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野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

クルマバナ、紫の小さな花弁が車輪のように丸くついている

2019年09月18日 08時26分47秒 | 

富士山麓で自生していたクルマバナ。上からみとる花弁が車輪のように丸くついている。写真では車が二段になっいるが、数段になるものもある。紫色の小さな花弁はよくみると可憐で華麗だ。こうした花を足元にみつけると、ほっとする。

  (2019-08 山梨県 富士山麓 )

クルマバナ(車花、学名:Clinopodium chinense subsp. grandiflorum)は、シソ科トウバナ属の多年草。

特徴
地下の根茎は短く横にはう。茎は直立し、高さは20-80cmになり、4角形でまばらに下向きの毛が生え、ふつう枝分かれする。葉は対生し、葉身は卵形から狭卵形で、長さ2-4cm、幅1-2.5cm、葉先は鋭頭で基部はまるく、5-15mmになる葉柄があり、縁に鋸歯がある。

花期は8-9月。茎先に花穂をつけ、数段離れて車状に仮輪をつける。仮輪の下につく小苞は線形で、小花柄より長く長さ5-8mmになり、開出する長い毛がある。萼は筒状2唇形で、長さ6-8mmになり、紅紫色を帯びることが多く、上唇は3裂、下唇は2裂し、開出する長い毛があって裂片は細長くとがる。花冠は紅紫色で、長さ6-10mm、上唇は小型で浅く2裂し、下唇は大型で深く3裂し、花冠外側に細かい毛が生え、花冠内側に赤い斑点がある。雄蕊は4個のうち下側の2個は少し長い。果実は4個の分果で、やや扁平な球形になり、長さは約1mmになる。

分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の道ばたなどの草地に生育する。世界では、中国大陸北部、朝鮮半島、ロシア沿海州の温帯から暖帯に分布する。

 


きちんと育てれば装飾にもなるチカラシバ(「雑草」シリーズ04)

2019年09月18日 07時16分05秒 | 

ブラシのような大きな穂をつけるチカラシバ。雑草扱いで、引き抜くのに力がいる芝という命名だ。しかしきちんと育てれば、装飾用にもなる。神代植物公園にあったこのチカラシバは、立派な飾りになっていた。欧米では園芸種が観賞用に栽培されているという。

 (2019-09 東京都 神代植物公園) 

 

 

 

チカラシバ

チカラシバ(力芝、学名:Pennisetum alopecuroides)は、単子葉植物イネ科の多年草。道端によく見かける雑草のひとつで、ブラシのような穂が特徴的である。

特徴
地下茎はごく短く、大きな株を作る、根元から多数の葉を出す。葉は細長く、根元から立ち上がる。葉はやや丸まる。

花茎は夏以降に出て、真っすぐに立つ。花軸は枝分かれせず、先端近くの軸に多数の針状の毛に包まれた小穂がつく。小穂は最初は軸から斜め上に向けて出るが、果実が熟するにつれて軸から大きい角度をもつようになり、つまり開出して、全体としてビン洗いのブラシや、試験管洗いのような姿になる。果実が熟してしまうと、果実は小穂の柄の部分から外れるので、あとには軸だけが残る。

小穂は短い軸の先に一つだけつく。小穂の基部の軸から針状の毛が多数伸びる。小穂は披針形で長さ7mmほど、二つの小花を含むが、一つ目は果実をつけず、雄花となることも多い。第一護頴はほとんど退化、第二護頴は小穂の長さの半分。

果実は先端の毛と共に外れ、これが引っ掛かりとなって大型動物の毛皮に引っ掛かるようになっている。いわゆるひっつき虫で、毛糸などの目の粗い衣服によく引っ掛かる。果実の先端から潜り込むようにして引っ掛かることが多い。

分布等
日本、朝鮮半島、中国からフィリピン、マレー半島からインドまで分布する。日本国内では北海道南西部以南のほとんど全土で見られる。また、オーストラリア、北アメリカに帰化している。

普通は穂や小穂の毛に紫色の着色があり、全体に紫を帯びるが、これには変異がある。特に赤っぽいものをベニチカラシバ (forma erythrochaetum Ohwi)、着色せず穂が緑のものをアオチカラシバ (forma viridescens (Miq.) Ohwi) として区別する場合もある。

人間との関係
道端にはえる雑草で、大きな株になる。非常にしっかりした草で、引き抜くにも刈り取るにもやっかいである。和名の「力芝」もひきちぎるのに力がいることに由来する。

役に立つ面は少ないが、子供のおもちゃになることがある。穂をちぎって手のひらの中に握り込んで、ゆるゆると握ったり開いたりすると、小穂の毛が斜め上に向いているから、次第に穂の下側の方へと進んで行くのが、毛虫のようでおもしろいと言う。また、これを穂の下側の方から、長ズボンの裾から送り込んでやると、引っ張り出すのが難しく、体が動くにつれて中へともぐりこんで行く。それを見て笑うのであるが、うっかりするとパンツの中までももぐりこむので、結構痛い思いをする。

欧米では園芸品種が作出されており、観賞用に屋外で栽培される。

似た姿のもの
穂から多数の毛が伸びてブラシ状になるものとしては、他にエノコログサ類があるが、たいていは穂の先がたれる。また、他にも穂に多数の毛や芒を出すものはあるが、このようなブラシ状のものはあまりない。