FLAT-SK フラット商会

バイク屋おやじの日々
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BMW R80+ワトソニアンGPスポーツ(フラット仕様)-3.エンジン他

2008-11-19 | 中古車製作(R80+GP)
エンジンやミッションなど、今回のR80では、100/7と同等の整備と
レストアで仕上げている。
エンジンでは、パワー不足を改善するため、ハイカムを組み込み、↓





ついでにタイミングチェーンも交換した。↓



これ以外にも、フライホイルの軽量化、↓





キャブの変更、↓



INバルブのBig 化、無鉛対策を施し、

さらに、ポート研磨などの改良を加えた。↓



ミッションのオーバーホールに加え、↓



デフ最終減速比の交換。↓






11月8、9日の二日間で、サイドカー・ミーティングへの参加を兼ね、
走行テストを実施。
往復600キロ、道中、峠越えが大小合せ数カ所、
高速も100キロ程走ったが、トラブルもなく順調に走ってくれた。

一般国道では、セッティング変更と強化により、
車体とカーが、一体化した走りとなり、
カーの重量をまったく感じさせない。

コーナリングでは、低重心強化サス、アールズフォークの効果により、
ハンドルの取り回しは軽く、腕が疲れない。

少々のコーナーでも、アクセルを開けるだけで回ってくれるのが、
何とも楽しい!

高速走行では、ストレスをまったく感じる事なく、グイグイ加速し、
一緒に走っていたR100、K100のカーにもひけを取ることなく、
快調に走ってくれた。

自分も長いこと100ばかりに乗ってきたので、その良さは理解していたが、
今回、改良整備したR80に乗ってみると、100のように力任せに走っていく走りではなく、
90Sに似た、スムーズでなめらかなエンジンの回転が、何とも言えない気持ちよさで、
乗り心地としては、格段にいい。
これだけ手を入れると、R80でも快適な走りになることが分かったことは、
自分としても収穫であり、大満足だ。

乗ってよし、眺めてよし、触ってよしの3拍子に加え、
利便性よし、メンテナス性よしで、
100/7同様に5拍子そろった、この車両は、
クラシックファンを必ず満足させる一台だと思う。


100CS改のオーナーであるYくんにも、この車両に乗ってもらったところ、
「別冊モーターサイクリスト9月号」掲載中山サーキット参加
「僕の車両の弟分ですね」とのコメントをくれた。

試乗も行ってますので、ぜひこの乗り心地を体感してください。

BMW R80+ワトソニアンGPスポーツ(フラット仕様)-2.本車車体

2008-11-17 | 中古車製作(R80+GP)
BMW R80の本車車体の内容としては、まず自社特製アールズフォークへの変更。
同時に、Fフェンダーは、アールズフォーク専用で、
これもまた自社製作のフェンダーを取り付けた。





ペイントは、自分の好みで、90S仕様に仕上げた。



次に、今回100/7同様、目玉パーツの一つが、Rフェンダーである。
写真で見てお分かりのように、ロングフェンダーで、泥よけがあり、
センターにはワンポイントで、BMWのマークを付け、
見た目のグレードアップもはかっている。





機能面では、タイヤ交換を容易にするため、泥よけ部分が取り外しできるよう、
着脱式になっていて、タイヤ交換が楽になった。






<Rフェンダーについては、クラシカルタイプと、スポーツタイプの二種類を
 近日中に発売予定です!>



また、カー側のフレームと本車のスイングアーム間に、
トルクロッドを取り付けた。
このトルクロッドは、スイングアームの左右のよれを取ると同時に、
フレームへの負担を軽減する効果がある。
それに加え、本車のパワーをカー側フレームへ伝える役目も果たす。


BMW R80+ワトソニアンGPスポーツ(フラット仕様)-1

2008-11-16 | 中古車製作(R80+GP)


今回先に完成した車両、BMW R80+ワトソニアンGPスポーツ(フラット仕様)は、
R80を90Sカラーに仕上げ、100/7にも負けない仕様と仕上がりで製作した。

まずカー側からのセッティングの取り付けは、
従来、抱き合せなので、すべてを直付けに変更し、フレームのよれをなくした。



ついでに、スイングアームとカー側フレームに、トルクロッドを取り付けた。



そして今回は、何と言ってもカーのボートに注目していただきたい。
『こんなの出来たらいいなぁ』とういうのを実現しました!
GPファンにとっては、朗報になると思います。
スクリーンの開閉トランクの開閉により、GPスポーツの利便性が向上し、
ツーリングに出かけるのが、さらに楽しくなるはずです。









スクリーンの開閉加工については、スクリーンを開けて見てもらえれば
すぐ分かると思うが、加工したとは気づかないほど、
自然に仕上がっていると思う。



雨の侵入を防ぐため、水切りもしっかり作ってある。↓



スクリーンのふた内側も、強度と見た目にこだわり、二重構造になっている。
ただ切り取り、開け閉め出来ればいいという加工ではないことが、
分かっていただけると思う。



トランクのふたの加工も、一見すると、型から抜いたように見える仕上げにした。



ヒンジの部分と水切には、特にこだわって作り、
さらに、すべてが自然に見えるように仕上げた。





(GPスポーツの加工の受付は、しばらくしたらお知らせさせていただきます。)

サイドカー・ミーティング

2008-11-15 | ツーリング
11月8、9日と、『JSC西日本 秋のサイドカー・ミーティング』に参加した。
今回、自分が乗っていったのは、
BMW R80+ワトソニアンGPスポーツ(フラット仕様)
実はこれは、R100/7+ワトソニアンモナコと同時並行して
製作していた中古車です。

R100/7+ワトソニアンモナコについては、
このブログでも製作過程を載せていたのだが、
改造申請等の登録が、どうしてもミーティングまでに間に合いそうにないため、
すでに改造登録済みだったR80+ワトソニアンGPスポーツ(フラット仕様)の方を、
急遽、先に仕上げることにして、試乗とテスト走行をかね、
ミーティングに出かけた。

こちらが先に完成してしまったので、明日より中古車販売の方にも掲載し、
レストア内容と、走行テストの感想なども交えて、このブログで紹介していきます。

乞うご期待!


夢の<赤鼻> ~ 塗装 5 ~

2008-11-12 | レストア(赤鼻)
色を吹いたばかりのラインには、角があり、見た目も悪く、美しくない。
なので、さらにラインを美しく仕上げるために、
ラインの角をペーパーで削り落とす作業をする。
それによってラインに丸みをもたせ、同時に、ラインの柔らかさを引き出すことができる。

ペイントには、自分がビーマーとしての、そしてレストアを長年やってきた立場から、
どうしてもゆずれないこだわりがある。
BMWのラインは、本来手書きで描かれていることは、
ビーマーの方なら、皆さんご存知と思うが、
唯一、赤鼻だけは、ラインテープで吹かれている。
しかしオリジナルがどうだろうと、どの車種に対しても、
自分なりのラインに対するこだわりで、ラインを仕上げることにしている。

この作業は、細心の注意をしながら、ゆっくり進めていく。
サンドペーパーでこすっては、指でなぞってその感触を確かめる。
ほんのわずかでも削りすぎたら、一番最初の行程からのやり直しとなるので、
全神経を集中させて、作業を進める。↓



サンドペーパーをかけた後、超微粒子のペーパーで、
さらに磨きをかける。↓



最終的に、バフがけをして仕上げる。↓



そして完成。
これで、塗装は終了となる。↓


夢の<赤鼻> ~ 塗装 4 ~

2008-11-11 | レストア(赤鼻)
さて、ここからが塗装の中でも、最も大変な作業工程だ。
2本目のラインを吹くためには、赤ラインが完全に乾くのを待たないといけない。
あわてて失敗したら、また最初の行程からやり直しになるので、
自分は、一日、間を空けるようにしている。



前日吹いた赤ラインの上に、マスキングテープを貼る。
ここは、細心の注意を払うところだ。
失敗したら、ラインの合せが台無しになり、またやり直しになってしまう!



こうして最低3日かけて、何とか3色吹きあげる。
ライン吹きの作業は、何度やっても大変で、本当にヘトヘトになるが、
実はこれで終わりではない。





夢の<赤鼻> ~ 塗装 3 ~

2008-11-10 | レストア(赤鼻)
ライン引きが終わったところで、3本ラインの色合せに取りかかる。
この3色のうち、2色は簡単に合せられたが、赤色が難しく、
イメージの赤がなかなか出せず、苦戦。
色見本を何度となく作り、カラーチャートに吹く。↓





イメージの色が出来上がったら、次にダミーカウルに実際に吹いてみる。↓



カラーチャートとカウルでは、色の出方が違うので、
再度色合せを微調整し、まず、赤色から吹きにかかる。


夢の<赤鼻>~ 塗装 2 ~

2008-11-07 | レストア(赤鼻)
次はカウルに移り、これまでと同様にラインを引いていく。



まず、基本ベースになるラインを引き、↑
それに沿って、本ラインを入れていく。↓



最終的に、仕上がったライン。↓



これですべてのライン引きが終わったので、
塗装するラインを残して、その他をすべてを隠す。





この後、いよいよ塗装へ。
ライン引きも大変だが、塗装はさらに神経をつかう作業となる。

夢の<赤鼻> ~ 塗装 1 ~

2008-11-06 | レストア(赤鼻)
塗装は、まずカウルその他のパーツを白に仕上げてから、ラインを引く作業へ移る。



このライン作業は、ペイントの中でも一番手がかかって大変な作業だが、
いい加減なラインを引いてしまうと、車両全体の出来上がりが台無しになる。
BMWにとってのラインは、仕上がりを決める上でとても重要な要素なので、
自分なりにこだわっている部分だし、一番神経もつかっている。

ラインは、まずFフェンダーから取りかかる。
きれいなラインを引くためには、正確なラインテープを貼ることが要求される。
これも、ちょっとした熟練作業だ。





タンクとシートのラインを引く前に、車両に取り付け、
実際にシートが閉まった状態で、
タンクとシートのラインがそろうよう目印をつけてから、テープを引く。



目印のテープを元に、タンクにラインを引いていく。
<赤鼻>は3本ラインなので、ライン幅をそろえて3本引くのは、大変な作業だ。
たとえば3ミリ幅で引くとしたら、特別なものさしなどないので、
すべては、長年の経験と勘だけを頼りに引いていく。

さらに、左右のタンクラインをそろえるには、
あらゆる感覚を総動員させて取り組むので、
神経もすり減っていくような気がする。
しかし、完成した時の美しい姿を想像しながら、息を詰めてラインを引いていく。






夢の<赤鼻> ~ フレーム ~

2008-11-04 | レストア(赤鼻)
フレームのブラストをする。↓



次に、錆止め処理を施す。↓
この年式のBMWは、鉄地肌に直接錆止めの黒が着色してあるだけなので、
すべての車両が、このように年数と共に錆びているはずだ。
レストアするにあたり、同じことをしたのでは、すぐ錆びるので、
必ず、錆止めと塗装の仕上げをよくするため、サフェーサーを吹く。
これにより、この後、錆びることはない。



そして、フレームの仕上げのペイント。↓
サフを吹いたことにより、ペイントの仕上がりは、
ボディーと同等の仕上がりとツヤになる。





これでフレームは、完成。↑
次は、カウルその他の塗装に移る。

夢の<赤鼻> ~ 分解-ブラスト~

2008-11-03 | レストア(赤鼻)
あれこれ忙しく、久しぶりの更新になりました。
一人ですべてをこなしているので、許してごしない。

さて<赤鼻>のレストアだが、まずは分解から。
エンジンもフレームも分解する。





次は、エンジンのブラスト。
これは、ブラスト前。↓



ブラスト後。↓
ブラストは、二度に分けて行う。
一度目は、アルミナを使って汚れを取り、
二度目に、ツヤ出しのためガラスビーズをかけて仕上げる。
この後、アルミは酸化して錆びるので、必ず防錆処理を行っている。