原作名:魔法先生ネギま!
作者:ちゃくらさん
最終更新日:2011年11月30日 2012年4月8日
評価:C
サイト:にじファン Arcadia
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[あらすじ]
しのつく雨の夜。飲酒運転のトラックに跳ねられ、おそらくは瀕死の重傷を負ったのだろう長谷川千雨、小学3年生。
死にたくない一念で、動かない身体を動かそうとする事しばらく。
頭の中に浮かんでくる様々な光景。これまでの自分の人生とは異なる別の人生。そして手の中に現れる二つのアクセサリー。ソウルジェムとグリーフシード。
気が付けば、なぜか異世界の魔法少女・佐倉杏子の記憶と人格が混じっていた。
退院後、まずは身体を鍛えようと叩いた近所の道場。顔に6本の傷のある男、伊達。なぜか飛燕、雷電、月光、卍丸等々という猛者も。
鍛錬する事3年。そしてついに喊烈武道大会2年連続優勝、拳聖の称号と共に『長谷川流魔体術』創始者に。
「これってネギまだよな?」と首を傾げるテンションで、千雨が暴走する物語。
[文章]
三人称。情景描写、心理描写、会話のやり取りなどのバランスは良い方。ただし「」の後に行動の一文を入れ、すぐに次の会話文となる時があり、読んでいてもやもやする。
二転三転する戦闘シーンには冗長気味な印象を受けた。そこは読む人の好みで。
[総評]
千雨魔改造物。『まどかマギカ』の佐倉杏子が次元の壁を越え千雨に憑依? ソウルジェムとグリーフシード付き。千雨のテンションが高めなので注意。
ダーク調なシリアス物になるかと思いきや、かなり濃いギャグ。ネタ元が分かる人なら始終笑っていられる。千雨本人は一応シリアスを貫いているつもり。しかし言動がボンバーマン。あっちで爆発、こっちで暴発、そっちで誤爆、どっかで誘爆、頻繁に自爆、たまに不発。
千雨の破天荒ぶりは、根幹が杏子なのもあるのだろうけど、師匠が男塾の面々ではさりもあらんと納得。師匠が師匠なだけに、魔法を使わなくても千雨の戦闘力は高く。古韮、龍宮、長瀬、桜咲と並び、5人で麻帆良四天王と称される程……いや、頭数合わないだろ。
元々ツッコミどころ満載のネギまに、さらにツッコミネタをぶち込み、斜め315°に煮しめたような、不条理系一歩半手前のシュール系。
神様転生チート自己中オリ主のネギアンチに疲れ気味の胃に、一風変わった刺激がほしい時の一作。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:u.n.smith
最終更新日:2011年12月12日 完結済
評価:C
サイト:にじファン シルフェニア
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[あらすじ]
長谷川千雨には、変わった記憶があった。砂の惑星。わずかな水を求め、人々は争い殺し合う世界。そんな世界で暗殺者として生き、死んだ男。それが自分。
それが何の因果か、世間一般からすれば非常識でも平穏な麻帆良で、女子中学生をしている。時々怪しげな会話をしているクラスメートもいるが、関わり合いにならずに済むなら、平和な生活も悪くない。
その平穏をぶち壊したのが、桜通りの吸血鬼。夜闇に隠れ潜むエヴァと茶々丸に剣呑な気配を感じ取り……。
ミッドバレイ・ザ・ホーンフリークの知識と経験を持つ千雨が、麻帆良で暴れまくる話。
[文章]
三人称。戦闘シーンが冗長すぎると感じるが、この作品のコンセプトからすると正しいのか。その分、日常や会話シーンがおざなりな感じ。誰の言動なのか分かりにくい箇所がたまにあり、読むテンポが崩れてしまうのが残念。
[総評]
千雨魔改造物。『トライガン・マキシマム』のミッドバレイ・ザ・ホーンフリークが、記憶と能力を持って千雨に転生。絶対音感と呼ぶのも生易しい音感と、数キロメートル先の針の落ちる音すら聞きつける聴力、前世で培ってきた問答無用情け容赦なしの戦闘能力。愛用の武器は、勿論、改造サクソフォン。
ネギま世界でありながら、お気楽ほのぼの世界ではなく、トライガン世界の血で血を洗う殺伐とした雰囲気が良い。手出し無用の警告を無視した刹那は、当てられた殺気がトラウマに。茶々丸は死の恐怖と敗北感から闘争心に目覚め。甘っちょろい理想だけを夢見るネギと明日菜を置き去りに、エヴァと千雨の衝突で麻帆良に廃墟が現出する。
修学旅行で木乃香を狙うは、国際的テロリストとして名高い天ヶ崎千草。目的のためなら手段を選ばず、築くは常に瓦礫と死体の山。自分の身を守るためにはクライアントも血祭りに上げる。そんな危険人物。月詠も原作以上の壊れ具合。
原作通り通常運転な近右衛門は、危機管理能力の欠落した無能者。千草が雇われたのを知っても、修学旅行先の京都を固持。いや、千雨と共食いさせて共倒れを狙っているのか。
ネギと明日菜だけなら初日で死ぬな、うん。
波乱と呼ぶには生易しい激闘は、修学旅行初日で早くも血の海に。
京都は無事では済むまい。そんな予感を抱きつつ、次回を待つ。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:川岸新兎
最終更新日:2011年12月17日 2011年12月22日
評価:C
サイト:Arcadia
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[あらすじ]
霊峰ヤクモ地方。アマツマガツチ目撃情報の真贋の確認に訪れていたハンター・千雨は、空中にできた裂け目に、相棒と共に落ちてしまう。
麻帆良市。三年に進級した初日、登校ラッシュの人波に押され、千雨は駅のホームから転落してしまう。
そこへ接近する電車。
死にたくない!
その一念が招いた奇跡か、重なり融合する二人の千雨。ハンター・千雨の反射神経でからくも事故は回避。
狩りに目覚めたネットアイドルちうの、ハンター生活が始まる。
[文章]
三人称。各話の文章量は少ない。文章量に応じて全体的に描写は乏しく、Monster Hunterをプレイしていないと、登場する生物や武器のイメージができないのがネック。
[総評]
千雨魔改造物。線路に転落した時の命の危険から、平行世界でハンターをしていた千雨と意識が融合。肉体的にも強化され、ハンター千雨が麻帆良に降臨。この辺りのノリは『ドラゴンマーク』か。
強化された千雨の実力は、気による強化なしで楓の全力をお遊び感覚であしらい、タカミチをキック一発で気絶させる程に凶悪。その実力を買われ、魔法生徒の一人としてスカウト。
ただしネギまの世界に降りてきたのは、千雨の意識だけではない。向こうの世界で相棒のオトモアイルーや愛用の武具、レオリウス希少種らモンスターも。両方の世界で一体何が起きているのかの謎は、どうやらこの物語の伏線の模様。
物語は修学旅行三日目。関西呪術協会の総本山で千草ら一味と衝突中。敵味方両陣営の知らない場所で、あちら側から何やら現れている様子。一筋縄では収まらない波乱の予感がひしひしと。
ノリと勢いで書いているのが伝わってくるだけに、失速する前に書き切ってほしい作品。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:ノクト
最終更新日:2011年11月25日(打ち切り)
評価:F
サイト:にじファン
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[あらすじ]
神、と言うか世界の管理者により殺され、特典を得てネギま世界に転生する事になった主人公。数多くの転生者がその世界に流れ込んでいるので、抑止力として彼らを除去するため。
生まれ落ちた先は、ネギ・スプリングフィールドの双子の弟。容姿は『とある魔術の禁書目録』の一方通行。
早速見つけた転生者は、妹のアリア・スプリングフィールド。しかし自分に懐いているので、排除はしない事に。
この世界では最強の武力と能力を持つ主人公が、自分勝手な正義論を振りかざして自己正当化し、自分勝手に気に入らない相手を蹂躙・殺戮していく物語。
[文章]
一人称と三人称の入り乱れ。ネットスラングが度々見受けられ、一場面一場面の描写も乏しい。作中の言葉で描写する能力の不足を感じた。
誤字脱字は比較的少なめかもしれないが、文章に目が追いついていなかっただけかもしれない。
[総評]
タイトルから、アーウェルンクスシリーズ二番目の話かと思ったら、違っていた。神(管理者)の力で特典をもらって転生し、他の転生者を血祭りに上げていたら神性を得、キリスト以来の『第二の神』になっていた、という意味らしい。
その割には、主人公の人格は薄っぺらで、行動は卑下する『立派な魔法使い』そのもののダブルスタンダード、ついでに言葉遣いは実に『下品』。容姿の元となった人物に引きずられているそうだが、神性を得た人物の容姿が物真似、言葉は上滑りな安っぽいコピー、思考はその場の思いつき、行動は行き当たりばったりでは、読んでいて不快感が強い。
【再構版】とあるから、一度行き詰った作品を再構成したのかと思ったら、違っていた。『麻帆良で生きた人』の文章を一部盗用し、運営から削除されてしまったので、盗用した部分だけ書き直しての掲載らしい。ただし盗用を認めず、感想欄で叩かれ、打ち切りに。
良い点を上げるとすれば、神性持ちの主人公ゆえ、戦闘面では敵なしの無双を誇れるところ。ただしそれも、主人公の圧倒的な強さと人格面の皮相浅薄さから、弱者蹂躙の後味の悪さが残ってしまい、爽快感は乏しい。それが好みの人には受けるだろう。
ネギま最強物の中でも、駄目な方に傾いている駄作。回避を推奨する。
原作名:魔法先生ネギま!
作者:竜華零
最終更新日:完結済
評価:D
サイト:にじファン ハーメルン
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[あらすじ]
麻帆良祭の騒動も収束した夏休み。
短期の臨時教員としてアリアドネーに招待され、教鞭を取っていたアリア一行。
メガロメセンブリーナ連合の手の届かない地での、のどかな生活を楽しむ一行の知らない場所では、色々と暗躍の手が跳梁跋扈していた。何者かによるゲート襲撃と、それに伴うネギと明日菜らの脱走。旧オスティア領の難民問題を抱える旧領主。アリアを次期女王に据えようと虎視眈々と機会を伺うクルト。忘れてはいけない魔法世界崩壊の危機。不安材料はたっぷり。
魔法世界の運命など知らぬ存ぜぬで過ごしたいアリアを、魔法世界の魑魅魍魎共が指を咥えて眺めているはずもなく。
望む望まざるに関わらず、事態の中心に放り込まれたアリアが、様々な思惑の荒波に揉まれながらも進んでいく物語、後編。
[文章]
各キャラ視点の一人称。舞台が国や魔法世界レベルに広がってからは、オリキャラが数多く登場し、彼ら視点での一人称の語りには、読んでいて苦痛を感じた。特に戦争に突入してからは、めまぐるしい場面転換に三人称を使ってほしいと願った程。
誤字脱字は修正しているので少なめ。
[総評]
『魔法先生ネギま~とある妹の転生物語~』の続編。
アリアドネー入りから始まり、オスティア再建の独立戦争に魔法世界救済等々、原作は完全に無視したオリジナルストーリー。
前作同様、読者から色々とアイデアをもらい、それを作品に投入して仕上げていく手法を取っている。ただし今作では魔法具のアイデアではなく、登場キャラの名前や設定等を募集しての使用。
商業で昔『ドラゴンマガジン』がこの手法の作品を連載していたが、個人的にはどうも冷めてしまう。また、オリキャラの増加に伴う一人称視点の移動がきつく、結局、途中から読むのを止めてしまった。正確には、3-Aが一部を除き卒業したエピソードで切っている。
広げた風呂敷をきちんと畳み、物語を完結させた力量は感服物。飛ばし読みした限りでは伏線のほとんども回収している模様。
次回作がいつになるかは知らないが、今度は三人称で書かかれた物を読んでみたい。