キスしたい

あなたをそばで見たいという願望が高まる

唇に吸い寄せられる

キスしたらそれで全てか終わってしまうような

そんな気がする

キスしたら始まるのに

キスしないほうがいいとも、想い感じる

キスは

始まりであり

終わりを告げるなにかのような気もする

一致

同じ感覚を持つひとに出会う

朝起きて、食べたいものや味覚が一致する

そういう一致は単純なようでそうでもない

嗅覚も同じよう

匂いも嗅ぎ分ける

動物のように


肌にふれた感覚や、そのとき浮かぶ情景さえも

あなたにはそれがある

素敵なことだ

だからこそ

またいつか逢えると想う

そう想う

見なれた

見なれた風景

石畳やビルの向こうに見える夕日

見なれても感じること、想いは

自身の今置かれている立場や背景によって変わってくる

どんなふうにきょうはそれが見え

そして感じるのか

あなたも見て

なにかを感じているのか

どこかで

同じように

耳

あなたが昇り詰めると

入れたまま

耳の穴を舐める。

もうひとつの穴として普段人前に晒しているそこを。

そして、舌をねじ込む。

どうしてそうするのか自分でもわからない。

でも、舌をねじ込むとあなたのからだが硬直し、

体液が絞り出されるのがわかる。

耳が下に連動するように。

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発しないかわり

声を押し殺す。

自らの口から発する音を出さぬように噛み締める。

そのかわり

あなたの擦れる音やなにかの軋む音が聞こえる。



あなたは言葉にならない音を発しないこととは正反対に

してほしいことを的確に短い言葉にあらわす。

また

あなたの擦れる音がする。

そして

次の的確な言葉が発せられたるまで

それはまたつづく。

身につけた

身につけてはいけない感覚がある。

身につけさえしなければ、自身はきっとひとなみに幸せと感じられる。

そんなふうに思う。

我が強いだけでは、その感覚は身につけられない。

優柔不断でも身につけられない。

誰もが想像をしがたいなにかが周りにあったから。

ひとなみ外れた努力や苦悩。

そうだろうか。

今を生きるのは、この感覚を身につけたから。

嫌気がさすこともある。

でも、その感覚を身につけた自身のことは嫌いにはなれない。

そして

同じ感覚を身につけたあなたのことも。

欲望

欲望が生き方を左右する。

そんなはずはない。

金に対する欲求や性に対する欲求が明日へ向かうエネルギーなのか。

ゲスの発想。

それだけではなく、もっと優しいなにかだと。

一途な気持ちだけで生き、自身のことだけあなたに伝えてきた。

その時は思いもしなかった。

欲求、欲望。

宗教の中の話のような俗世界のことだと。

ひとはそういうことだけでは決して生きていないと思っていた。

思いたい。

どこにいるのか。

また、想う。