野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

千日紅と書くくらい長持ちするセンニチコウ(園芸種シリーズ05)

2019年09月26日 10時42分04秒 | 

小さなポンポンダリアのような丸い花をつけるセンニチコウ。千日紅とも書くくらい、花が長持ちするらしい。ドライフラワーにすれば、数年はもつとか。花壇の隅を飾る花としても、花束の添え物としても人気が高い。

(2019-09 川崎市 道端) 

 

センニチコウ

センニチコウの仲間は、花そのものではなく紫やピンク、白、黄、赤に色づく苞を観賞します。暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、長期間咲き続けます。庭や花壇、鉢に植えて育てたものが、切り花としてよく仏壇に飾られます。また、フラワーアレンジメントにも欠かせない素材です。苞の部分はドライフラワーにしても色があせにくいため、名前のとおり、千日色が変わらないのではないかと思うほどです。
ゴンフレナ属の植物は、熱帯アメリカを中心とした熱帯各地に100種以上が知られています。従来から紫、ピンク、白の花を咲かせるセンニチコウ(Gomphrena globosa)と、黄色や赤の花を咲かせるキバナセンニチコウ(G.haageana)の2種が栽培されてきましたが、最近は‘ファイヤーワークス’と呼ばれるスパイシーな香りをもち、ローズ色の花を咲かせる品種も流通しています。
センニチコウの仲間は、タネをまいて育てますが、発芽には比較的高温が必要なので、早まきしても芽が出にくく、5月ごろが適期です。また、‘ファイヤーワークス’はさし芽でふやすこともできます。
なお、センニチコウは一年草ですが、キバナセンニチコウは地下に球根をつくり、3℃程度保てば冬越しできる多年草です。‘ファイヤーワークス’は、軽く凍っても冬越しさせることができます。

基本データ

園芸分類 草花

形態 一年草,多年草 原産地 熱帯各地

草丈/樹高 15~70cm程度 開花期 5月~11月

花色 白,赤,ピンク,黄,紫 栽培難易度(1~5)

耐寒性 弱い(‘ファイヤーワークス’はやや弱い) 耐暑性 強い

特性・用途 初心者でも育てやすい,開花期が長い,香りがある(品種による)


林の中で開く黄色い花が目立つマルバダケブキ

2019年09月26日 09時54分30秒 | 

富士山麓の山の下山中にみかけたマルバダケブキの花。葉がユニークですぐにそれと分かる。人が間を歩けなくなるほど群生することもあるという。林の湿った空間を暖かくしてくれる花だ。

  (2019-08 山梨県 富士山麓 

マルバダケブキ(丸葉岳蕗、学名: Ligularia dentata )はキク科メタカラコウ属の多年草。

特徴
茎の高さは40-120cmになる。根出葉は長い葉柄があり、葉身はフキに似た腎円形で径30-40cmになり、縁は鋸歯状になる。茎につく葉の葉柄の基部は広くふくれて茎を抱く。

花期は5-8月。茎の上部に散房状に5、6個の黄色い径5 -8 cmの頭花をつける。舌状花は10個ほど。トウゲブキ(エゾタカラコウ)にはある総苞の基部と花柄の基部の苞はない。冠毛は赤褐色になる。

分布と生育環境
本州、四国に分布し、山地や深山のやや湿った草地、林縁に自生する。本州中部地方から東北地方の山中に多く、四国にはまれにみられる。アジアでは中国大陸に広く分布する。


川辺で三角の茎と花が目立つカンガレイ (「雑草」シリーズ12)

2019年09月26日 08時04分55秒 | 

カンガレイ とは奇妙な名前だが、牧野博士によると寒くなっても茎が立っている蘭「寒枯れ藺」だという。いずれにしても、三角の茎とそれに奇妙な形でついている花らしきものが目立つ。川辺で群生している様子はなかなか見ものである。

(2019-09 山梨県 富士見町) 

 

カンガレイ Schoenoplectiella triangulatus Roxb. は、カヤツリグサ科ホタルイ属の植物。水辺に生育し、茎が三角の断面を持つ、イグサに似た姿の植物である。近縁種や類似種がいくつかある。

特徴
葉が発達せず、見かけ上は茎のみからなる植物である。名前の由来について、牧野はおそらく「寒枯れ藺」で、冬に地上部が枯れても、その茎が立っている様子に基づくと推定している。

地下茎はごく短く、多数の茎が束生する。花茎の基部には少数の葉があるが、いずれも鞘の形になり、葉身はない。

花茎はほぼ直立し、全体に緑色でつやがある。茎の断面はきれいな三角形。高さは70-100cm、先端に向けて少しだけ細まる。茎の先端に花序が出るが、その基部から出る単一の苞葉が茎の延長のようになっているので、外見的には先の尖った茎の、先端からすこし下から側面に出るように見える。このようなあり方はイグサやホタルイと似ている。ただしカンガレイでは苞葉の部分が花序と反対側に少しだけ曲がるのが普通。

花序は多数の小穂が4個から多い場合は20個ほど、頭状に集まったもので、小穂には柄がない。小穂は長さ1-2cmの長楕円形で先端は多少尖り、淡緑色から褐色を帯びる。多数の鱗片が螺旋状にならび、その内側に小花を収める。

果実は長さ2-2.5mm黒く熟する。鱗片の内側には細長くて細かい逆棘の生えた針状付属物がある。これは花被に由来するもので、この種ではその長さが果実を少し超える。

生育環境
湿地や池沼の周辺に生育し、特に根元が水に浸ったようなところに生えることが多い。束になって生えるその姿はイグサに似ないでもないが、本数がはるかに少ないので、印象はかなり異なる。

人里から山間部まで、様々な水辺に見かけるが、水田のように人為的攪乱の激しいところにはあまり見られない。

分布
日本では北海道から琉球列島まで広く分布する。国外では朝鮮・中国からインド・インドネシアに知られる。

利用
特に有用な面はない。時に水草としてビオトープ施設などに用いられる程度。

類似の植物
同属であるサンカクイは、同じように三角の茎、茎の延長になっている苞と楕円形で多数の鱗片の重なった小穂を生じる点など、似た点が多い。茎一本だけ持ってくれば、ちょっと迷うところであろう。見かけ上の大きな違いは、サンカクイが長く匍匐茎を伸ばして、広がった群落を形成するのに対して、カンガレイは匍匐茎を出さず、まとまった株を作る点である。また、小穂に柄がなく、頭状に集まるカンガレイに対して、サンカクイでは無柄の小穂もあるが有柄のものが混じり、ややまばらな花序をなす点も大きな特徴である。分類学的には、カンガレイの場合は柱頭が三個あり、果実の断面が三角形であるのに対して、サンカクイは柱頭が二個、果実は扁平であり、やや異なった系統と考えられる。