レンキン

外国の写真と
それとは関係ないぼそぼそ

好きなことをしよう 1

2005年11月25日 | 昔の話
 以前勤めていた会社を辞めたとき、
好きなことを思い切りしようと思って最初にしたのが
蟻の観察だった。
通勤の道すがら、芋虫やらばったやらの
大物を引き摺っていく蟻を見て
あれをどうやって巣に入れるんだろうと思ってはいたけど
私は時間厳守の社会人であり、
年休の申請は一ヶ月前に行わなければならない
社会人であったため、その蟻を追っていく訳にはいかなかった。
休日はといえば必死になって 休む事を考えていたので
蟻のことを考える心のゆとりが無かった。
会社を辞め、惰性で回りつづけていた時間が止まった時
ああそうだ、あれを見たかったと思い
ある一日を蟻に費やす事にした。



 ファーブル昆虫記とか読めば、「蟻はどうやって大物を
巣に運び込むのか」なんて書いてあるかもしれないけど
残念ながらファーブル昆虫記はごくごくさわりの部分しか
読んでいない。ふんころがしと蝉とジガバチと、あといくつか
ともかく蟻に関係ない章だ。
ふんころがしと蝉とジガバチと、その他いくつかの昆虫に関する
偏った知識を引っさげ、夏の終わりに蟻を観察する。


 まずは蟻の巣に提供する大物探しだが、これは楽だった。
夏の終わりといえば地面に多量に転がっている
大物がいる。蝉だ。
まだ空を掻いているのを蟻の領分に投げ込むのは
蝉の立場からして大変嫌だと思われるので
手(或いは足)をきちんと折りたたみ
仏教徒らしくナムーとなっている蝉を選んで
蟻の巣の近くに置いてみる。斥候が早速寄ってくる。

この後私は再び大物を求めて近くの森へ行く羽目になった。
さて、何故でしょう。


(続)


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