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彷徨者のネット小説レビュー

ネット小説サイト「Arcadia」や「ハーメルン」をメインに、あちこちで見かけたネット小説をレビューするブログです。

ようこそ

 このブログの管理人、彷徨人です。名前の通り、あちこちのサイトをさ迷っています。ネット小説に限れば『Arcadia』と『小説家になろう』がメインになります。
 初めての人は、まずこちらを一読下さい。→はじめに
 これまでレビューした作品のリストです。→五十音順リスト

魔法反徒ネギま 四人の逃亡者達 麻帆良学園逃亡編

2013-02-23 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:朝来夜終
最終更新日:完結済
評価:C
サイト:銀狼の寝床
    http://92940899.blog120.fc2.com/category20-1.html

[あらすじ]
 路上を疾駆する改造路面電車。目指すは麻帆良の外、それは自由。乗るのは四人:ネギ・スプリングフィールド、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、絡繰茶々丸、そして長谷川千雨。
 追うはタカミチ・T・高畑を始めとする魔法先生達。
 立派な魔法使い(マギステル・マギ)など知ったことかと、魔法からの逃亡を計るネギ達と、立派な魔法使いの名の元、抜けるなど許さぬと執拗に追いかける魔法使い達との、日本をまたにかけた追走劇。

[文章]
 三人称。会話文が多すぎる印象。誤字脱字は少なめ。
 文章とは関係ない点だけれど、カテゴリーで分けるだけでなく、目次ページと各話へのリンクを貼ってもらえれば、もっと読み易くなると思った。

[総評]
 出だしから原作が崩壊しているので、「原作が~」「原作では~」と原作重視の人には勧められない。流れからも推測できるように、魔法使いに対して否定的なので、それが許容できる人でないと読むのは辛いと思われる。
 巻き込まれたカタギと自分の女を連れ、極道から足を洗おうと組を飛び出した元やくざ者と、今さらカタギになどさせるかと付け狙う組合員たちとの抗争を描いた極道物を、ネギまに絡めたような物語。
 ……実際に原作の話でも、立派な魔法使いの道から外れれば、グッドマンみたいな鉄砲玉が粛清に来るわけだし、あながち間違っていない……?
 そしてこの手の物語となれば必須と言えるのが、組に雇われる殺しのプロに、切っても切れない因縁のある敵対極道一家、そして微力ながら主人公達を手助けしようとする第三勢力。それぞれに龍宮真名、関西呪術協会、完全なる世界を据え、ノリは正しく極道物。海路の逃走で某商会を出したおふざけがなければ、もっと良かったかもしれない。
 ネギ達の未来は、お天道様の下を堂々と歩ける明るいものか、雨に打たれ自らの血の海に沈む惨めな最期か。逃げて隠れて追われ襲われ、緊張感は途切れず最後まで走り続けてくれる。
 超の過去改変の計画はどうなったとか、原作の細かいところにこだわらず、勢いで読んでほしい作品。


しゅらばらばらばら

2012-11-20 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:トロ
最終更新日:2012年11月20日 完結済
評価:A
サイト:Arcadia
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=35534&n

[あらすじ]
 京都神鳴流は青山鶴子と素子を姉に持つ宗家の長男。20年前に生まれていれば、詠春と共に英雄と讃えられただろう不遇の天才。鶴子の右腕を切り落とし、素子の刀を切っても止まらぬ天才は、西へ東へ斬るものを求めて彷徨し、遂には人の限界が辿り着ける終わりに達してしまう。
 可能性の終わり。成長の限界。残ったのは『青山』と言う修羅の悪名と、神鳴流を外れた邪道・外道の剣。そして『斬る』こと。
 そんな彼の更生に一縷の望みを賭け、鶴子は彼を麻帆良へと送る。
 そこで彼が出会うは未来の英雄、ネギ・スプリングフィールド。
 青い果実の秘める可能性に、彼は一目惚れ。
 この少年こそ自分と同じ終わりに辿り着ける天才、互いにめくるめく殺し合いを楽しめる相手だと、ネギが熟すまで密かに成長を見守る事に。
 正も邪も関係なく斬って捨てる天災の切れを刮目せよ。

[文章]
 基本は主人公視点の一人称。他者視点の時は三人称なので、変な言葉遣いの地の文を読まされることはない。誤字少々。

[総評]
 主人公は転生者の設定。と言っても、前世で自分が何者だったかなど覚えていないし、原作知識もない。青山の肉体が持つポテンシャルが、前世よりも遥かに優れていると歓喜し、魅せられ、暴走するための鍵だったとの理由で嫌味はない。
 斬る。まず斬ってみる。それから斬ってみる。とりあえず斬ってみる。やっぱり斬ってみる。うん、斬っておこう。
 ……な感じで、何でもかんでも斬りたい最強系。氷漬けにされようが心臓が止まろうが斬る。斬りたいものだけを斬るし、魔法も斬る、石化の雲だろうとマグマの熱だろうとも斬る、その人の『本質』も斬る。『斬る』『斬りたい』思いだけは止まらない。だから身体は動くし、斬れる。周囲は戦々恐々、被害は甚大。滅茶苦茶である。しかしその滅茶苦茶も斬ってしまうのが、この主人公。誰にも止められない。
「一度、どうしても斬ってみたいものがあるんだ。何か、だって? 決まっているさ。『世界』だよ」
 と言って『魔法世界』を真っ二つにしかねない主人公には期待大。


人妖奇譚

2012-05-22 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:桂樹緑
最終更新日:完結済み
評価:B
サイト:桂樹通信
    http://keijyu.blog.ocn.ne.jp/ktu/2015/01/ss_a6d4.html

[あらすじ]
 獣となって人に追われ、狩られて殺される悪夢で飛び起きた長谷川千雨。
 悪い夢の汗を流そうとシャワーを浴び、ふと鏡を見て絶句。鏡に映るのは、先端の黒い三角形の獣耳。本来の場所に耳は感じられず。半分腰を抜かして座り込めば、尻の下に感じるのはタイルではなくて二本の尻尾。
 これは夢なんだと自分に言い聞かせ気絶するも、現実はそう甘くもなく。耳と尻尾は隠せても、実際に生えているものは否定のしようもない。迫ってくるのは、自身が人外と言うどうしようもない事実。
 人外になって初めて気づく麻帆良の現状。幽霊に吸血鬼にロボットに魔法使いに、人外の匂いを漂わせるクラスメートがちらほら。「てめえら、あたしの常識を返せ」と叫んでも、自身が非常識の代表では虚しいばかり。
 自称常識人な千雨が、ある日突然人外の自身に覚醒し、ネギ関連のあれやこれやに巻き込まれたり、首を突っ込んだりする話。

[文章]
 三人称。気がついた誤字脱字はない。文章力は高く、読ませる丁寧な書き方をしている。距離や速度の表現に誇張すぎな感のあるのが気になる程度。

[総評]
 千雨魔改造、ほぼ最強物。これまで常識人だと思っていたのに、ある日突然、非常識の塊な狐の妖怪になっていた。始めのうちこそ戸惑いや困惑や将来の心配に頭を悩ませていたものの、「そんなものか」とかなり早いうちに開き直り(諦観?)。
 次の問題が、妖怪として覚醒した事による強烈な飢え。それに耐えられなくなり、ついつい通りすがりの魔法使いにちょっかいをかけ、精気(魔力)をつまみ食い。その傍ら、麻帆良が異常者の集まりであると学んでいく。
 妖怪とくれば、刹那との衝突は免れず。あっさりとモラトリアム終了の千雨と、延々モラトリアム続行中の刹那との対比は、読んでいて面白い。
 後は魔法使いを襲った事でネギが、共に人外の絡みでエヴァが絡んで来るかと思いきや、意外な人物が間に立ち塞がり。事態はややこしい方向に転がっていく。
 ネギま千雨魔改造物はそれなりに読んできたけれど、この作品の組み合わせ方は初見。
 本編は修学旅行で完結。東方シリーズに絡んだ続編が、数話公開されている。本編だけでも満足のいく出来な作品である。


全死大戦ネギま!

2012-01-29 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:こやマンボウ
最終更新日:2012年1月29日
評価:盗作
サイト:にじファン
    http://ncode.syosetu.com/n9843ba/

[総評]
 盗作。それが全て。
 元長柾木氏の『全死大戦』の2巻をほぼ丸写しすると、作者氏が宣言している。主人公の名前も『荻浦嬢瑠璃』と変更はない。実際、『プロローグ』は同作品のプロローグ部を丸写し。第一章においても、駅名など一部の固有名詞を変えた程度で、クラスメートの名前すら変えていない徹底ぶり。
 盗作なので削除するか全文書き換えるよう、読者から指摘があったためか、検索除外設定にして現在も作品を丸写し……かな? 『全死大戦』は読んでいないので不明。
 駄作云々以前の問題なので、レビューとするのもおこがましいが、こういう盗作も多いと言う注意喚起の意味で挙げておく。



△△△ 参考 △△△
タイトルページ(魚拓)
http://megalodon.jp/2012-0129-1709-49/ncode.syosetu.com/n9843ba/
プロローグ(魚拓)
http://megalodon.jp/2012-0129-1710-44/ncode.syosetu.com/n9843ba/1/
第一章 敗北者の群れの中で Imitation 1(魚拓)
http://megalodon.jp/2012-0129-1711-13/ncode.syosetu.com/n9843ba/2/
元長柾木『全死大戦(2) 少女覚醒』(プロローグと冒頭部分が読めます)
http://www.kadokawa.co.jp/tachiyomi/bunko/index.php?pcd=200905000134
元長柾木『全死大戦(2) 少女覚醒』(Amazonのページ。あらすじで盗用された前書きが読めます)
http://p.tl/rcPs




【追記】
2012年1月30日 18:30、運営により当該作品の削除を確認。


長谷川千雨の過負荷(マイナス)な日々

2011-12-20 18:00:00 | 魔法先生ネギま!

原作名:魔法先生ネギま!
作者:蛇遣い座
最終更新日:2011年12月19日 完結済
評価:C
サイト:にじファン Arcadia
    http://ncode.syosetu.com/n1485y/
    http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=32532&n

[あらすじ]
 長谷川千雨、小学六年生。二年生の時に麻帆良に転校し、以来、苛めに遭ってきた彼女にとり、両親とて縋る事のできない敵だった。
 そしてその日も苛められた帰り道、偶然知り合った少年・球磨川禊。
 彼との会話の最中、千雨の頭の中で何かのピースがカチリとはまる。過負荷の目覚め。
 それから2年。千雨のいる2-Aに赴任する新任教師、ネギ・スプリングフィールド。
 魔法と過負荷の危険な化学反応が起きる……かも?

[文章]
 プロローグだけ三人称、その後は千雨視点の一人称。別人の視点からの語りがないので、ネギサイドでの出来事が不明なのが難点。その説明を、最後に1、2行添えている程度。
 読める文章。会話文ばかりが続く事もなく、説明ばかりと言うのでもない。誤字脱字は少なめ。ただし改行後の一字下げと、『?』や『!』の後の一字空けがないので、少々読みにくい。

[総評]
 ネギまと『めだかボックス』のコラボ物。ただし、めだかキャラは名前と行動が伝わってくるだけで、実際の登場はない模様。
 今作での千雨は、球磨川に憧れる『過負荷(マイナス)』持ち。一度目にした相手の隠したい秘密を読み取る能力。その能力を活かし、既に数校の中学を廃校に追い込み済。また、人の恋路は応援すると、女生徒を襲うエヴァには自分の血を差し出し、刹那が木乃香を救出できるようネギには関与させずと、実に過負荷らしい思考と行動。
 他の原作キャラも多少改変されていて気持ち悪い。千雨の鼻骨を折る怪我をさせた明日菜は、謝罪をした様子も反省の色もなく、いつも通りに振る舞うバカレッド。タカミチは、明日菜の凶行を覗き見し、明日菜に縋りつく千雨を奇襲、自分は急いでいるから歩いて保健室へ行けと、深夜の路上に放り出すクズっぷり。近右衛門に到っては、それら一連の事件を裏の出来事として隠蔽。三人はお咎めなしの無罪放免。あれ、原作と変わらないか?
 教師生徒諸共でクズのかの学園と、麻帆良学園の魔法使いとは相性が良いようで、悪い方向での違和感は少なく感じた。
 周囲に迷惑と混乱をばら撒くネギと、それらを増長させる千雨、そして全てを傍観・隠蔽する近右衛門。物語はヘルマン襲来のようで、果たして混乱はどこまで広がるのか。次話が楽しみ。