太平洋側では冬晴れが続き、1等星の散りばめられた冬の星座が毎晩のように見えてます。
さて、冬の星座の代表といえば、やはりオリオン座になるでしょうね。
そのオリオン座にあるとっても有名な天体がこちら↓
【オリオン大星雲】
キヤノンEOS Kiss Digital X + 口径18cm写真撮影用反射望遠鏡 赤道儀使用
ISO800 F2.8 総露出時間96分55秒(8秒~10分露出の35コマ加算合成)
[長野県松原湖高原にて今年11月撮影]
学校の教科書や百科事典などにも載っていたりするので、すばるやアンドロメダ大銀河
とともに極めて知名度の高い天体の一つではないかと思われます。
ここは星間ガスや塵が集まっている領域で、新たな星の誕生の場となっており、
勇者オリオンの腰のあたりにある「三ツ星」など、オリオン座の主要な星たちは
この星雲から生まれてきたことが分かっています。
モヤモヤっとした雲のようなもののうち、赤っぽく見えているのは電離した水素ガスで、
今までに紹介してきた赤い星雲と同じように特定の波長(656nm)の光で輝いています。
一方、青っぽく見えている部分は、周囲にある若い高温星からの青白い光を
星間物質がそのまま反射した光が主体となっています。
それらの光が混ざり合って上の画像のような見事なピンク色の発色を示すわけですが、
この色は望遠鏡を覗いて見ても感じ取ることができず、白っぽく見えるだけなんです。
子供の頃、クリスマスプレゼントとして買ってもらった天体望遠鏡でこれを見た時の
失望感は今でも憶えています。望遠鏡のカタログに載っている写真のようなピンク色の
星雲には見えなかったため、レンズが壊れてるんじゃないかなんて思ったものです。
それが人間の眼の限界によるものであることを知ったのはかなり後になってからのこと。
そして少年はいつしか見えないものを撮りたいという衝動に駆られていったわけです。
時は流れて幾星霜、微弱な光を捉えようと大口径かつF値の明るい撮影用望遠鏡を入手し、
赤い色が良く出るフィルムを買いあさり、銀塩写真が廃れた後には変らずその赤い色が
表現されるようにデジカメを改造したりと、散財を繰り返す輩が出来上がってました。
見方を変えると、光学機器のメーカーや販売店は実に罪深いなぁと思ったりもします。
まぁクルマにお金を注ぎ込む人もいれば、高価なバッグや貴金属を集める人もいるわけで、
趣味ってどういうものでも他人には理解されない散財がつきまとうものなんでしょうね。
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- キラリ [2010年12月29日 10:04]
- おはようございます☆
素晴らしい写真ですね。
赤いヴェールのようなものは何だろうと思いました・・分離した水素ガスなのですね。
神秘的で凄く不思議です。
冬の空、機会を作って見に行きたいです。 - fornax8 [2010年12月29日 20:09]
- キラリさん、いつもコメントありがとうございます。
燃えてはいないんですがガスが光るっていうのは不思議ですよね。
星雲全体としては鳥が翼を広げた姿に似ていると言われてますが、どうでしょう? - mashさん [2010年12月29日 22:35]
- fornax8さん、こんばんわ。
オリオン大星雲…美しいです。
星の海に漂うガス状の生物にも見えてしまいます。
冬の天空を見上げるとまず最初に見つける星座
素晴らしいです。 - fornax8 [2010年12月30日 9:43]
- mashさん、いつもコメントありがとうございます。
目に見える動きがあったら本当に生き物のようで面白いでしょうね。
オリオン座には変ったニックネームを持つ星雲がまだありますので、
今後も取り上げていく予定です。 - お花坊 [2010年12月31日 22:28]
- こんばんは~
携帯から見ていますが、それでも美しい星雲の写真を
堪能させていただきました♪
今年もいろいろな星空の写真を見させていただきありがとうございました。
また来年も楽しみにしています。
2010年もあと1時間半あまり…
良いお年をお迎え下さい。 - fornax8 [2010年12月31日 23:17]
- お花坊さん、毎度コメントありがとうございます。
マニアックな写真をご覧くださいまして恐縮です。
来年もご期待にそえるよう精進したいと思います。(んー、堅い?)
それはそうと、指は大丈夫でしょうか?
良いお年を~
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