
これは他の商品にもいえる。メーカー小売希望価格は、まさに“希望”でしかない。家電量販店に行くと、他店より高ければその価格まで下げると貼り紙が出ている。東京は物価が高いというが、細かいものは競争が激しい東京の方がはるかに安い。うちの周辺だけでドラッグストアは数えられないくらいあるが、実家のある地方都市に行くと平気で低下でヘアムースを売っていたりする。
価格には絶対評価と相対評価がある。絶対評価をされる商品やサービスは良い。乱暴な定義をすれば、価格について絶対評価を受けるモノが「ブランド」だと思う。他と比べず、消費者が手をのばすもの。少しぐらい(ひょっとしたら大幅に)高くても、選ばれるもの。
最初の映画の話に戻れば、こと映画に関しては、秀作だろうが駄作だろうが、ロードショーであれば価格はほぼ同じだ。そうなればブランドを決めるのは、報道と観客の力による。作品を紹介するジャーナリズムと観客の選び取る力、その背景には出演者や製作者の実績や受けている評価もある。でも本当は、作品や映画館の質によってもっと鑑賞料金が違ってもいいのに…とも思う。良いと思えるものに、多少高くても正当な対価を払えることも、賢い消費者のアビリティの一つ。消費者は、働いている限り一方では生産者でもあるのだから。
*文面とは関係ありませんが、写真は今回観に行った映画です。
感想はこちらでどうぞ⇒Click here, please.