野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

花まで霜柱に似ているシモバシラ

2019年09月28日 09時39分11秒 | 

富士山麓の山の沢道で花開いていたシモバシラ。花弁が一方向に向くのが特徴的だ。花そのものにどことなく冬の霜柱の趣があるが、この名前はこの植物が咲いていたところに、冬になると霜柱ができるためだ。なんとも奇妙な植物ではある。日本固有種。属名まで植物学者の日本人の名前である。

(2019-08 山梨県 富士山麓 )

 

シモバシラ

シモバシラ(霜柱、学名:Keiskea japonica)はシソ科の多年草であり、枯れた茎に霜柱(霜華)が出来ることで知られる。属名は植物学者の伊藤圭介にちなむ。

特徴
宿根性の多年草である。茎は断面が四角形をしており、やや木質化する。高さ40-70cmほど、先端に向けてやや水平向きに曲がる。葉は茎の節ごとに対生に出て、長さ8-20cmの楕円形、薄くて柔らかくてつやがなく、縁に軽い鋸歯がある。

花は9-10月頃に咲く。茎の先端側半分くらいの葉腋から総状花序を出す。花序の軸は真上に伸び、花はその軸に茎の先端側に偏ってつく。従って、水平になった茎から花序だけが立ち上がったおもしろい姿となる。花はほぼ真横を向いて咲く。花冠は白く、釣り鐘状で、雄蘂はそこから突き出す。

分布など
日本固有種で関東地方以南の本州から九州にかけて分布する。低山の森林内に生え、特に渓流周辺に群落を作ることもある。

シモバシラの霜華
シモバシラが生えていたところには、冬になると霜華(英語版)ができる。シモバシラの茎は冬になると枯れてしまうが、根はその後長い間活動を続けるため、枯れた茎の道管に水が吸い上げられ続ける。そして、外気温が氷点下になると、道管内の水が凍って、茎から霜華ができる。この現象は、地中の根が凍るまで続く。


背が高くすらりとしている美麗なシュウメイギク(園芸種シリーズ07)

2019年09月28日 07時59分14秒 | 

今の時期、いたるところで花を開いているシュウメイギク。古くから中国から渡来し、秋明菊という名前で親しまれていたらしい。しかし帰化植物としての秋明菊は、赤花だったようだ。今では園芸種で白花のシュウメイギクを多くみかける。アネモネの仲間というが、もとから白花だったのではしないかと思わせるほど、白のシュウメイギクは日本の風土にぴったりとあった素敵な花だ。背が高くすらりとしている立ち姿も美麗な花にふさわしい。

(2019-09 川崎市 道端) 

 

 

シュウメイギク

シュウメイギク(秋明菊、学名:Anemone hupehensis var. japonica)とは、キンポウゲ科の植物の一種。別名、キブネギク(貴船菊)。名前にキクが付くが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間である。

概要
中国から古い時代に入ってきた帰化植物である。文献上では「花壇綱目」に「秋明菊」の名前で記載が成れていて、日本に定着していたことが窺える。

中国では明代末の「本草綱目」には記載はなく「三才図会」に「秋牡丹」の名前で記載されるようになる。「秋牡丹」の呼称は貝原益軒も「大和本草」で使用している。以後日本の園芸書には「秋明菊」「秋牡丹」で紹介されることが多くなり、「しめ菊」「紫衣菊」「加賀菊」「越前菊」「貴船菊」「唐菊」「高麗菊」「秋芍薬」などの多様な別名で呼ばれることになった。

花色は赤紫色であるが、近年、他種との交配品種が市販されるようになり、弁数が少ない品種や白色の品種が多く栽培されて名称の混乱が見られる。

近縁のアネモネなどと同様、プロトアネモニンを含み有毒。乳液に触れるとかぶれを引き起こす。

生態
多年草で開花期は秋、高く伸びた花茎の上に大柄な花をつける。花は多数の赤紫色の花弁状の萼片が目立ち、本物の花弁はない。中央には黄色の雄蕊が多数ある。


湿地を好む水生植物ホソナガバミズアオイ

2019年09月28日 07時12分08秒 | 

森林公園の湿地で咲いていたホソナガバミズアオイ。水草の一つなのだが、水中で花を咲かせる仲間の種のホテイアオイとは違い、水の中よりも湿地のようなところに生えることが多いようだ。

(2019-09 川崎市 森林公園) 

 

ホソナガバミズアオイ
(細長葉水葵) ミズアオイ科 分類:草 学名:Pontederia cordata var. lancifolia

花びら:6枚 色: 筑波実験植物園 にて
ミズアオイ の仲間で北アメリカ原産。同じ北アメリカ原産の マルナガバミズアオイ は葉が丸く、 アメリカミズアオイ よりさらに葉が細長い