原作名:魔法先生ネギま!
作者:感満
最終更新日:完結済 2013年11月10日
評価:B
サイト:にじファン ハーメルン
http://ncode.syosetu.com/n7761p/
http://syosetu.org/?mode=ss&nid=666
[あらすじ]
麻帆良の異常を幼い頃から実感していた長谷川千雨。教師やクラスメート、両親に相談するもまともに受け取ってもらえず、孤立し、孤独に心が折れかけていた。
両親を奪った両親を憎み、両親を戦地で無駄死にさせた近衛詠春を憎み、住人を洗脳する麻帆良の結界を憎み、麻帆良を支配する魔法使いのトップ近衛近右衛門を憎み、両組織を公私混同し私物化する近衛一族を憎む、天ヶ崎千草。
偶然に二人は出会い、千雨は魔法の存在を知り、千草は護るものを得る。二人の共通項、孤独だった事と、魔法使いの都合で人生を狂わされた事。
そんな似た者同士の二人が、修学旅行の生徒を盾に、京都に侵攻を開始した麻帆良に対し、魔法使いに媚びる詠春の排除を含め、魔法使いに反攻する物語。
[文章]
千雨を中心にした三人称。筋の通った理由付けがなされているため、魔法使いへの反感や千雨への共感がしやすい。
反面、技術的な問題も多い。『復讐』を『復習』、組織の頂点に立つ人物を指しての『旗印』を『旗本』など、誤字誤用が多い。また読点が少なく、区切りがつかずに読みにくい。会話文を多く使用し、その他の描写がおざなりにされ過ぎている。
[総評]
ネギアンチではなく、魔法使いアンチ。
魔改造と言う程ではなく、原作開始時には魔法関係者になっていた千雨。最初に知り合ったのが千草だったため、関西呪術協会寄りの思考をし、かつ、麻帆良での孤独な数年間が魔法使いによる認識阻害のためと知り、魔法使いへ抱く感情は怒りや憎しみ。この辺りの心情は上手く書けていると思う。
ネギを狙ってボコボコにする作品でない所は好印象。ネギの秘匿意識の欠落が、魔法使いの『英雄視』する色眼鏡にあり、世間一般で言う『常識』を教え込むのに、魔法使いの世界がいかに不適か浮き彫りにした外伝も良い。
最後の最後で、暴走した魔法使いサイドを武力鎮圧したシーンは、個人的にはやり過ぎに思えた。謀略と洗脳と人知れずに侵略が売りの魔法使いが、これで一介のテロリストか内乱勢力に堕してしまった印象がある。ネタに走ったのもマイナス評価。
技術的な問題は多々あれ、オリキャラやチート、無双を出さず、原作キャラのみで完結させた良作。たまにはこういうアンチ物も読んでみるのも良い。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:頭隠して尻も隠す
最終更新日:完結済
評価:C
サイト:にじファン
http://ncode.syosetu.com/n4313u/
[あらすじ]
主人公は駆け出し陶芸家。新しい土を求めて山野を歩いているうちに、偶然見つけた祠に近づき、祀ってあった鏡を通じて『神』と接近遭遇。主人公には特殊な能力があるのだが、この世界では使えない。使える世界へ行ってほしい。新しい力も授けるから、と。
そんな理由で異世界行きへ同意し、ネギま世界の京都に漂着。
早々に川で溺れる幼女、木乃香を救出し、その縁で詠春とエンカウント。作品を買い取ってもらい、住み家を用意してもらい、新生活スタート。
原作開始までに魔法世界で色々と地力を上げたところで、木乃香の護衛として麻帆良入り。学園長の企みや、関わってくるネギを撃退しつつ、3‐Aの生徒達と仲良くなっていく話。
[文章]
主人公視点固定の一人称。
会話文ばかりで他の描写が少ない。目上の相手には丁寧語を使っているのに、なぜか慇懃無礼が鼻に付く。「」の後に誰彼の行動と一文添えて改行と、台本形式の逆のような書き方もする。たまにネットスラング。総じて、読んでいるとイライラしてくる。
誤字脱字の少ないところから、推敲はしている様子。この点は好感が持てる。
[総評]
神様による異世界トリップ、チート能力を付与されたオリ主が、性格改悪したネギをボコボコにして、ヒロイン枠複数と仲良くなり、安泰な地位も獲得してハッピーエンド。普通の魔法使いなら十年単位の研究が必要なオリジナル魔法も開発し、俺って天才の自画自賛もある。これに原作知識が加われば、作者の最低系妄想物語となっていただろう。
主人公の自己中心的かつ優越感過剰な薄っぺらで傲慢な人格が、内心と会話との差となって滲み出ており、このようなキャラ付けのできる作者の力量の高さが伺える。
残念なのは、陶芸家の設定が満足に活かされなかった事と、物事がすべからく主人公の都合の良い方向に動き、主人公の鼻っ柱をへし折る強敵や難題が登場せず、物語に緩急のなかった事か。そのせいで、主人公の人格に厚みをまるで感じない作品になってしまった。
本来は麻帆良祭まで話を進める予定だったようだが、駆け足気味ながら修学旅行で話を完結させた見切りの良さも評価できる。このままだらだら続いていたら、D評価を付けていたところ。
本作の出来は今一、ではなく今三の出来だったけれど、今後の作品に期待している。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:てぃしぃ
最終更新日:2011年11月16日 完結済
評価:C
サイト:にじファン ハーメルン
http://ncode.syosetu.com/n3257x/
http://syosetu.org/Novel/6905/
[あらすじ]
かなりバカバカしい不運の連続で事故死。死後、神様から特典の特殊能力と、それらを使いこなす知識をもらい、ネギま原作の平行世界に転生。
しかし転生早々にまたしても不運。
家族は東西いずれにも所属しない独自の魔法体系の一族。父親は関西呪術協会の陰陽師達に殺害され、母親も後を追うように病死。一族に伝わる秘伝書も近右衛門に取り上げられてのマイナスからのスタート。
それでも自分の将来の安寧と趣味のため、もらった能力を駆使して色々と開発。原作ブレイクをしていく。
[文章]
主人公の一人称視点で固定。一度だけ明日菜視点があったけれど、視点移動は慣れていないのか、その部分は読み辛かった。
脱字をたまに見かけてしまい、それが読み進めるのに躓く原因になってしまったのが残念。
[総評]
Arcadiaで連載を始め、途中のストーリーで叩かれたため『にじファン』に移動した作品。確かにその部分では眉をひそめさせられたし、感想で色々と叩かれていたから、消えたものと一時諦めていた。その後『ハーメルン』にて復活と、サイトを転々とした作品。
事故で死亡。神様から転生するよう言われ、チート能力をもらって原作世界へ。最早二次SSのテンプレと言う程、良くある出だしのパターン。神様からチートな能力をもらって転生するのは構わないから、そろそろ物語の始まりを、死後の世界から始めるのは止めてほしい今日この頃。
もらった能力はかなり特殊。医療や食、工学関係に特化した能力で、戦闘力はほぼ皆無。そのため戦闘は自力開発した強化服を使用。もっとも戦闘以外での能力が突出しているので、自分から戦うのは本当に手段がない時。その能力の高さは、タカミチが護衛に派遣されるVIP待遇で証明済。
自身の将来の平穏のために色々と画策してみれば、中等部に上がるまでに主な原作キャラが自陣営に。さらに超を加え、文字通り「混ぜるな危険」な化学反応を起こしてしまえば、後は野となれ山となれ。
突っ走った先にある結末は、読んでみてのお楽しみ。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:GSZ
最終更新日:完結済
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=akamatu&all=18509&n
[あらすじ]
ネットアイドル「ちう」こと長谷川千雨は、2年終業式後のパーティーの帰り、蒼い珠の嵌ったペンダントを拾う。
明日交番にでも届けるか、と呑気に構えたいたものの、事態は自称『常識人』の千雨の想像の斜め上を超音速で飛行していた。
「ジュエルシードの暴走を確認しました」
と話しかけるペンダント、もとい、インテリジェントデバイス『アロンダイト』。
何でもこの世界の魔法使いでは、魔法の運用方法や魔力の質的に、退治しようと魔法を使用しても、ジュエルシードに魔力を供給するだけで歯が立たないとか。ジュエルシードに対応できるのは、アロンダイトを起動できる千雨しか麻帆良にはいないらしい。
上手く乗せられている気がしつつも、自分の平穏な生活を取り戻すため、魔法少女ならぬ魔導師・長谷川千雨の戦いが始まる。
[文章]
誤字脱字はなく読み易い。
一部の表現手法に読み辛さと違和感があったのが、少し残念に感じた。戦闘シーンにもそれがあり、読む勢いを萎えさせてしまうのも残念。
それを除けば、及第点以上の評価だと思う。
[総評]
最近見かけるようになった『千雨魔改造』の走りの一作?
『魔法少女リリカルなのは』で、虚数空間に落ちたジュエルシードとプレシアの開発した試作品デバイスが、麻帆良に落ちて騒動を起こすと言う設定。
平穏に過ごすために魔法使いとの関わりを避ける千雨と、自分達正義の魔法使いに協力できないのは、後ろめたい理由があるに違いないと、攻撃を仕掛ける魔法使いサイド。ネギの成長のために、抱き込めぬなら巻き込めないかと思索する近右衛門。
当然、千雨と魔法使いが相容れるはずがなく、四面楚歌の中、孤軍奮闘する千雨の頑張り物語。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:まどろみ
最終更新日:2011年9月27日 2013年11月20日
評価:C
サイト:にじファン まどろみの中の夢
http://ncode.syosetu.com/n4492k/
http://madorominoyume.seesaa.net/article/260881181.html
https://chronod.com/madorominoyume.seesaa.net/article/260881181.html
[あらすじ]
目が覚めたらお花畑にいた。はて?
記憶を辿れば、銀行強盗相手に血みどろの争いを繰り広げ、撃ち殺された事実。
はい。あなたは死にました。
で登場する神様。どうもこの銀行強盗、放っておけば核戦争に到る凶悪な物だったようで。その運命を覆した主人公は、他の世界でも必要とされるだろうから、転生させましょう、と。
「勿論、色々と特典も付けるぞ?」
「パスで」
すったもんだの末、送られた先は『魔女狩り』と『魔女裁判』真っ盛りの時代。元の世界から約5世紀逆行した中世ヨーロッパ。
ひょんな偶然で早々にエヴァと合流し、なぜか周囲からは「吸血鬼すら改心させる聖人」と誤解され……。
本人は到ってマイペース、周りが誤解で主人公を讃える勘違い系。
[文章]
基本、主人公視点の一人称。裏版で他者視点の描写がされている。そのギャップにニヤニヤするのが、この小説の楽しみ方。
少し誤字が目立つので、投稿前に慎重に推敲してほしいのが個人的な要望。ここで書くことではないだろうけど。
文章自体は読みやすい。
[総評]
神様が転生と言っているのに、どうして元の肉体なのか、突っ込んではいけないのがネギま二次のお約束。ゼロ魔二次だと赤ん坊からのニューゲームなのに。でもこれって、ツイスト利かせた逆行物じゃないかい?
本人は気も魔法も使えない一般人……のつもり。だけど何気なく口にした言葉が、誤解されて歴史にまで影響してしまう。お陰で本人の知らないところで、世間の評価はうなぎ登り。大河ドラマにまでなったオリ主は、この人が初めてではなかろうか。
しかしその陰で、ストレスに胃を痛める人も多い訳で。
マイペースな主人公と、その言動に振り回される周囲のドタバタ劇が好きな人には、お薦めの一作。