野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

樹林の中で黄色の花が目立つダイコンソウ

2019年09月17日 09時45分36秒 | 

春に草原でたくさん咲いているキツネノボタンに似た花を咲かせるダイコンソウ。キツネノボタンは緑色の金平糖に似た果実をつけるが、ダイコンソウは球形の果実をつける。葉の尽き方からダイコンソウと呼ばれるらしいが、イメージはまったく合わない。樹林の中で固まって咲いている様子は、黄色いお菓子がばらまかれているようだった。湿った樹林の中なので、立木に苔がつき、その対比が目を引いた。

 (2019-08 山梨県 富士山麓 )

ダイコンソウ(大根草、学名:Geum japonicum)はバラ科ダイコンソウ属 の多年草]。

特徴
植物体全体に粗い毛が散生する。茎は直立し、高さは25-60cmになり、上部はまばらに分枝し、分枝は長い。根出葉は羽状複葉で長さは10-20cmになり、頂小葉は特に大きく、長さ3-6cmになる円形から広卵形で、多くは3裂し、縁には低い鋸歯があり、側小葉は小さく、1-2対あり、小さな付属小葉片がまじる。茎につく葉は、下部のものは3深裂し、上部につくものには切れ込みがない。基部に小さな托葉があり、縁に粗い歯牙がある。

花期は7-8月。まばらに分枝した茎先に径約15mmになる黄色の花をつける。小花柄に短い毛が密生する。花弁は5個で平開し、萼裂片は5個で花時に下向きに反り返り、副萼片5個は萼片と互生する。雄蕊と雌蕊は多数ある。集合果は径15mmになる球形で、痩果は紡錘形となり、先がS字状に曲がる。

分布と生育環境
日本では、北海道南部、本州、四国、九州に分布し、丘陵地、山地の林下、谷川のへりなどに生育する。世界では、中国大陸中部にかけて分布する。

和名の由来
和名ダイコンソウ は、大根草の意で、根出葉の小葉が大小交互してつくようすが、アブラナ科のダイコン(大根)の葉に似ていることからつけられた。


石器時代から日本に自生していたキンエノコロ(「雑草」シリーズ03)

2019年09月17日 07時32分11秒 | 

夕日を浴びて金色に輝くキンエノコロ。日本には石器時代から自生するというから、最古の自生種かもしれない。金色の穂を眺めながら、遠い昔の日本の野原の風景を想像してみた。

(2019-09 長野県 富士見市)

 

キンエノコロは、イネ科エノコログサ属の一種で、一年生植物の雑草である。穂の形がエノコログサとよく似ているが、穂にびっしり生える毛が、黄緑色のエノコログサと異なり、黄色である。その黄色が光を受けるさまを金色と見たのが名の由来である。

分布
ヨーロッパ原産だが、北半球の温帯から熱帯にかけて広く分布する。日本でも北海道から九州まで、道ばた、休閑地、あるいは耕地に雑草としてよく見られる。

日本では同属のアキノエノコロとともに最終氷期から自生しており、縄文時代中期以降に入ってきたエノコログサより古株である。


利用
インド南部では、脱粒性をなくした型のキンエノコロが栽培されている。

他地域では雑草である。ニュージーランドでは牧草地の20から40%がこの草で覆われ、乳生産の損失をきたしているという。

エノコログサ属には人のコレステロールを下げる効果を持つステロール類を含有する種がある。上越教育大学の研究グループが測定したところ、キンエノコロにも100g中89.1mgのステロール類が含まれていた。