Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 7/16未明~明け方 天王星と火星が大接近

雪深い山中で夏の天の川撮影(2021/04/11)

2021-04-14 00:00:06 | 遠征日誌

先週土曜日の夜に新潟県某所まで☆撮り遠征してきました。
メインの撮影対象は淡い天体だったため画像処理に難儀しており、完成までもう少し掛かりそう。
ということで、薄明開始直前に広角レンズで撮った画像を先に公開しておきます。
夏の代表星座であるさそり座の尻尾がほぼ正中したところを見計らって、南天を撮影したのがコレです。


【たて座~いて座~さそり座の銀河】
 キヤノンEOS Ra+タムロンSPAF28-75mmF2.8XRDiLDアスフェリカル(@28mm),F4,ISO6400,
 L41フィルター使用,総露出時間4分(30秒×8コマ,比較明合成),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 恒星時追尾

ここは銀河系の中心方向に相当し、恒星が折り重なるように密集した、天の川の最も明るい部分になります。
棒渦巻銀河の「バルジ」と呼ばれる膨らみを横から見ていることになり、川幅が広いエリアでもあります。
星雲星団の宝庫にもなっていて、星図を見ると天体記号だらけで、なんだか楽しくなってしまいます。


AstroArts社ステラナビゲータにて作成

今回、撮影に出掛けたのは特別豪雪地帯で、一部の道路はまだ通行止めのため馴染みの場所には到達できず、
別な場所を探したところ、山間部ながら除雪されている道路の脇にスペースを見つけて機材をセットアップ。
堆く積もった雪の壁のすぐ横で、夏の天の川を撮影したのでありました。


他の釣果は暗いの2つ

2021-04-13 00:07:12 | ほうき星

間が空いてしまいましたが、先週のほうき星パパラッチにおける残りの撮影成果を公開します。
当夜、最初に撮っていた彗星がコレ。


【パロマー彗星(C/2020 T2)4/9】
 総露出時間36分(3分×12コマ,彗星基準加算コンポジット)

発見されたのは昨年の10月上旬。"ZTF"という自動掃天システムによる発見で、彗星名はその機材がある
天文台の名前になってます。撮影時の光度は11~12等程度。少しだけ尾が伸びてるのが分かります。
これも彗星基準で加算処理してますが、背景の星がほとんど点像になっており、モーションは小さいです。
近日点通過(太陽最接近)は7/11とはじき出されているものの、その距離は太陽-地球間距離の2倍くらいと
結構遠めです。地球にも近づいてくる来月末から6月上旬にかけて最大光度に達すると予想されてますが、
このまま何もなければ10等台止まりかなぁ・・・

次に撮ったのはこの周期彗星。


【ポンス・ヴィネッケ彗星(7P)4/9】
 総露出時間48分(3分×16コマ,彗星基準加算コンポジット)

中央に写っている頼りない感じの点像が彗星です。モーションが大きくて、周りの星が長く伸びてます。
撮影時の光度は13~14等ほど。近日点通過は来月末頃で、明るくなっても11等くらいと予想されてます。
この彗星は19世紀前半に発見された歴史の長い短周期彗星で、楕円軌道を6.3年ほどで周回してます。
6月うしかい座流星群の母天体と考えられてますが、その流星群は今や幻と化していて、突発的な出現が
ごく稀に見られるレベルの気まぐれ流星群になっているとか。観測できたら超ラッキーかも!

共通撮影データは次のとおり。
 タカハシEM-200Temma2M赤道儀,キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,
 ASTRO LPR Type2フィルター使用,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,等倍トリミング