金額は1兆2000億円規模の数字に膨らんだ。
阪神大震災では6万5427件 783億円の支払い(1994年度末の加入件数は397万件 全国平均の
加入率は9%)。

支払い金額と定義
全損:契約金の100% 主要構造部の損害額が時価の50%以上。または流出焼失した部分の延べ床面積が
建物の延べ床面積の70%以上
半壊:契約金の50% 前者20-50%未満 後者20%-70%未満
一部損:契約金の5% 前者3%-20%未満 または床上浸水 または地盤面より45cmを超える浸水で
損害が生じた場合

東日本大震災では損害保険協会では航空写真などをもとに津波被害が甚大な27地域を全損地域に認定。
査定の迅速化を図った。

2011年6月22日で支払い済み額は1兆5億9619万円。支払い件数は55万4005件。うち東北6県で6683億902万円。
29万8069件(契約件数の9割強の支払い終わる)

2011年6月末で 全損が5.9% 半損が26.6% 一部損が67.5% 7割が一部損と査定。この査定に
不満がでるとともに、1契約あたり平均で158万円という数字に少ないとの指摘があった。

2011年8月末で支払い済み額は1兆1343億円(岩手 宮城 福島の3県で7350億円 宮城だけで5328億円)。
この段階で最終的な見込み額1兆2000億円程度となった。

損害査定の方法の見直しについて
⇒ 緩和と細分化 ⇒ 査定業務が複雑になり保険金の支払いが遅れるとの意見もある
支払い保険金少なすぎるとの指摘
⇒ 保険金上限額引き上げ必要。
しかし支払い原資は半減。今後大型の地震あれば支払えない。
再積み立てが損害保険会社を今後長期間負担になる恐れ。
政府が再保険の責任をもつべきとの議論がある。
⇒ 政府と民間の役割分担、保険料の引き上げなどが検討課題に。
地域と建物の種類(地震の発生確率と住宅密集度合いなど)で差をつけている。
地域により3倍以上の差をつけているが4段階の料率で今回の岩手と福島は最も低い料率。宮城も下から2番目。
⇒ 料率の決定の仕方の見直し

政府は2011年末までに個人向け地震保険の支払い限度額を5兆5000億円から
2012年度から6兆2000億円に引き上げる方針を固めた。
背景には地震保険加入件数の増加がある。
2011年9月末で保険契約件数は1341万1066件。前年同月比7.9%増加。
2012年3月末では1408万8665件 前年度末比10.5%増。

なおここで述べてきたのは地震保険のうち、個人向けとされるもの。その制度としての
ポイントは支払い原資が用意され、まずはそこからの支払いになるということだろう。
具体的な政府と保険会社の支払い分担の仕組みは以下を参照。
関心高まる地震保険

これに対して工場、建物、店舗などについて企業向けの地震保険がある。
こちらのリスクを損害保険会社は海外の再保険会社に支払い総額の半額程度を
再保険に出している。東日本大震災を受けてこの再保険料が上昇。
2012年度に入って企業向け地震保険料の引き上げ交渉が生じている。

再保険料は、タイの洪水などほかの災害要因によっても上昇している。そこで、保険会社の間では
再保険以外の手段として大災害ボンドCat Bond(償還までに災害が起きると元本が減る仕組みの高利回り債券)による
支払いリスク軽減が注目を集めているとのこと(日本物Cat Bondが日本の災害のリスクの高さから敬遠されているとの指摘もある)。

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