原作名:ドラゴンクエストⅢ
作者:にんぽっぽ 七沢またり
最終更新日:完結済
評価:C
サイト:にじファン
http://ncode.syosetu.com/n4737t/
[あらすじ]
アートの街には巨大な地下迷宮がある。
その迷宮には数え切れない程多くのモンスターが住み着いており、命と金を秤にかけて迷宮に挑む命知らずな冒険者達が住む街である。
そんな迷宮に挑もうとし、門前払いを食らった少女が一人。大魔王ゾーマを討伐した勇者アレルその人。
ゾーマを倒したまでは良かったものの、突然湧いた穴に呑み込まれ、『たびびとのふく』と『ひのきのぼう』で新天地に飛ばされていた次第。
帰還するにせよ定住するにせよ、お金がなくては生活できない。それは勇者でも変わらないのが世の中の世知辛さ。
取り敢えず、たまたま知り合った戦士風の少女マタリと『戦士ギルド』に登録し、下積みから始める事に。
勇者アレルの新生活が始まる。
[文章]
一人称視点がいつの間にか三人称になっていたり、三人称が一人称になっていたりと、読みにくい。誤字脱字も時々見かける。
[総評]
大魔王ゾーマを討伐した直後、異世界へ転移させられた勇者アレルの、新世界での活躍。トリップ物、で良いのかな。
各話の前半が、元の世界での旅と戦いの話。後半が、現在の生活での話。
ゾーマをソロで討伐した勇者に、その辺の雑魚モンスターや冒険者に太刀打ちできるはずがなく、実際に戦闘となれば主人公の一方的な蹂躙劇。
ただしやられ役もさる者、外道に堕ちた理由や、賞金首となっても生き続けてきた独特な戦い方を持っており、個性を放っている。
個性的なのは敵役だけでない。主人公とパーティーを組む二人も癖のある人物。狂戦士に死霊術師。斥候と後背はゾンビ、狂戦士が切り込む。本当に勇者のパーティーか?
しかし勇者のある所、打倒すべき魔王もあり。主人公達が名を馳せていくその背後では、人知れず恐ろしい陰謀が進行しており。
その陰謀に嵌り、主人公が一時戦線離脱、国が危機を迎えるのはお約束。
勇者の旅に終わりはない? 勇者アレルの新天地での新たな戦いの物語。
原作名:ドラゴンクエストシリーズ
作者:ryu@ma
最終更新日:2011年9月25日 2013年10月11日
評価:C
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=ff&all=13837&n
[あらすじ]
目が覚めれば、自分のいるのは見知らぬ部屋。『ルイーダの酒場』の一室。
ルイーダの話を聞けば聞くほど、ドラクエの世界に酷似した異世界との推測が確信に変わっていく。自分のような異世界人が迷い込むのは、珍事ではあっても皆無ではないらしい。ただし帰還の見込み、なし。
唯一の可能性が、街の中心にある『神の塔』に入り、そこに住む神龍に願う事。どんな願いでも叶えてくれる神龍に会うには、その足元にある地下迷宮に挑み、モンスターを倒して実績を積み重ねなくてはならない。
こうして、故郷に帰還するため、神龍に会うため、主人公トールは冒険者として踏み出す決意をしたのだった。
[文章]
三人称。上手とは言えない文章。人によっては数行でブラウザバックしてしまうかも。試行錯誤と推敲を重ねてストーリーを練っているので、癖のある書き方に目が慣れてくれば結構読める。
擬音を極力排し、文章で表現しようとする努力には好感が持てた。ただそのために、動きのある戦闘シーンがぎこちなくなったのは残念。
拙いなりに一生懸命書いている文章だと伝わるのだが、主人公に感情移入するのが難しい。プレイしたゲームを文章に起こしているような違和感がある。
[総評]
ドラゴンクエストに似た世界に突然トリップした高校生が、地球に戻るために奮闘する王道的なトリップ物。
ストーリーと街や迷宮の設定はオリジナル。そこにドラクエ関連の職業、呪文、技、アイテム、人物を絡めている。元ネタが分かるとにやにやできる。ゲームのシステムやレベル的に拘らず、もっと自由に書けば、見栄えの良い作品になったように思う。
気になったのは、知人の女キャラに高価なアイテムをばら撒く行為。死ぬ危険のある迷宮だけに、生存率を高めてやりたいと言う気持ちは分かる。しかしどうにも、餌で釣って好感度を上げているように見えて、不快感を覚えた。感情移入し切れない理由の一つもこれにある。
異世界トリップと言えども無双やチートはなく、死にかけてトラウマを抱いたり、それを克服したり、優柔不断が災いして微妙な恋愛関係に振り回されたり。
普通の高校生が突然異世界に飛ばされたら、これぐらい一生懸命になるだろうなぁ、と見ていて応援したくなる作品。
原作名:ドラゴンクエスト ダイの大冒険
作者:ファイヤーヘッド
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=ff&all=13908&n
[あらすじ]
大魔王バーンの打倒から三世紀。
ポップとマァムの血を受け継ぐ少女セラは、周囲から天才・神童だと持て囃されながら、言葉にできない苛立ちを抱えていた。今の自分は本来の自分でないような、自分の居場所はここでないような、そんな違和感と焦燥感。
そんな日常は、ある日突然破壊される。目の前に降り立つ翼の生えた青いスライムによって。
ゴメ。勇者ダイと共にいたスライムで、『神の涙』と呼ばれる奇跡のアイテムでもある。
ゴメの出現により、前世の記憶を取り戻したセラは、なし崩し的に過去の世界に飛ばされ、これを奇貨として、最良の結末を求めて修行を開始する。
[文章]
三人称。各キャラの心情が、会話や態度から読み取れる表現力は素晴らしい。各キャラに焦点を当てた場面では、内面での葛藤の描写も上手く書かれている。
誤字脱字は、あったとしても目に付かない頻度。各話ごとの文字数もあり、読み応えもある。
[総評]
転生、TS、逆行と、嫌いな人なら即反転する要素の再構成物。チートや無双とならないのは、人の限界を極めた主人公でも、バランやバーン相手には単独では勝てないから。
精神面では完全に男の主人公を、女として登場させるのはどうかとも思えたが、意外な方向で役立っていたりする。ダイにとっては時に甘えさせてくれ、時に叱ってくれる姉であり母であり、マァムにとっては師アバンとは違う自身の求める理想像として。ポップにとっては……それは読んでのお楽しみ。
人間関係の機微だけでなく、戦闘シーンも熱い。ムードを盛り下げる下手な擬音は一切なく、緊張感や迫力が文章を通じて伝わってくる。初期の対ハドラー戦で見せたあの技には鳥肌が立った。
個人的には、後日談のない方が良かったと思う。最終話で綺麗にまとまっていたのに、跡を濁してしまった残念感がある。
全140話。最初から最後まで読もうとすれば半日かかるかもしれない。しかし読者を飽きさせない力作である。
原作名:アトリエシリーズ
作者:夏月
最終更新日:2011年11月9日
評価:C
サイト:にじファン 天使の謳う歌
http://ncode.syosetu.com/n6266s/
http://www.geocities.jp/kagetsu_yue/atlier/freytop.html
[あらすじ]
神様転生でチート能力をもらった訳でも、強くてニューゲームでもなく、なぜか日本人だった頃の記憶を引き継いでザールブルグに転生した主人公。義理の父親と兄弟に囲まれ、家事一般を取り仕切って生活中。
将来の夢は錬金術師。だって、ザールブルグと言えばアカデミー。そう、アトリエシリーズの錬金術を教えるあのアカデミー。ならば錬金術師になるしかない。幸いと言うか、アトリエシリーズに登場するアイテムのレシピは記憶している。
錬金術師を目指す少女が、義兄弟の面倒を見たり見られたりしながら、日常を過ごす物語。
[文章]
主人公視点の一人称。
一話平均2千2百字程度と文字数は少なく、ほぼ毎日更新の速度重視のスタイル。そのため誤字脱字が多い。隔日や週一でも良いから文字数を増やし、誤字脱字等の推敲をしてほしいと思う。
[総評]
アトリエシリーズの調合と考察、時々採集旅行、合間に友人や近所付き合いの日常物。
元がアトリエシリーズなので、社会構造や一次・二次産業にツッコミを入れるのは無粋と言うもの。小麦が栽培されていないとか、錬金術でないとチーズや蜂蜜が作れないとか、気にしてはいけない。
この作品の肝は、何と言っても多種多様なアイテムの作成。シリーズに登場した同名でも効果や調合法が異なるアイテム、古い作品には出てきても新作では登場しなかったアイテム等、色々と考察し、思考錯誤を重ねて物にしていく様を追っていくのは楽しい。
そしてもう一つの肝が、素材の収集。素材を求めて北に南に。季節によっては採れない物や、水中など特別なアイテムがないと厳しい場所へと、東へ西へ。たまには危険な生き物や事件に出食わし、その時の出会いも旅の醍醐味。
安定・安心して読めるのだけれど、ストーリー全体で見た場合、めりはりに欠けて終わりが見えない不安がある。主人公はアカデミー生。このまま卒業して錬金術になりました、で完結するのは物足りない気がする。その前に作者が息切れして、エターとなる方が早いか?
そんな未来の心配よりも、日々奮闘する錬金術師の卵の物語を楽しむとしよう。
原作名:機動戦士ガンダム
作者:T.SUGI
最終更新日:完結済
評価:A
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=16597&n
[あらすじ]
宇宙世紀74年。
ジオン公国の総帥ギレン・ザビの手元に、一冊のプレゼン資料があった。
プレゼンをしているのは若干12歳の少女、アヤ・サカキ。サカキ財閥の令嬢で、先日シャトル事故により目覚めたニュータイプである。
彼女の持ち込んだプレゼン内容は『宇宙用作業ポッドの強化案』。すなわち後年の『一年戦争』において、連邦軍が物量に物を言わせて配備した『ボール』の開発だった。
ザクと違い生産コストが低い、若者から老人まで操作できる簡便性、後背作業にボールを回す事で前線のモビルスーツの戦力を割かずに済む等の数々の利点から、ボールの開発が始められる。
これは、戦場の裏で繰り広げられたボールの開発物語である。
[文章]
一話毎の文章量は少ない。ただしPV稼ぎの小出しではなく、一話一話は区切りのある所まで書き切っての文章量。これ以上長くなっても、長い説明か寒いギャグばかりの文章になっていただろう。その点では短いままの方が潔く、テンポ良く読み進められる。
[総評]
逆行物? 一年戦争でジオンが敗北した未来の記憶を、なぜかシャトル事故で得たアヤが、ボール開発の裏で暗躍する話……なのかな? 結構天然の入っているキャラなので、じめじめした暗い雰囲気はない。
アヤの介入により、ジオン国内の軍需産業に色々と変化が発生。規格の統一や、コクピット周りの改修による脱出ポッドの実装など。赤い彗星の実績が実はザクではなく……も笑える。
勿論、主要な人物にも色々と変化が。ギレンは人間的に丸くなり、キシリアはアヤの介添えでギレンと歩調を合わせ、「戦争は数だよ」のドズルは戦力の幅が広がり嬉しいし、ガルマは指揮官として頭角を表し、シャアは……。ランバ・ラルやマ・クベもアヤに接触している。
タイトルに『ネタ』と振ってあるだけに、ネタとして読めば十分に楽しめる。また、時を置いて読み返しても再度楽しめる良作。
……アムロはあの性格だから、ヒモ生活になっても居心地の悪さを感じないと思う。