
「限定商品」と並んでモチベーションを高めるのは、製造が間に合わず「販売一時休止」ってヤツ。比較的最近ではサントリー伊右衛門、ハーゲンダッツのカスタードプディングやアズキが印象に残っている。古くはヱビスビールの黒ラベルもこんなことがあったような。「そんなに人気があるのか」→「きっと美味」→「ぜひ食べたい(飲みたい)」っていうわかりやすい気持ちの動きを誘導する。しかもどの商品も同じ稀少品でも(←ある意味)、プレミアムワインのような高級品ではなくて、誰でも1回くらいは買える。考えてみれば、ヱビスビールはともかく、伊右衛門はもちろんハーゲンダッツも広告のうまいサントリー系。かなり怪しい…。吉野家の牛丼は、企業経営にとっては正真正銘の不幸だが、ある意味商品ブランド価値はあげた。
ただ「限定商品」や「販売一時休止」は、この戦略の乱用は危険だし(特に後者)、本当に限定商品にすると、稼げる期間・金額が限られてしまう。そのなかで最近の製品でよくできているのは、「キリンチューハイ氷結」だと思う。美味しいのは食品・飲料の絶対価値としても、マーケティングもうまい。多分今こういう商品がいちばん売れるのはコンビニだと思うが、コンビニや時期によって、プレミアムフルーツシリーズの取扱いの種類が違う。定番のバリエーションも豊富で定期的に新製品が出る。プレミアムフルーツは売れていても時期が来ると引っ込め、未練がましさを感じない。氷結は焼酎ではなくてウォッカをベースにしているという。このことを隠しはしないが、あえて主張しないのは、ウォッカがあまり人気がないことを意識してのことだと思うが、どうだろう?