ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

よりよい未来を次の世代に引き継ぐために

2015-11-24 03:26:25 | 暮らしあれこれ
151120.fri.



日本出版クラブにて
「“世界こどもの日”記念フォーラム・子どもたちの未来のために」トークイベント。

―― 私たちは「安保法制」を認めません。
   私たちは「立憲主義」と「民主主義」を取り戻すまで活動を続けます。――

第1部 スピーチ
高畑勲氏(アニメーション映画監督)
「安保関連法に反対するママの会」
「SEALDs」

第2部 リレートーク(五十音順)
あさのあつこ氏(作家)
 伊勢英子氏(絵本作家)
 那須正幹氏(作家)
 長谷川義史氏(絵本作家)
 村上康成氏(絵本作家)
 柳田邦男氏(評論家)

知り合いの絵本作家さんたちがスピーカーで出られるということで
夕刻、神楽坂まで足を運んだ。
飯田橋の駅ビルはもうクリスマスイルミネーション。

出版関係者だけではなさそうな顔ぶれ。300名弱ほどか。

■高畑さんは1935年生まれ。
近日、藤田嗣治の映画が公開されることに触れて、
「戦争協力者として追われたのは彼だけではない。皆が戦争を煽ったのだ。
まどみちおも戦争詩を書いていた。
生前、それを公表して謝罪したではないか」
だれでも戦争協力者になりうる怖さを、静かに語る。

■安保関連法に反対するママの会代表の方、
「誰の子供も殺させない」。
ご主人の理解が得られていないということで、匿名でのスピーチ。
身に迫った切実な問題として、育児、家事をしながら
母親にできることを続けたい、と訴える。

■シールズの20歳の女子学生。
「本当に止める!」
戦争に進むこの国を、
憲法を変えて独裁をしようとするこの国を、本当に止める。
自分の代で止まらなくても、思いを伝えて生きていきます。
諦めずに伝え続けていきます。
この国が立憲主義を取り戻すまで。
世界中の戦争が本当に止めるまで。
止めるまで言い続けます。

「よりよい未来を次の世代に引き継ぐこと」
そのひとつの願いのために
壇上にあがった彼女たちにエールを贈りたい。


「安保関連法に反対するママの会」代表の方、
「SEALDs」山田さんのスピーチはここから
http://kodomotachinomirai.blogspot.jp/

■那須正幹氏は山口県防府市より。
氏のライフワーク「ずっこけ三人組」シリーズをこのたび終了するとのこと。
主人公たちも50代になり、60代になり、その先の世界が見えない。
この3人こそが平和民主主義の申し子であった。
この国は一体どこへ行こうとしているのか?

■あさのあつこさんは岡山県美作市より。
児童書と一般書を書くことで、
児童書には書き手の責任が問われるということがわかった。
最近9人目の孫が生まれ、94歳の義父が亡くなった。
亡くなる前に聞いた言葉は
「戦争を知らん人間が政治をするのはきょーてい(怖い)」
責任のとれる作品を書くという戦いを、これからも続ける。

■長谷川善史氏は大阪から。
不幸な時代です。
僕は安倍晋三が総理をしている国に、
橋下徹が大阪市長をしている市に住んでいる。最悪だ。
3.11、6.23という日を忘れてはいけない。
そのために絵本の緊急出版もした。
祖父母からそのまた祖父母から延々とつながってきた命を
つないでいかなくてはいけない。

■伊勢英子さんは、時々、浜田山で一人で立っているという。
「安倍政治を許さない」というプラカードを持って。
自分がこうしたい、という意思表示をするにはこれしかない。
公園や林で木の実を拾うのが好き。
それをポケットに入れていつも触っている。
人間が生きる方法は、植物の中にあると思う。
東北震災後、飯館村に出向いて授業をしているが、
子どもの発想力に驚かされる。
最初365人いた子どもは、いま153人。
実際に見て、知ったことを伝えていきたい。

■村上康成さんは還暦になって、最近お孫さんができたという。
(え?あの時のお嬢さんがお母さんに?と密かな驚き(笑))
海と山と川が大好きで、国内外で釣り三昧。
生き物は殺して食べて、殺されて食べられて、その循環で生きている。
人間は殺しておしまい。そんな道理はないでしょう。
自然界から学ぶことは多い。美しい自然に畏怖、畏敬をもっている。
そんな自然を未来に伝えなければいけない。
3か月の孫のきれいな瞳に、世界中の子どもの澄んだ瞳に映る自然を守る。

■柳田邦男さんが伝えたいことは3つ。
1 子どもの理解…ストレスや世代間伝達のトラウマの影響が大きい
2 いのちのとらえ方~人称性
3 安倍首相の政治道徳

人間の命には、一人称、二人称、三人称、無人称がある。
無人称とは人間を人間として見ないこと。
これは戦争の中で普遍化する。ホロコースト、原爆投下など。
人間の本性とは恐ろしい。それが集団虐殺。

「私たちは、アメリカの言う通りに○○します」
ありえない、しかし現実となりそうな条文を9箇条読み上げて、
場内の失笑を誘う。

柳田氏のおすすめ絵本。
『やめて!』(デイヴィット・マクフェイル著・絵/柳田邦男 翻訳))
Noという一言が世界を変える。静かに「暴力反対」を訴える絵本です。