遥か彼方へ

行きかう年は旅人なり
いずれの年よりか、片雲の風に誘われ漂泊の思いやまず
我、前だけを見据え最期まで走らむ

花と雪渓と山稜の 巻機山登山

2022年06月21日 | 山旅

6月18日(土)

巻機山(まきはたやま)の周りは、ゆったりした山稜が伸びる。どこが山頂か分からないほどだった。

 

~ 

 

3時半に起床。気合が入っている。

▲ 空は薄っすら雲がかかっているが。予報は終日晴れ/曇り。雷雨予報はない。よしっ!!

準備していたら、鼻水がスーッと落ちる。拭いてもすぐにまた。あちゃ初の花粉症かい。無理もないこんなところで二晩も寝たのだから (笑)。

5時11分に桜坂駐車場を出発。こんなに早く出るのは・・利尻富士に登った日以来だろう。

 

▲ 奥の駐車場の左端が登山口だ。

ハンカチ、ティッシュは詰め込んだが、歩き始めたら鼻水は止まっていた。

左に立つ山地図看板を見る。

 

▲ 「現在地」からの赤線がボクが登る「井戸尾根コース」だ。

チェックポイントは前巻機(ニセ巻機)、避難小屋御機屋(おはたや)、そして巻機山頂上だ。ボクは更に頂上を過ぎたあとも黄色線の牛ヶ岳まで行くつもりだ。

 

 

ガイドブック(300名山)では、コースタイムが8時間25分、累計標高差が1505mだ。

YAMAPでは上の表示だ。ま、CTは8時間半、累計標高差は1500m という感じで、ボクにはかなりタフな山だ。

 

▲ 広葉樹の樹林帯が6合目あたりまで続く。

 

出た!

▲ 早速にイワカガミ

イワカガミは群生は無かったが、山道沿いにポツポツとこのあとずっと見れた。

 

 

左:ショウジョウバカマ  右:イワナシ

 

▲ 花びらが舌状で大きい。この樹は山道脇に時には被さるように植生。

タムシバでした。

 

▲ 6合目展望台で。 「お立ち台」があるわけではなく見晴らしの良い所。

この雪渓(ヌケビ沢)と、天狗岩、割引岳が下の駐車場から眺めていた部分だな。目的の巻機山・山頂はずっと右端で、下からは視界に入らない。

 

 

▲ ツツジも 何のツツジかはもう問わない(笑)。

 

 

左:イワウチワ・・うちわ団扇のような葉

右:ミツバオウレン・・三つ葉ね

 

▲ 樹林帯を抜けた。

 

 

 

名称はのちほど 青色の花がキレイだった。

左:タテヤマリンドウ

右:不詳

 

▲ 八合目

このあたりから傾斜がようやく緩む。植生保護のための木段が続く。

 

後ろを振り向けば

▲ 見晴らしの良いパノラマが広がる。

関東・甲信だったら、遠くにぽこっと富士山が顔出すシーンだね。

 

 

▲ 最初のピーク、ニセ巻機山(前巻機)に到着。9合目で1861m。

9:26AM。YAMAP計画比38分ビハインド(遅れ)。もう4時間を要している(笑)。

 

偽巻機山から、正面のホンモノの巻機山を探すと・・

▲ 左の⇓か、右の⇓か いまだもって分からない。

 

分からなくとも行ってみれば分かると、左はしからニセ巻をいったん下りていく。

 

▲ 誰もが知っているシャクナゲ

 

 

▲ ニセ巻から木道を下って、避難小屋へ向かう。

 

 

▲ 目の前に避難小屋が出て来た。

 

 

 

▲ 避難小屋を後にして、今度はまた稜線を登っていく。

 

 

▲ ボクの好きなシラネアオイ。有ることは知っていたが、後にも先にも見つけたのはこの一輪のみ。

 

 

▲ 山稜を上がり続けると、池塘が出てきた。

あ、あそこかな。

 

 

▲ あったあー!!

ミズバショウ水芭蕉だ。

夏がくうればーおもいだすうー♬

ここは尾瀬ではないが。今回登る山候補は新潟に複数あったが、巻機山にしたのは水芭蕉。

 

▲ なんとか、間に合ったようだ。

 

 

▲ やっぱり池塘に咲くのが一番ふさわしいね。

夏がくうればー

池のカエルが、コロ、コロと笑う。

 

▲ 更に登る

チェックポイントの御機屋が、何処なのか・・なだらか過ぎて。

 

 

▲ ヤマザクラなのかな

花期の遅いミネザクラでした。

後ろに最初に見えるのがニセ巻機山ピーク。

 

 

▲ 御機屋(おはたや)と思しきところまで登ってきた。

9:33AM CT比50分遅れ

 

 

▲ 「巻機山山頂」の表記のある柱。標高1930mあるが、山頂(1967m)ではない。

巻機山は、機織りの守護神。機織りを生業とするかつての魚沼の人々の支えでした。頂上一帯が御機屋(おはたや)と呼ばれ、美女が機を織っていたという伝説が名前の由来となっているそうです。山麓の南魚沼市大木六には機織りの女神・栲幡千々姫命が巻機権現として祭られています。

と説明する観光案内書もある。深田久弥センパイは「巻機山は、機の神様である巻機さんを祀ってあると聞いたことがあるが、さだかではない。養蚕に関係があるのかもしれない。」と記している。

ま、神さんかどうかは別にして

「巻機山というやさしい名前と共に、この隠れた美しい山を、私は上越国境中の一名山として挙げたい」ということに同意。

この御機屋が最高点でないのだが、ここまで登って下山する方も多いらしい。

 

▲ 巻機山の最高地点は御機屋の右を稜線上に更に進んで見える、あの山なのだ。

さあ、行こう。

 

10分ほどで着くのだが

▲ ケルンがおいてあるこの地点が本峰。1967mで最高点。CT比1時間遅れ。

写真の向こうから上がってきたのだが、なんの表示も立ってない寂しい箇所だ。

で、ここから更に前方に見えるのが

 

▲ あの、牛ヶ岳。標高差はない。

CT比1時間遅れだが、あそこまで行くべきか、もうやめておくべきか。

ちと悩んだが、こういう、たおやかな稜線なら歩きたくなるんだよなあ。

ということで、最初の⇓のピークまで歩いて、更に山稜の左端の⇓まで歩くことに。

 

▲ 牛ヶ岳 1962m

10:03AM 計画はここまで。この時点で1時間遅れ。

出発から5時間過ぎたが、まだ10時だ。余裕、余裕。

 

景観を求めて、この牛ヶ岳の山稜の端まで歩いてみよう。

▲ 稜線の端では、二組の方が昼食中をとってられた。

 

ここからはパノラマの景観だ。左から

▲ 歩いてきた稜線

一番右端が割引岳であることは確かだが、そこから左へ移ってどこが、御機屋で次にどこが本峰なのか、標高差が目立たなくて分からない(涙)。(あの山名同定アプリなんぞ役に立たない)

ま、とにかく、たおやかな巻機山だ。

そして更に右方向は

▲ もう一組のオジサンが昼食中だが、下界が見える。塩沢の町だろう。

ずっと向こうは、視界が良ければ、日本海が広がっているはず。

 

▲ 更に右は、尾瀬の方になるのだろうか。

 

詮索は止めにして、

▲ ボクもランチだ。

コンビニおにぎり三個。やっと海苔で包むことができるようになった。

 

この牛ヶ岳端スポットには,40分ほどいて出発。戻ろう。

▲ 牛ヶ岳から本峰へ戻る稜線というより、幅広い山稜歩きで。

 

 

▲ 先ほどの親子が先に下りていく。

 

 

▲ この山稜をずっと、たおやかに上まで登っていく・・はずだった

 

 

▲ こんなきれいな花も観ながら

(ハクサンコザクラでした)

が、上り続けていたら

「あ、あっつ」と思ったら、右脚大腿部内側の筋が攣(つ)った。これは予想していたので、内ポケットにはツムラの漢方薬を昼食後入れておいた。立ちながら漢方薬粉を口内で溶かし込んだ。1・2分で攣りは無くなり、また歩行を続行した。ま、6時間も歩いているからなあ。でも何とかならないかな。生じるのはハードな歩きをしたときで食事後30分以内に起きる。筋肉への血流が減るからだと思っている。

 

▲ 御機屋へ戻った。

ここからは、基本下りだ。

 

▲ 右手下の避難小屋、左手上のニセ巻機山を眺めながら下降。

 

 

▲ 手前の雪渓のアップ。雪庇みたいになっている。

 

そして、水芭蕉の池塘へ再度来た。

 

 

 

▲ バイバイね。

 

 

▲ ニセ巻機山ピークへ向かう道

実はこの坂道で攣るリスクが高いと思っていたのだが、早めに生じた(笑)。

で、この坂道を登り返した時は、問題なし。

 

▲ 8合目付近での下方の景色を再度眺める。

下山中はただひたすら、こけないように注意深く下りて行った。

土曜日なので、20~30代の若い人に何人も追い抜かれて、それでもジジはめげずにひょっこりひょっこり下り続けた(笑)。

 

 

▲ 駐車場に無事戻った。下の駐車場は満車になったのだろう。この上のPにも他に2台停めていた。

YAMAPを停止。16:39PM。

 

 

▲ 11時間28分の山行だとよ。

コースタイム8時間36分比・・3時間弱の遅れ。もっともCTは休憩時間は全く入れてないからな。大雑把には登りで1時間、下りで1時間遅れて(撮影時間など)、ランチ休憩で40分食ったのがCTオーバーの内実だろう。

 

▲ なだらかな山稜での歩み、休憩が表れている。

 

お疲れさんでした。

5時前には戻ってこれたが、日が長くて良かった。日が短いとどうしても焦るからな。焦ると事故りやすいからな。

下山後は、越後湯沢の「駒子の湯」で入浴。そのあと湯沢ICから雪国のトンネルを通って、赤城高原SAへ。夕食後はバタンキュー。翌日SAで【速報】をアップ後一路帰宅。午後2時過ぎに無事戻った。