実はあまり好きなタイプの小説ではありません。
推理小説というのはページを進むにつれ、ジワジワと物語が収束していく感じがないと物足りなく感じます。
インターネット上で知り合った5人。
順番に現実の世界で殺人を行い、その方法や、そこに隠れるミッシングリンクを残りのメンバーで解き合うという『リアル探偵ゴッコ』的なストーリー。
とにかくネタありきなので、何でもありです。
動機なんて関係ありません。
一 . . . 本文を読む
敢えて同じパターン、同じ表現、同じ構成でつづられる安楽椅子探偵もの短編集。
小振りで奇知に富んだ作品がズラリ。
『このミステリーが面白い2007』では「Why done it?」の妙が楽しめるとありましたが、そこにはあまり拘らずに読んだ方が楽しめると思います。
冒頭に書いたように、ネタは違えど基本的には同じシャリなので一気に読もうとすると飽きてしまいそう。
1日1話程度が適当でしょう。
なお、 . . . 本文を読む
一般的なボリュームの小説なら読むのに3時間もあれば充分でしょう。
ちょっと長編になっても4時間程度。
しかし、だからといって10時間で3冊読めるかというのはまた別問題。
やはり、一気に小説を読むというのは、疲れるもの。
おいしいお菓子を一口で食べてしまったようなもったいなさもあります。
特に本書のようにきれいなトリックで構成されているものは尚更。
何となく推理小説の構成って大学入試くらいの数学の問 . . . 本文を読む
※ほんのちょっとネタバレあり。
昔、『扉は閉ざされたまま』という小説を読んだなあ。全然、本作とは関係ありませんが。
さて、本作。
積読本3冊目。
『99%の誘拐』もそうですが、この人の文章は巧みです。
トリック的には非常にシンプル。その語り口にワナがあるんですね。
本書も
「男女4人が密閉空間に閉じ込められ、極限状態になっていく」
という、ある意味究極のクローズドサークルで気持ちの探り合い . . . 本文を読む
メフィスト賞ってどんな基準で選ばれるんでしょう?
斬新さ?
奇抜さ?
意外性?
同賞に抱く僕のイメージは、ちょっとダークで奇抜な作品といった感じ。
それが何だか、=残虐性が高いとなってきているように思います。
本作品。
極めてそんなイメージ。
退廃したダークな救いようのない絶望的situation。
何を書きたかったのか?
何だか結果としてでなく、絶望的と残虐性の合言葉ありきでストーリーが構築さ . . . 本文を読む
どうしようもなく切なく悲しい。
だけれども、なぜかそこに幸せもある。
もしかしたら、本当の幸せとは悲しみの中にあるのではないだろうか。
そんな風にも思えてしまう一冊です。
短編集なので多くの紹介は書きませんがいくつか参考までに。
1.Calling You
ケータイを持っていない私が、いつも空想している私だけのケータイ電話。
それを想像するだけで幸せだった。ところがある日その電話に・・・。
. . . 本文を読む
ジャンル特定の難しい一冊。そして、それが作者の狙いでもあります。
本格推理小説へのアンチテーゼという、どこにでもありそうなキャッチがとてもシックリする。
全体的になんか読んでいてひっかかるものがあり、どことなく嫌味な感じもするのですが、この1冊だけなら問題なく読めます。
たまにはこんな一冊もいいかな?
多分作者の意図もあるので、敢えて内容には触れませんが、ひとつだけ。
ジョン・ケージの"4分33 . . . 本文を読む
書店でたまたま見つけた一冊ですが、面白かったです。
無駄を排除した理詰めの真っ向勝負の一冊。
しかし、理詰めというのは物語の中では
「結果から辿って推測して事実に行き当たる」
訳ですが、本当は作者が意図的にその推理や台詞を言わせるために作り上げられたモノ。そう考えてしまうとちょっと複雑な気持ちでもありますが、本作品は単純な頭脳戦にちょっとスパイスが振りかけられているので、読み終わった後、妙 . . . 本文を読む
デビュー作である『月光ゲーム』を読んだ時にも思ったのですが、この人の作品はとてもシンプルだ。
確かに。事件と言う名の紐は入り組んでいるのだけれど、片方を引っ張るとスルスルとほどけ、力を入れずともキレイになる。
その紐の端を見つけるのは大変なのかもしれないが・・・。
◆KEY WORD>>孤島パズル(著:有栖川有栖)
夏休みを利用して訪れた孤島の別荘。
その島には過去にダイヤが隠され、その場所は . . . 本文を読む
疲れた時は抱腹絶倒。
イライラしたら抱腹絶倒。
残業後には抱腹絶倒。
睡眠前には抱腹絶倒。
とにかく笑いでストレスを発散させるのは良い事だと思います…てほど溜まってませんが。
そんな抱腹絶倒の予感を込めて手に取った待望の伊良部シリーズ続編!
…だったのですが、どちらかと言うと比重が感動系に偏り過ぎたかなあという感想。いつしか、無秩序自分勝手我儘男も癒し系に変わってしまった。
シリーズを重ねる毎に . . . 本文を読む
ペロリと平らげてしまいました。
ミステリーランドで刊行するには少々重い内容かな…とは思いますが
『子供、あるいは昔子供だった大人向け』
というコンセプトにおいてはキレイにまとまっている作品だと思います。
基本的なベースは推理小説ですが、ところどころ幻想小説が隠し味に使われており、程よい雰囲気になっている。
過去に刊行されている綾辻作品と比較すると、ライトな感じがしますが、程よくその色が均一に . . . 本文を読む
会社が移転となりました。
いままでは自宅から乗換えが1度あったのですが、今度は1本で行ける場所に。
しかも、路線はマニアックな(?)大江戸線!。
僕の通勤時間帯では、永遠に座席が埋まることは無いのではないか・・・と思ってしまうくらい空いている。空いているということは、座れてしまうということで、睡眠時間が増えてしまう・・・ってそんなことはなく、嬉しいことに読書の時間が取れるのです!
逆に座る時間が増 . . . 本文を読む
出張帰りあまりにクタクタだったため、スターバックスで一休みと倒れこみ、半分くらい既に読んでいた本書を、気が付いたら読破してました。
なんで喫茶店てこんなに居心地が良いのでしょう。でもさらに疲れたりして…。
さて、これだけ科学が進歩をしても、説明のつかない事というのはあります。
何だか見えない不思議な力に突き動かされている。自分の意思とは無関係に気が付いたら行動をしている。
多くあるとはいえない . . . 本文を読む
05年当初年間小説100冊を何の意味も無く目指しました。
今年の初めはとんでもないペースで小説を読んでいて、移動時間、それも歩いている時まで小説片手に読み耽っていた。
いわば病気状態。
ところがその反動か、半年あまり経つと急にその勢いは沈静化されペースも落ち始め今日のこの一冊『女王様と私』が60冊目となるのです。
ブログをはじめとする『人に紹介する』ということは
『面白かったから』
や
『お薦め . . . 本文を読む
ものごと何でもクライマックスに向けて盛り上がる方が好ましい。
前回の更新でもちょこっと触れましたが、会社で行なったクリスマスパーティーの事務局をやっていました。途中までは近年稀に見る順調さだったのですが、後半がもう時間キツキツ。仕方なく用意していたゲームなどをいくつか削り、尻切れトンボ状態で終了。
『仮装パーティー』という名目だったにも関わらず『仮装大賞』のコーナーを省いてしまう傍若無人振り。
. . . 本文を読む