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相棒CBR1000RR (SC59)でのツーリングや色々
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アパレル業界のメーカー側を検討してみる。

2018年10月29日 | 繊維業界の転職
アパレルの商社、メーカーを大まかに書くと、下記のようになる。

総合商社(繊維事業部)
繊維専門商社
OEMメーカー(年商100億以上)
OEMメーカー(年商100億以下)

やはり会社規模としては総合商社が大きい。
繊維、紡績関連から創業して、繊維を専門にしながら多角化した商社、鉄鋼関係などから派生した繊維事業部が続く商社など様々である。
特徴としては多角経営によるグローバル化のメリットやインフラ背景への投資により、スケールメリットを生かした生産が可能である。

普通のOEMメーカーになると、100億以上の規模が有れば、商社から分社したメーカーなどが有る。商社の1事業部のようなもので、大手客先との繋がりが深い。小規模な繊維専門商社も存在する。
ばっくりだけども100億以下だと、会社も小さい。社員数10名前後とか、社長含め5名以下なんてとこもある。
OEMメーカーは繊維商社や総合商社出身の創業者が多い。商社出身者はブランド側に行かない。基本的に4大卒で営業、生産管理畑だからだ。古巣で知り得た仕入先、客先をスライドしてメーカーを作る。

OEMであれば、超少数、それこそ社長1人でも出来る。極端に言えば、原料面の背景を抑えれば、客先の出す仕様書・パターンを仕入先にスルーすればいい。
しかし企画デザイン、さらには生産MDまで外注されるODMをやるためには、生産、ものづくりに詳しい営業や、デザイナーが必要になる。規模に応じて、生産管理を兼ねる社長や、営業のアシスト役として生産管理も募集する。

営業・デザイナー・生産管理、基本はこの3種で客先ODMを行う。パタンナーは社内で客先を横断していると思われる。
対アパレル
営業→生産管理・デザイナー
デザイナー→デザイナー
生産管理→生産管理

対小売
営業→バイヤー・MD
デザイナー→バイヤー
生産管理→品管

右が客先である。大まかに、こんな感じでやり取りをしている。
メーカー仕入の通常のアパレルブランド、生産部隊を持つSPA小売の場合は、生産部隊が相手なので話がしやすい。ロットや物性、企画の実現性について、生産背景への一定の理解があるからだ。
ブランド側から仕様書やパターンまでちゃん出る場合もある。
OEMとODMの区分けが曖昧である。
形はメーカー側の製品見本参考だけど、パターン支給しますね、みたいな。

小売の場合、生産部隊がいないブランドは、バイヤーや企画、ディレクター、プロデューサーみたいな人間とのやり取りになる。完全にODMだ。
ブランド側は、絵型すら作らない。
生産背景への理解は皆無である。ありえないロットや仕様構成、下代希望が飛び出る。
極端なことを言えば、そこら辺の割とセレブな主婦が、街中で適当に入った服屋であれこれと自分の主観のみで要望を出し続けるような感覚である。
または、とあるミュージシャンがライブ会場でこんな服売りてー!てなって、これ作って、みたいな。後でボケボケの参考写真がラインで送られてくる。ライブ2週間後だからよろしく、みたいな。

参考になる製品見本や、メーカーが作った絵型、企画書を元に、口頭で内容が決まる。企画書やサンプルは、バイヤーの手により社内プレゼンにかけられ、それに通った場合は量産発注が出る。

基本的にOEMは少なくなったと感じる。
なぜか。生産部隊、デザイナー、パタンナー、生産管理がいるアパレルブランドであれば、海外メーカーへ直接発注した方が安上がりになるのが1つ。もう1つは、人員削減で人は減って、生産部隊1人当たりの担当数が増えた。全ての型数を毎回仕様書からパターンまでやるのは効率が悪い。手に負えない場合もある。そんな時、アイテム名と素材指定で企画からメーカーに提案させた方が早い。
メーカー生産部隊の求人を見てると、ほぼ9割くらいはODMと書いてある。メーカーは生産能力と同じか、それ以上に企画能力を売りにしている。それが需要なんだろう。だから、メーカーだからといってスーツなんて着てると相手にされない。若い子向けの時も、スーツ着たメーカーとは上手くいった試しがない。前職でも、メーカーは必ず私服だった。原料メーカーも含めて。

ODMの知人から聞いた話では、某量販のバイヤーが普段から海外コレクションを見たり、社内研修があって非常に詳しいと言っていたことがある。デザイン提案するのが大変だったと聞いた。知らないことも話に出る他、コレクションから量販の安価な洋服に結び付けるのが難しいと。。
バイヤーはそんな感じなのかと参考になった。しかし低価格品なのち海外コレクションブランドを参考にするのはよく分からない笑。

今度面接を受ける会社もODMだ。企画能力、生産背景に強みのある中小企業である。客先は小売系ブランドだ。効率化にも力が入っているようで、話を色々聞いてみたい。
ニットやプリント系に強いそうで、これも気になる。ニットは興味が有るが、あまり経験が無い。
ニットというのは生地を裁断して、各パーツをミシン糸で縫製する布帛やカットソーと全然違う。
原料は糸だ。ある程度形になったパーツの編み目を揃えてリンキングミシンで接合、形にする。

布帛、カットソーなら生地を1巻、1反50m前後で用意するが、ニットは糸をkg単位で用意する。
編み目の数-ゲージや編み目のサイズ-度目、仕上げの縮絨、風合いによって使用料がかなり変わる。実績が無いと、見積りが難しい。
糸のロットが複雑で、よく分からない。紡績からカウントしないと概念を理解出来ないらしく、ニットメーカーのサイトなど見て勉強中である。
kg単位で用尺を出す工程は、工場で出すと思われる。
ニットは非常に伸びる。また、成型パーツは基本的に直線で構成される。一般のブランド付きパタンナーはニット特性を完全に含めたパターンを作れない。参考パターン、または細かいサイズ指示で製品サンプルを繰り返し、量産に繋げる。

布帛なら、生地幅とパターンの型入れ-マーキングからパタンナーが1着あたりの用尺を出せる。量産で生地がいくら必要なのかはっきりと出る。
生地生産ロットは大体2000-3000mくらい。
国内生地屋から在庫を買うなら1反30-50mから買える。
パタンナーは縫い代付きのパターンを作れる。工場はパターン通りに裁断して縫製すれば良い。たまに生地の厚みで寸法が足りなくなる場合など、工場のパタンナーが手を加える。

糸も生地もいかにロットを潰すかが、メーカーの腕の見せ所である。2社5型のアイテムで潰したり、在庫して追加発注に備える必要もあるかもしれない。または廃棄した方が、損失が少ない場合もある。そういった完成品、売り物になっていない原料、仕掛品の管理も重要である。
小売は製品枚数のみ、ブランド側は、一歩入り込んである程度の量産ロットまで、やり取りをするが、最後のツケはメーカーが処理をしなければならない。

今度面接を受けるのでメーカー側も検討している次第である。