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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

第2東京タワーの行方

2004-12-06 00:44:07 | まち歩き
tower010パリにはエッフェル塔があり、トロントにはCNタワーがある。そして東京には東京タワーがあるからと、埼玉が第2東京タワーの誘致に懸命らしい。タワーをシンボルに県民の「埼玉都民」意識から脱却を図り、自県を見てほしいのだという。確かに街のシンボルとなっているタワーもある。でもいまどきそれが求心力となり得るのだろうか。

エッフェル塔は1889年に設計されたものだ。まだそれほど展望台となり得る高い建物がない時代に万博を記念して建てられた。今でこそ世界遺産に登録されているが、当時は奇抜なデザインが物議を醸し出したという。またCNタワー(1976年)をはじめ、世界タワー連盟に加盟しているタワーのほとんどは、東京タワー(1958年)も含め電波塔の役割を負っているが、どのタワーもそれを目当てに観光に出かけるほどのものは少ない。確かにトロントはカナダを代表する大都市なのに、いまひとつオリジナリティや情緒に乏しいから、CNタワーがひとつの吸引力になっているようだが(私はトロントに行ったことはあるが、タワーには行かなかったけど)。

京都にも京都タワーがある。東京から新幹線で入ると真っ先に見えるのが京都タワーであり(最近駅ビルにさえぎられ気味だが)、ひとつのシンボルとはなっている。しかし京都らしい景観を壊していると悪名高い。本来の京都のシンボルは、歴史的事実と、今も存続している寺院や名所、文化、街並み、祭事の中に見出してこそ、街は集客力を高める。

埼玉も何もタワーだけで本気で求心力を高められると思っているわけではないだろう。当然誘致に伴う周辺開発やタワーそのものが利益や雇用を生むことによる税収アップや活性化などを期待してのことだと思う。それならば、埼玉県はそういった青写真を明確にして、県内外に示していかないと、意識は盛り上がらないのでは?(でも県は160万の誘致署名を集めたらしいから、県内では盛り上がっているのかな?他地域だから知らないだけで)でも高いものを持ってくれば、「埼玉都民」でなくなるなんて…。
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このニュースはこちらから → 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041205-00000008-san-pol


ブランドタウンの住み心地

2004-12-05 01:48:14 | まち歩き
p-A1969かつて大阪に住んでいたことがある。大阪の人には悪いが、東京に比べて、大阪の地名はいまいちだと思っていた。イタチボリ(立売堀)、ドブイケ(丼池)、ハナテン(放出)、メインストリート沿いの梅田、淀屋橋、難波に至ってもあまり語感が良くない。名より実をとるということか。東京は麻布、広尾、晴海、汐留etc. 古い街でも根津、谷中など。別に絶対的にそうというわけではないが…。まあ地名は決して語感だけではなくて、歴史や伝統や街並みとあいまって、一定のイメージが想起されるから、名前ばかりケチをつけても仕方ない。けれどもマンションメーカーが、たとえば銀座駅から数駅先の場所でも「銀座」という名前をつけたがるように、地名のイメージはある意味大切。

代官山に住んでいたことがある。住所も代官山町だったので、一応正真正銘。住んでいる時は別にどうということはなかった。むしろ駅から遠くて、しかも代官山駅は、渋谷か中目黒で乗り換えない限りたどり着けなくて(両方から近いのに)、住み始めた頃はまともなスーパーさえなかった(少しして代官山アドレス内にできた)。大きな本屋やレンタルビデオショップもない。コンビニ、ファストフードが少ない。『ドックベーカリー』がうちのそばにできるというので、ホットドックの店(つまりホームベーカリーを想像)かと思い、近所の人と本気で喜び合ったら、文字通り犬のための店だったこともある。駅から遠いのに、線路には近くて、電車の音がうるさかった。住んでいる分にはブティックやカフェの数はあまり関係ない。代官山を離れてからも、恵比寿、渋谷はよく行くが、代官山に行ったのは、新しくできたOLD IMARIに出かけた1回きりだ。

イメージ先行型のブランドタウンはいくつかある。東京でいえば古くは一番町、田園調布、近年は青山や元麻布、自由が丘あたりか…。それが不動産価格を引き上げる要素にもなるわけだが、離れてみて思うが、そういう街に住んでいたメリットもあった。まずは仕事柄、時代の空気やファッションを感じられるということがある。渋谷や恵比寿も徒歩圏内だから、出不精にもなりにくい。また、近隣店舗では良いサービス体験ができる。同じチェーンストアでもアンテナショップ的ポジションにある場合が多いので、スタッフの質が高い。例えばワインショップでは近所の客の顔や好みを覚えているというように。そういう意味では気持ちは華やぐが、落ち着かない感じ。今はマック、コンビニ、ドラッグストア、弁当屋等が軒を連ねる商店街のそばに住んでいる。馴染めばこっちの方が良かったりする。自分の仕事的にはヤバイ心持ちだけど…。



デパート閉店5分前の攻防

2004-12-03 00:52:07 | まち歩き
shinjuku_img20時閉店のデパートに駆け込んだのは、19時55分。切らした化粧品を買うためだ。デパートなどの大型ショッピング施設は、開店後の3~5分程度と閉店前の同じぐらいの時間、従業員が通路沿いなどに立ち、お出迎え・お見送りの挨拶をする決まりになっている。ここも例外ではなく、もう既にお見送りの挨拶の体制に入っている。ところが私が地下通路から入ってくるのを見たB1Fの店員はもちろんのこと、1Fの店員も、誰も「有難うございます」とは言わず、「いらっしゃいませ」と声をかけてくる。客の様子を見て、使い分けているとすれば、さすが伊勢丹といった感じ。

化粧品売り場でも、わずか10分くらいで希望商品の販売はもちろん、何種類ものサンプルの試用、誕生月のプレゼント贈呈まで、すべてをこなし、ここでやっとお見送り。その後、地下食品売り場に下りて、その日の夕食と翌日のパンを購入。商品は選べる程度には残っているし、どの店の店員も快く迎えてくれる。この時、20時10分か15分。このあたりで店内が徐々に暗くなる。

ほんの10分か15分の店の対応で、売上や印象はかなり変わると思う。人気のない店やサービスが行き届いていない店は、閉店の5分10分前から客から見えるところで片づけを始め、時間通りに閉めてしまう。そもそも食品などは買うものが残っていないケースもある。これは決して売り切れるほど売れているからということは少なく、もともと商品を用意していないからだ。ささいなことかもしれないが、ぎりぎりまで顧客を受け入れてくれるという信頼は、店を選ぶ重要なポイントとなる。最近は、デパートといえども、わざわざ訪れる人は少なく、ついで買いが増えているという。平日の閉店間際は、買う側にとっても大切なショッピングタイムになっている。



羽田第2ターミナル、PRの役割

2004-12-01 23:25:24 | ニュース
AN584_012月1日(水)朝から夜のNHKニュースまで、この話題をとり上げない報道番組はなかったくらい。すっかりANAは第2、第2と第1は徒歩で10分と覚えてしまった。確かに羽田はいつも混雑していたので、そういう意味では必要な開業なのだと思う。今日初めて知ったが、なんと羽田空港の利用者数はヒュースロー空港に次いで世界2位なのだという。狭い国土で決して飛行機が国内交通移動の主体でもないのに。それだけ東京に人口と機能が集中しているということなのだろう。

今日テレビを観ていると、結構乗客にこのことを知らない人がいて混乱があったらしい。確かに今日の報道量と比較して、昨日までの予告報道はかなり少なかったのではないか。私自身もほんの数週間前、羽田を利用したにもかかわらず、工事に気づいただけで、オープンの日程や利用方法などは大々的には知らせていなかったように思う。もっともぎりぎりに到着し、慌てて帰ってきたから自分が気づかなかっただけかもしれないが…。

ニュースやワイドショーは、開業前の施設には興味がない。その大きな要因は“絵”にならないからだ。テレビは視覚に訴求するメディアなので、それは仕方がない。ただ、テレビ報道は必ずしもメディアのみの意思で行われているわけではない。PR会社や企業のプレス担当が介在して、意図的に取材を働きかけるものもあり、これが正確にはPRと呼ばれるもので、広告とは一線を画す。今回の羽田第2ターミナルオープンに関しては、どれだけPRの力が介在しているか定かではないが、オープン日はそれほど積極的にプレス活動をしなくてもメディアから自主的に取材に来るだろう。けれども空港が顧客利便性や顧客のリスクを最大限に防止するためには、直前のPRにも力を入れるべきだったような気がする。別にテレビメディアだけでなく、PR方法はさまざまある。空港内での誘導や事前告知もそのひとつだろうし、旅行会社やタクシー会社など、関連企業への告知と利用者への案内を徹底してもらう方法を工夫することも必要だと思う。それでもさすがにANAはそれなりにやっていたみたいだが、羽田第2ターミナル自身はオフィシャルHPすら、今日現在まだ完全オープンしていない。
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追加書き込み→ オフィシャルサイトオープンしています。最終更新日が12月2日になっているので多分2日にオープンしたのだと思いますが、もしそれ以前であったら申し訳ありません。
http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/