Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 7/16未明~明け方 天王星と火星が大接近

尾が伸びてきた紫金山・アトラス彗星(2024/06/05)

2024-06-07 07:03:02 | ほうき星

今年の秋に明るくなると期待されている紫金山・アトラス彗星を7週間ぶりに撮影しました。


【紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)6/5】
 キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,STARRY NIGHTフィルター,1.6倍クロップ,
 総露出時間60分(2分×30フレーム,メトカーフコンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,新潟県十日町市にて

前回の撮影時にはおとめ座の東寄りに位置していて夜半頃に南中(真南に来ること)してましたが、
現在は同星座の西端付近まで移動し、季節も進んだため日没前に南中するようになってます。
信頼スジによれば光度は9等台とされ、ご覧のとおり尾がハッキリと伸びてるのが分かります。
等倍トリミングすると・・・

綺麗な流線形になってますね。見掛け上の尾の長さは15~20分角(満月の視直径の半分から2/3程度)でした。
日心距離(太陽中心からの距離)は2.26AU(天文単位)、地心距離(地球中心からの距離)は1.82AUの位置にあり、
まだ火星より遠いところを移動中です。ちなみに、2020年に大彗星となったネオワイズ彗星(C/2020 F3)
似たような宇宙空間にあった時は未発見で、光度は17等台以下だったと推定されます。

ということで、依然として紫金山・アトラス彗星は異例の明るさで観測されており、期待感が高まりますが、
彗星の振る舞いは水物で、本体核の崩壊や物質放出量の予期せぬ低下で暗くなってしまうこともあるので、
過度な期待はせず、今後も監視していこうと思います。