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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その18)

2009-12-28 18:12:23 | 八ッ場ダム騒動
いつまで続くんだと自分自身に問い詰めたくなる、上毛新聞で 2009年9月23日から22回に渡って掲載された『八ッ場の57年』という連載記事への突っ込み、という謎更新。
今回は、建設予定地の住民達に支払う用地買収価格などの補償基準決定後の用地買収などの交渉にまつわる話(2004年11月26日~2005年9月7日)。
・代替地の分譲基準案:提示5回 苦渋の妥結(2009年10月12日 raijin.com)

つーことで、2009年10月12日分上毛新聞『八ッ場の57年 苦悩の軌跡 18』を全文引用してみた。
ただし、一部表記を変更+強調を入れておく。

---- 以下引用 ----
代替地の分譲基準案
提示5回 苦渋の妥結

2009年10月12日 上毛新聞


八ッ場ダム建設で、国土交通省はダム下の吾妻町(現東吾妻町)3地区と用地買収などの補償交渉を進め、2004年11月26日に岩島地区連合補償交渉委員会(田村 梅雄委員長)と合意、調印式を行った。

同省はこれと平行して、長野原町水没5地区の住民と代替地分譲基準の交渉にも取り組んだ。
現地での生活再建を進めるため、代替地整備を急ぐよう求める住民の声が高まり、5地区の代表者らは2003年9月、同省に「送球に代替地の分譲基準の提示を求める」との要望書を提出していた。

5地区は同年11月、「代替地分譲基準連合交渉委員会」(萩原 昭朗委員長)を設立。
交渉窓口が一本化されたのを受け、同省は12月15日代替地の分譲基準案を示した。
代替地の分譲価格と、1世帯に分譲する土地面積の上限、分譲対象者が盛り込まれていた。

5地区はこの案について話し合い、集約した意見を元に連合交渉委が協議。
川原湯、川原畑地区を中心に「この分譲価格では生活再建が厳しい」との意見が強かったため、2004年3月に分譲価格引き下げを求める要望書を同省に提出した。

この後、同省と連合交渉委の交渉は続き、12月に同省が3度目の分譲価格を提示。
林、横壁、長野原の3地区は「合意もやむを得ない」としたが、川原湯、川原畑両地区は「要望と2~3万円の開きがある」として価格引下げを主張、連合交渉委は 2005年1月、同省に引き下げを要請した。

4度目の提示は2月末に行われた。
同省は「これ以上の引き下げは出来ない」との姿勢を示し、萩原委員長は「交渉の継続は限界。これを最後にしたい」と各地区に収束を求めた。

川原湯地区は3月、提示案に合意する方針を決定。
一方、川原湯地区は受け入れられないと結論付けた。
提示によると、宅地用の分譲地は一般、駅前、温泉街に別れており、温泉街の価格は一般の3割増し。
「この価格では転出者が増える。再建の見通しは立たない」。
温泉地・川原湯地区には不満がくすぶった。

連合交渉委員は川原湯地区の意見を尊重し、再度の価格引下げを求めた。
これに対し、同省は4月13日、5度目の提示を行った。
分譲価格は前回と変わらず「ゼロ回答」となった。

川原湯地区は同24日と30日にダム対策委員会(豊田 治明委員長)を開いて協議。
出席者の意見が割れたまま、結論に入らず、最後は多数決で受け入れを決めた。
翌日の上も負う新聞は、「納得できる価格ではないが交渉も長期化したので、多数決の結果を受け、やむを得ず受け入れることにした」とする豊田委員長の談話を紹介し、<ダム問題に疲弊する水没住民には、妥結という選択肢しか残されていなかった>と指摘している。

連合交渉委と国交省は9月7日、代替地の分譲基準案に正式に合意し、協定書に調印した。
長野原町議の豊田銀五郎さん(71)=同町横壁=は「多くの人の犠牲や歴史の積み重ねがあってようやくここまできた」と感慨深そうに語った。


湯かけ祭り

長野原町の川原湯温泉で毎年1月20日早朝に行われる祭りで、400年前から伝わる。
温泉が枯れた際、ニワトリを捧げて祈願したところ、再び湯が湧き出し、村人がその湯を掛け合って喜んだのが始まりとされている。
八ッ場ダム建設で温泉街は代替地に移るが、伝統の祭りを継続する街づくりが検討されている。

---- 引用以上 ----

今回ネタにされた分譲基準案調印の後、国土交通省関東地方整備局は『八ッ場ダム・地域づくりアイデアコンペ』という企画を出していた。
・八ッ場ダム・地域づくりアイデアコンペを開始(2009年10月26日 国土交通省関東地方整備局;.pdfファイル)

以下、2005年10月26日分国土交通省(略)『八ッ場ダム~』P.2から、このコンペの煽り文句(?)となってる部分を引用する。

---- 以下引用 ----
(中略)
「関東の耶馬渓」として知られる吾妻峡の上流で建設中の八ッ場ダム。
軽井沢、草津などの観光地に囲まれ、温泉にも恵まれた場所にあります。

この八ッ場ダムが、今年9月7日から新しいステージ(だんかい)に突入。

地元代替地へ移転する方への土地分譲の基準が調印されたのです。

これまで、ダムに伴う移転問題で住民の皆さんは大変なご苦労をされました。
これからは、新たな地域づくりへ挑戦することが地域の第一のテーマです。


そこで、皆さんへのお願いです。
ダム湖畔の地域再生に、魂を込めるためのお知恵をお貸し頂きたいのです。
以下の要領で、ふるってご応募頂きますようお願い致します。
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・八ッ場ダム建設予定地の住民に散々苦労をかけた当事者の割に他人事みたいな書き方だな(毒)。
さながら、強盗が被害者の補償を他力本願で行うことを求めてるようなもんだ。
国土交通省の担当者は恥ずかしくなかったのか?

さらに俺が驚いたのは、このコンペ案の送付先。
以下、2005年10月26日分国土交通省(略)『八ッ場ダム~』P.3から、その部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
2.送付先
〒371-8666 群馬県前橋市古市町1-50-21
上毛新聞社内八ッ場ダム未来遺産づくり事務局
電子メールアドレス:yanba@ktr.mlit.go.jp
TEL 027-254-9911
(以下略)
---- 引用以上 ----

上毛新聞と国土交通省(略)のどっちなんだよ(苦笑)。


なお、このコンペの審査結果は以下を参照。
・八ッ場ダム・地域づくりアイデアコンペ(八ッ場ダム未来遺産づくり)審 査 結 果 発 表(更新日不明 国土交通省(略);.pdfファイル)

そして、このコンペの最優秀賞は色んな意味でかっ飛んでいた。
・住む人・訪れる人・子孫もほほえむ「八ッ場の未来」をつくる:群馬県 小林富夫さん(更新日不明 国土交通省(略);.pdfファイル)

「ダム湖内に水中水族館(海水魚がいる)」って・・・。
無茶苦茶だ(苦笑)。

ちなみに、『小林富夫 群馬』をキーワードにして(Web 上で)検索をかけると、意味深な検索結果が・・・。


おまけ:
第1回目~第17回目については以下を参照(手抜き)。
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その17)(2009年12月27日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その16)(2009年12月26日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その15)(2009年12月24日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その14)(2009年12月19日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その13)(2009年12月17日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その12)(2009年12月12日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その11)(2009年12月7日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その10)(2009年11月29日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その9)(2009年11月27日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その8)(2009年11月25日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その7)(2009年11月20日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その6)(2009年11月18日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その5)(2009年11月15日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その4)(2009年11月11日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その3)(2009年11月10日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その2)(2009年11月7日 flagburner's blog(仮))
・上毛新聞の八ッ場ダムに関する連載記事に思ったこと(その1)(2009年11月5日 flagburner's blog(仮))


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