Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 7/2未明~明け方 月と火星が接近

パステルカラーのサソリに恋した♪

2023-04-30 00:02:15 | 遠征日誌

19日の夜の新潟遠征時、日付が変わって20日未明に撮ったラストショットがコレでした。


【さそり座頭部】
 キヤノンEOS Ra+SAMYANG135mmF2 ED UMC,F4.8,ISO1600,L41フィルター,
 総露出時間60分(5分×12コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,新潟県魚沼市にて

撮影光学系をカメラレンズに切り替えて、薄明開始前の1時間で何とか撮り切った画像です。
全天一カラフルなエリアとして天体写真ファンには良く知られたさそり座のアンタレス付近を左下寄りに、
「さそりのはさみ」の付根に位置する3つの星を右寄りにフレーミングしてます。
やっぱりこのエリアは色とりどりの星雲だらけでフォトジェニックな被写体です。
2年ほど前にもほぼ同じ星域を狙ってますが、その時よりもコントラスト良く仕上げられた感じ。
空が十分に暗い所で撮るとさすがに違うなーって思いました。
ただ構図的に少し窮屈な印象が否めないので、もう少し写野が広めのレンズでも狙いたくなりますねぇ。


NGC3242

2023-04-26 00:00:05 | 遠征日誌

19日の夜の新潟遠征時に、こんな天体も撮ったのでした。


【木星状星雲 NGC3242】
 キヤノンEOS Ra+タカハシμ-180+バリエクステンダー,F20,ISO6400,1.6倍クロップ,
 総露出時間3分(15秒×12コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミング、新潟県魚沼市にて 

うみへび座にある惑星状星雲で、ニックネームは木星のように見えたことから付けられたようです。
視直径は40"程度と見掛けのサイズは木星に近いですけど、写真を見るとどこが木星なの?って感じです。
とても小さいので口径数cmクラスの小型望遠鏡だと中倍率までは恒星と区別が付き難い天体です。
眼視で内部の濃淡を確認するには口径20cm以上の望遠鏡が必要とされます。
光度は9等程度とデータ上は暗めですが、意外にも数十秒ほどの露出で十分な明るさで撮れたりします。
以前に冷却CMOSカメラを使って拡大レンズ無しで撮影してますが、ミラーレス一眼での撮影は初めて。
以前の撮影結果と比べれば、拡大レンズを使用したこともあって少しマシな画像が得られた感じ。
それでも内部構造を詳細に捉えるまでには至らず、焦点距離6000mm相当では太刀打ちできないことが判明。
もっと拡大率を上げて撮りたいところですが、F値が上がって像が暗くなってしまう上に
追尾精度も要求されるので、なかなか厳しそうです。


M97

2023-04-22 14:17:25 | 遠征日誌

新月を翌日に控えた19日の夜は好天になりそうな中越方面へ向けて☆撮りに出撃。
新潟県内は日中に雨が降った所が多かったみたいですけど、夕方からは天候が回復したようで、
関越トンネルを抜けると青空が広がってました。目的地には21時前に到着。
このところ長焦点望遠鏡での撮影にハマってますが、この夜は焦点距離をさらに伸ばすアイテムを用い、
視直径の小さな被写体の大写しに挑戦。メシエ天体としては、こんなのを狙ったのでした。


【ふくろう星雲 M97】
 キヤノンEOS Ra+タカハシμ-180+バリエクステンダー,F20,ISO12800,1.6倍クロップ,
 総露出時間35分(5分×7コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,ほぼノートリミング、新潟県魚沼市にて

北斗七星の柄杓の先端から2つめの星(おおぐま座β星)の近くに位置する惑星状星雲です。
名称は画像ですぐ分かるような形態に由来し、名付け親は19世紀に活躍した天文学者のロス卿とされてます。
と言っても、その時代はまだ写真技術が発達していなかったので、眼視での観測に基いてます。
ちなみに、その観測に使われたのは口径72インチ(180cm超!)の巨大なニュートン式反射望遠鏡でした。
光度は約10等とされ、眼視でふくろうの目をしっかり確認するには口径30cm以上の大きな望遠鏡が必要です。

個人的にこれまでも焦点距離の短い望遠鏡で何度か撮影してますが、長焦点望遠鏡での撮影は初めて。
以前の撮影画像と比べると、やはり星雲内部の濃淡が割としっかり捉えられた感じ。
星雲形成の元になった中心星の他に、4つの恒星が写ったのも高い拡大率のお蔭ですかね。
参考までにどのくらいの撮影範囲(画角)なのか、月を対象にシミュレーションするとこうなります。


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成

焦点距離換算で6000mm程度の狭い画角になり、さすがに風や追尾ズレの影響によるブレは避けられず、
実は全撮影コマ数の半分も使えなかったんで、コンポジット数不足でS/N的にはイマイチな印象。
もっと収率を上げないとダメだなぁ・・・


M63

2023-04-21 17:21:05 | 遠征日誌

17日の夜、さらにもう1つ撮った銀河がありました。


【ひまわり銀河 M63】
 キヤノンEOS Ra+タカハシμ-180+フラットナーレデューサー,F9.8,ISO3200,1.6倍クロップ,
 総露出時間80分(5分×16コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,長野県川上村にて

りょうけん座の真ん中あたりに位置する渦巻銀河で、大輪の向日葵に見立てられてます。
割と明るくて、空の暗い所では口径5cmの双眼鏡で存在確認が可能です。
昨年6月にも撮影してますが、あらためて長焦点望遠鏡を用いて撮ってみました。
以前の撮影画像と比べると解像感が向上し、恒星雲が連なる独特の斑模様が少しはっきりした感じ。
銀河腕に点在するHⅡ領域のピンク色がもうちょっと出てくれるとイイんですけどねぇ・・・
画像処理上の課題かな?


M104

2023-04-20 18:35:38 | 遠征日誌

13日の夜に銀河をもう1つ狙ったものの薄雲の発生で結果がイマイチだったんで、
17日の夜に別な場所で撮り直し、得られたのがコレです。


【ソンブレロ銀河 M104】
 キヤノンEOS Ra+タカハシμ-180+フラットナーレデューサー,F9.8,ISO3200,1.6倍クロップ,
 総露出時間100分(5分×20コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,長野県川上村にて

おとめ座の南部に位置する銀河で、ニックネームはメキシコの帽子に似ていることに由来しますが、
日本人としては羽釜を連想させるイメージにも見えます。
この銀河を狙うのは4年ぶり。長焦点望遠鏡を使って撮るのは初めてでした。
以前の撮影画像と比べると、大写しになって見映えはそれなりに良くなりましたけど、
暗黒帯の微細構造の描出についてはまだ物足りない感じ・・・
有効画素数の多い(1ピクセルのサイズが小さい)カメラが欲しくなりますねぇ。


M66&M65

2023-04-15 10:00:00 | 遠征日誌

13日の夜、自宅から100km圏内の山梨県某所にて新年度最初の☆撮りをしてきました。
最初に狙ったのはこの2銀河。


【M66&M65銀河】
 キヤノンEOS Ra+タカハシμ-180+フラットナーレデューサー,F9.8,ISO3200,1.6倍クロップ,
 総露出時間80分(5分×16コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,若干トリミングあり,山梨市某所にて

メシエカタログに登録されている銀河で、しし座にあります。左がM66、右がM65です。
少し北に位置するNGC3628を加えて「しし座の三つ子銀河」と呼ばれており、
3銀河をまとめて狙ったことがありますが、今回は長焦点望遠鏡を使って2つをクローズアップしました。
拡大率が高まったお蔭で両銀河の内部構造がそこそこ確認できる解像度で捉えられた感じ。
特に左のM66銀河はちょっとカラフルで複雑な構造をしている様子が伺えます。

ちなみに、約3500万年もかかって地球に届いた光を捉えていることになるようです。
広大な宇宙の中では、我々のいる銀河系からさほど遠くない所にあるみたいなんですけど、
それでも数千万光年っていう単位になってしまうんで、毎度のことながら遥かなる時空に圧倒されます。


発見からもうすぐ250年になる銀河

2023-03-02 00:08:51 | 遠征日誌

28日未明、自宅から50km圏内の割と近場にて2月最後の☆撮りを敢行。
夜半過ぎまで月明りの影響があって撮影時間が限られてしまい、狙ったのはこの銀河のみとなりました。


【子持ち銀河 M51】
 キヤノンEOS Ra+タカハシμ-180+フラットナーレデューサー,F9.8,ISO3200,LPS-D3フィルター,
 総露出時間64分(8分×8コマ加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,山梨県大月市某所にて

りょうけん座にある有名な「子持ち銀河」です。名前の由来は写真を見ればすぐ分かりますね。
シャルル・メシエが1773年10月に発見したそうなので、見つかってから今年で250年ということになります。
当ブログでは何度か紹介してますが、いずれも短焦点望遠鏡による撮影画像のため解像度が不足気味で、
いつか長焦点望遠鏡で狙ってやろうと思いながらも機会を逸し、今回ようやく実行できました。
使ったのは、いつもの撮影用望遠鏡と口径は同じ18cmですが、焦点距離は約3.5倍のもの。
像の拡大率が上がって細部の描写力が高まったので、親銀河の腕の内部構造が分かりやすくなりました。
その一方で暗い光学系のため、周囲に広がる淡い部分は写りがイマイチです。
また、赤道儀架台による追尾がシビアになるのに加え、少しの振動等でブレやすくなることもあり、
星を点像に写すことが難しく、今回は主に風の影響で全撮影フレームの半分が無駄になってしまいました。
それでも1時間超の総露出分は収穫できたんで、パーソナルベストの画像が得られました。
まあ、まだ課題はいろいろとありますけどねぇ・・・


キリ番のM天体

2023-02-28 16:00:00 | 遠征日誌

2/17撮影の天体が続きます。
この銀河を狙うのも久しぶりでした。


【M100銀河】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,LPS-D3フィルター,1.6倍クロップ,
 総露出時間48分(4分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県東伊豆町某所にて

かみのけ座にある渦巻銀河です。メシエ天体の100番目に登録されています。愛称等は特にありません。
光度は9.35等と暗めなので、手で持てるクラスの小型双眼鏡による存在確認はまず無理でしょう。
眼視で渦巻構造を見るには口径25cm以上の少し大きめの望遠鏡を要します。
写真では焦点距離135mm程度の望遠レンズで渦巻構造を何とか捉えられそうですが、
銀河腕をしっかり写すには最低でも300mm程度の焦点距離が必要とみられます。
「おとめ座銀河団」に属していることもあり、周囲には小さな銀河がたくさんあり、
トリミングをしている上の写真でも20個以上の銀河像が確認できます。
マイナーな天体ということもあり、個人的にこの銀河を撮影したのは2009年3月以来のことでした。
拙ブログでは初登場です。


Bode's Galaxy

2023-02-26 14:27:56 | 遠征日誌

2/17に撮影した天体の続きです。
この銀河も久しぶりに狙ったのでした。


【ボーデの銀河 M81,82】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,LPS-D3フィルター,
 総露出時間64分(4分×16コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,トリミングあり,静岡県東伊豆町某所にて

おおぐま座にある割と有名な銀河です。名称は発見者である独の天文学者ヨハン・ボーデに因んでいます。
ほぼ南北に2つの銀河が並んでいて、上(北)側がM82(光度8.41等)、下(南)側がM81(光度6.94等)です。

端正な渦巻銀河のM81は空の極めて暗い環境下で好条件に恵まれれば肉眼で存在が確認できるとの話があり、
それが確かであれば肉眼で見える最遠天体(距離1200万光年)ってことになります。

M82は形態上は不規則銀河に分類され、見掛けの姿から「葉巻銀河」の愛称があります。
また、中央部から電離した水素ガスが放出されている姿が特徴的で、「爆発銀河」として知られてます。
上の写真で確認できる赤いモヤモヤが電離水素が発する光で、かなり大規模な構造であることが分かります。
もし地球がこの銀河内にあったら、白い天の川と赤い天の川がクロスする光景を写せるのかもしれません。

ちなみに、両者は空の暗い場所では口径3~4cmの双眼鏡で仲良く並んだ姿が見えますが、
それぞれの特徴的な形まで認識するなら口径8cm以上の望遠鏡の使用が望ましいようです。
と言っても写真のようには見えず、眼視観望には限界があることを思い知らされた経験があります。


The Beehive Cluster

2023-02-25 09:17:17 | 遠征日誌

先週末、ZTF彗星を撮影した後で久々にこんなのを撮ってました。


【プレセペ星団 M44】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,LPS-D3フィルター,
 総露出時間32分(2分×16コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,静岡県東伊豆町某所にて

黄道星座の一つである「かに座」の中心部にある大型の散開星団で、肉眼で存在が確認できます。
欧米では「蜂の巣」に見立てて"Beehive cluster"とも呼ばれたりするようですが、
日本ではかに座の真ん中にあることから「カニみそ星団」と呼ぶ人もいます。
青白い星が多いですが、僅かな橙色星が良いアクセントになってます。
でも彩度的にちょっと盛り過ぎたかな? 個人的に2019年末以来の撮影でした。