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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

優勝セールのサプライズ

2006-10-13 17:43:47 | まち歩き

日本ハム優勝【福袋】【送料無料】3000円ポッキリ3kg×2袋[丹波こしひかり3kg&丹波きぬひかり3kg]

パ・リーグの日本シリーズ進出チームが決まった。今回はシーズン優勝とプレーオフ制覇が同じで文句なし。ソフトバンクには気の毒だが、ここ数年でもっともすっきりした結果だった。しかも日本ハムは話題の多い人気チームなので、盛り上がりもひとしおだと思う。

個人的にはあまり関心がないが、優勝といえば優勝セール。大抵の球団は親会社が経営している、あるいは資本関係のある百貨店やスーパー、コンビニなどの小売業でセールを行う。楽天は1回勝つたびに(しかもサッカーチームと両方)ネット上で何かやっている。優勝はしばらくしないだろうから、ある意味賢明かもしれない。それはともかく、優勝セールだけをタイアップしているチームと小売業も多く、逆に新鮮味や感動を希薄にしているように思う。ジャイアンツなど、最近では優勝もしないのに、提携企業だけはさすがに多い。ジャイアンツには提携企業が再生対象になり、ブランドイメージ低下するに伴い、提携を解消して別の同業態企業に乗り換えたことが複数回ある。これはビジネスだから当然の措置だが、逆に三越やセブン&アイ(←現提携企業)も弱いチームとの関係の見直しを図ったら?小売業にとっても、提携チームが優勝するかしないかは、短期間とはいえ大きく利益やPR力を左右する一大事のはず。最近ではイオングループなど、どこが買っても優勝セールをやっているので、関係なさそうだけど。ちなみに冒頭の「福袋」。ハムの福袋ではない。お米だ。多分日本ハムとはまったく関係ないと思う。

それはそうと本物の日本ハムの優勝セールはしょぼくて逆にサプライズだ。しばらく優勝していなかったから十分に準備できなかったのだろうが、それにしても主力商品シャウエッセンへのノベルティ(しかもマスタード!いつも付いていても不思議はない)特典や、チキンナゲット10%増量って…。ロッテでもタダでお菓子を配っていたのに。もちろんご多分にもれず、地元の多くの小売店では優勝セールをやっているが、球団が公式発表しているのはローソン(全道)とビックカメラ(札幌)だけ。これも日本ハムらしくてご愛嬌かもしれない。

今年は2チームとも首都圏全域を含めた在京球団ではないので、日本シリーズは東京圏では行われない。プロ野球をリージョナルなものとして根づかせる契機になるかも。

ところで今年ロッテはどうしちゃったのだろう。というか、去年のロッテは何だったのだろう…と千葉県民が言っていた。千葉でロッテがあんなに人気があるとはどうもピンとこなかったが、本当に人気があったらしい…余談だが。

*ちなみに日本ハムは、ハムの無料配布を一部で始めたみたいです。さすがにマスタードじゃ…と思ったのでしょうか。


アーバンドックららぽーと豊洲

2006-10-10 04:01:04 | まち歩き

東京ウォータークルージング/リバークルーズ編 【DVD】

ラゾーナ川崎に続き、今回はアーバンドックららぽーと豊洲について。豊洲駅は有楽町から地下鉄で4駅。銀座から近いが、風景は一変する。ウォーターフロントといえば聞こえが良いが、人肌のあたたかみや穏やかさを感じないひんやりとした雰囲気の場所だ。ここに巨大なショッピングセンターができた。

メインの棟は3層だが、本当に広い。というか、端から端までが長い。キッザニアとか、東急ハンズとか、シネコンとか、敷地面積の必要な施設やテナントは、各階の端にある。つまり端からさらに広がりがあるわけで、全体をまわると結構疲れる。この広さは、非日常空間としてはいいが、近隣住民が使う日常的な最寄り店舗としてはマイナスかも。

別棟にあるスーパーもやたら広いのだが、品揃えに特長がない。普通の食品スーパーが大きくなっただけという印象。個々のカテゴリーの品揃えもアンバランスで、夜に翌日のパンを買おうとしても、ほとんど商品は残っていなかった。オープン景気を見込んでいなかったのかもしれないが、ちょっとお粗末な感じがした。ゾーニングも例えば冷凍食品が何箇所かに分かれて置いてあるなど、よくわからない配置をしている。

一般のテナントは、おなじみのものが基本的に多いが、中には特徴的なものもある。代表格がキッザニアだが、他にも本格的な各国料理のバリエーションのあるフードサーカスや、ワコールの新コンセプトショップ「カロロカ」などが出店している。ただ、テナント数が多いので、何にオリジナリティがあって、どこまでが既存と同じなのか、すぐには判別できない。

商圏は23区全域らしいが、実際どこまで取り込めるかはともかく、少なくとも銀座地区には新たな脅威ではあるかも。元々はこういった郊外型のショッピングセンターと銀座は一線を画していたのだが、最近ではユニクロをはじめ、被っているショップも数多く銀座に進出している。銀座のデパートが急ピッチで改装を進めているのは、地域内競合だけでなく、こうした周辺地域の開発の影響もあるのかもしれない。

格差社会というけれど、ことファッションをはじめ、買物に関しては、普通の人もブランド品を買うし、リッチな層も安い商品を買う。その差はむしろ以前より接近しているような気がする。都心と郊外の距離が近づいてきているように…。だから例えば銀座は豊洲とはターゲットが違うと、一概には言い切れない。それぞれの特色を明確に、違いを鮮明にすることで、消費者が目的を持って選べるようにすれば、東京の東側地域全体として買物環境が充実するのではないかと思う。


大都市に進出する巨大ショッピングセンター

2006-10-04 20:28:44 | まち歩き

なぜ人はショッピングモールが大好きなのか

Facilities_img06都市部にしては地味な場所にかかわらず、キッザニア東京のオープンで話題のアーバンドックららぽーと豊洲105日グランドオープン)に先駆け、同じ三井不動産系のラゾーナ川崎が川崎駅前に先週オープンした。川崎駅前はもともと商業施設の多い場所だが、既存施設がかわいそうに思えるほど、ラゾーナ川崎は圧倒的に堂々とした佇まい、いうなれば円形コロシアムのような広々とした建築様式だ。ところが入っているテナントは、いまひとつ迫力不足。立地の優位性で客がとれると踏んだのか、どこかで見たようなラインナップで、数少ない大型テナントもビックカメラは、駅反対側のヨドバシカメラの対抗軸。シネコンもやはり反対側に2施設もあるから、またスクリーンが増えたね…という感じにとどまる。LOFT、ナムコ、アカチャンホンポもおなじみの顔ぶれ。結局、東京都心と再開発の続く横浜にはさまれ、広域商圏を狙える場所ではないということで、地元に便利なテナントを集めた感じだ。

明日オープンする豊洲は、なんといってもキッザニアの話題が先行している。日本初、しかもなぜかメキシコからの輸入という珍しさと、今の時代との絶妙なマッチングで話題づくりには事欠かない。話はズレるが、なぜこういうコンセプトの施設がアメリカやカナダ、北欧、ドイツではなく、メキシコで生まれたのか興味深い。おそらく日本より切実なモチベーションがあるような気がするが、にもかかわらずこうしたエンターテインメント性の高い発想ができたことに感心する。

豊洲は大規模マンションやイオンができる数年前までは、無機質な何もない寂しい街で知名度も低かったが、こうした唯一無二の施設をつくることで、広域商圏を狙える可能性が出てきている。東京ディズニーリゾートやお台場とも近く、ファミリー層の東京観光増に地域一体で貢献するかもしれない。ちなみに築地市場の移転予定地も豊洲。場外に「さかなタウン」でもつくれば、豊洲の集客力はさらに高まるかも。

ららぽーと豊洲も駅と至近距離。しかも銀座から数分の距離だ。来月は日産村山工場の跡地にもSCダイヤモンドシティ・ミュー)ができるが、こちらは従来型のロードサイド郊外立地。三越とイオンが核店舗として出店する。目指していた地元テナントの出店はほとんどかなわなかったらしい。経済的な要因や品揃えの質などが大きいとは思うが、本当は地域色を出すなどどうにかして特長を明確にしていかないと、大きければ良いという時代ではないということかもしれない。


男性の子どもへの思いは?

2006-10-02 03:47:03 | ニュース

高田延彦・向井亜紀夫妻の子どもたちが国内法による裁判で出生届の受理が認められた。概ね世論は歓迎の声が多いよう。これまでも受理されてきたらしいし、生まれてきた子どもたちには何の罪もないので当然の感情だと思う。でも一方で、代理母そのものには賛否両論あるだろう。私個人としては代理母となると第三者の人の命や尊厳がかかわってくるわけで、一概に認めるべきとは思えない。米国でも州によって見解が違うようだ。

よく法律に人の心の温かみをというが、本来人の心の温かみは立法時や政治の世界で発揮されるべきもので、いったん立法・施行された以上、何でもかんでも裁判官の感性で左右されたら法律の意味が希薄になる。微妙な判例というのはもちろんあるだろうが、あくまで元にある法律に基づいてということだろう。まったくの別件だが、殺人の時効後の民事損害賠償請求における結審で、殺人についての賠償が認められなかったことが物議を醸し出している。裁判官に人の心がないと非難する人がいるが、本当に検討されるべきは時効制度そのものだと思う。

代理母の問題はともかく、行政では少子化対策の観点でもう少し人の心に寄り添う政策があっても良いと思う。このところ考えられている施策の方向性は、既に1人、2人の子どものいる家庭にもう1人産んでもらうという考え方らしい。具体的には経済面での支援。マーケティングに置き換えて考えると、この方向性は確かに正しい。産む気がないかもしれない、あるいは産みたくても健康面で産めないかもしれない、子どものいない人を支援するより、経験者にターゲットを絞った方が効率的だ。極論すれば、リピーターを大切にする航空会社や商業施設に近い戦略・・・。でも何だかそこに心を感じない。3人目がほしいという人に、産みやすくしてあげるのは悪いことではない。でも出産費をタダにしてあげるから産みましょうというのはちょっと違う。また、ほしくてもできない人の不妊治療についても、何か抜本的に受けやすくなるような施策がないとバランスが悪い。

子どもをまったくほしくないという人はむしろ少数派で、ほとんどは何らかの理由であきらめている。それが経済的理由だという人はそんなに多くない。口でそう言ったとしても、本音は違うと思う。実際収入が少ない人ほど、子どもを多く産んでいると言う産婦人科医もいる。そして子どもの問題は女性だけの問題ではない。男性だって、次に命をつなげたいという思いはあるはず。誰もが親から生まれてきている以上、自分も親になりたいと思うのは自然な感情だと思う。でも不思議とたとえば今回の向井さんの件についても、高田さんの声はあまり聞こえてこない。というより、向井さんの希望と病気という事情を聞いて尽くしている良い夫という印象すらある。実際にそうなのかもしれないが、そういうことが一般的な男女の立ち位置に固定されるのはちょっとおかしい。男性の子どもに対する思いがもっと表層化することで、少子化対策が一歩前進する糸口があるかもしれない。心に寄り添うのは、何も女性だけの目線で語ることではないと思う。

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