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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

食指が動くのはどっち?

2005-04-22 16:53:00 | 日記・エッセイ・コラム
hyouketu先日「桜の味」というタイトルで、旬がむしろ贅沢になり、ヒットのキーワードになっていることについて書いたが、この流れで同じことが言えるのは、「限定商品」と「販売一時休止商品」だろう。この間も近くのコンビニで、ある商品にPOPで「○△×は5月○日までの期間限定販売です」と書かれていた。買うつもりもなかったのに、つい2つも買ってしまった。その前にも新宿ルミネで見かけた「春限定緑茶のケーキ」にも引きつけられた(すぐに帰らなかったので買わなかったが、心残り)。私は甘いものが特別に好きではないのだが、「もう2度と出会えないかもしれない」という焦燥感が心理的に購買モチベーションをあげ、印象に残るのだと思う。飽食の時代・国特有の消費者心理だろう。

「限定商品」と並んでモチベーションを高めるのは、製造が間に合わず「販売一時休止」ってヤツ。比較的最近ではサントリー伊右衛門、ハーゲンダッツのカスタードプディングやアズキが印象に残っている。古くはヱビスビールの黒ラベルもこんなことがあったような。「そんなに人気があるのか」→「きっと美味」→「ぜひ食べたい(飲みたい)」っていうわかりやすい気持ちの動きを誘導する。しかもどの商品も同じ稀少品でも(←ある意味)、プレミアムワインのような高級品ではなくて、誰でも1回くらいは買える。考えてみれば、ヱビスビールはともかく、伊右衛門はもちろんハーゲンダッツも広告のうまいサントリー系。かなり怪しい…。吉野家の牛丼は、企業経営にとっては正真正銘の不幸だが、ある意味商品ブランド価値はあげた。

ただ「限定商品」や「販売一時休止」は、この戦略の乱用は危険だし(特に後者)、本当に限定商品にすると、稼げる期間・金額が限られてしまう。そのなかで最近の製品でよくできているのは、「キリンチューハイ氷結」だと思う。美味しいのは食品・飲料の絶対価値としても、マーケティングもうまい。多分今こういう商品がいちばん売れるのはコンビニだと思うが、コンビニや時期によって、プレミアムフルーツシリーズの取扱いの種類が違う。定番のバリエーションも豊富で定期的に新製品が出る。プレミアムフルーツは売れていても時期が来ると引っ込め、未練がましさを感じない。氷結は焼酎ではなくてウォッカをベースにしているという。このことを隠しはしないが、あえて主張しないのは、ウォッカがあまり人気がないことを意識してのことだと思うが、どうだろう?


中身の見えない果実

2005-04-13 23:24:10 | 日記・エッセイ・コラム
mangosutin053、4年前に泊まった香港のマンダリンホテルでは、なぜかウェルカムフルーツが食べ放題だった。食べて出かければ帰ると皿がいっぱいになり、朝出かければ帰ったら皿の状態が元に戻っている(今泊まっても同じサービスを受けられる保証はまったくありません)。

東南アジアではフルーツが安いが、正直あまりおいしいと思ったことがない。ただ、そのときホテルで食べたマンゴスチンだけはとても美味しかった。日本ではほとんど食べられなかったから新鮮さも手伝ったのだろう。2年ほど前だろうか。日本で生のマンゴスチンの輸入が解禁された。近くのスーパーマーケットでも売り出したが、1つ(小さい!)500円近くする。それでも時々食べてみたが、その頃はまあ美味しかった。最近になって同じ店で急にマンゴスチンが安くなった。それでも3つで700円近くするが、出始めの半分くらいだ。ところが買って、中を開けると3つとも腐っていた。

クレームを言おうと思ったが、タイミングを逸してそのままになっている。もうその店でマンゴスチンは買わないし、何だか他の商品も品質管理ができていないような気がしてしまう。でも考えてみれば硬く厚い皮に覆われているマンゴスチンは、中の熟し具合がわからないという言い訳も成り立たなくはない。そういえばアボガドも出始めの頃は、売る方も買う方も戸惑っていた。最近は食べ頃や熟し具合に応じた食べ方をシールや店頭のPOPで表示し、情報提供をしてくれるスーパーマーケットが増えた。アボガドは表面の色が変わるし、食べ方もいろいろあるので、簡単といえば簡単だ。

マンゴスチンはどうなのだろうか。もし表面の色でわからない*とすれば、生産者と流通のリレーションシップの中で情報を管理し、正確に伝達していかなければならない。つまりいつの時期にどういう状態で収穫され、何日目が食べ頃かということ。北海道から産直でメロンを買ったときには、何日くらいが食べ頃か明確な日にちとそれまでの保存方法が手書きで書かれていた。本来、スーパーマーケットは、購入商品のリスク回避のためにもあるのだから、できれば輸入フルーツも何とかしてほしいと思うのは消費者のわがまま?

*実際には鮮度が落ちると表面が硬くなるそう…わかるんだ。やっぱり店の怠慢か…。



日用品のブランドスイッチ

2004-12-20 01:43:31 | 日記・エッセイ・コラム
toire年の瀬は大掃除の季節。洗剤類をはじめ、日用雑貨を買う機会が増え、店頭ではお決まりの目玉品が出てくる。年末に限らず、日用雑貨はスーパー、ドラッグストアの目玉品の中心になる。定価の曖昧さは電化製品の比ではない。近くのドラッグストアで、5箱入りティッシュが200円を切ると、マンション周辺でティッシュを持って歩いている人とたくさん行き交う。消耗品でどのブランドを選んでもさして代わり映えがない商品、消費者にしてみれば安い方が良いが、メーカーはまさに消耗戦の様相。

話は変わって、プラスティック容器などのリサイクル意識が進んで、詰め替え用販売が標準化している。別にライオンの容器に花王の詰め替え用を入れてもいいのだが、なんとなく同じブランドを続けて買うようになっているのは私だけだろうか。あの仕組みは環境対策を推進するだけでなく、ブランドスイッチを阻止することにも少しは役立っている。ファンデーションなど化粧品のレフィルなどはまさにそう。容器の形が違うので別のブランドだと組み込めない。

最近珍しくトイレ用洗剤を変えた。トイレマジックリンのオレンジバージョンが発売されたからだ。使ってみたが、オレンジの匂いがちゃんとして新鮮な感じだった。どうも洗剤というと、薬品臭か、ミントかレモンの香りが一般的で、バリエーションに乏しい。日本製は容器のデザインもあまりオシャレとはいえない(海外のものはたまにカッコイイものもある)。洗剤類は収納に入れる場合、あまりデザインは気にならないが、収納の少ない家だとむき出しで置くときの姿かたちも一つの判断基準になると思う。メーカーによるが、ティッシュの箱のデザインは悪くない。私はスコッティかネピアのデザインが結構好き。あれは表に出しておくことが前提にデザインされているのだろう(実際にはカバーをつけているので、あまり関係ないが)。近頃はみんな買物を楽しまなくなったといっても、洋服や食べ物を買うのは多少なりとも気持ちが弾むと思う。でも日用品を買うのは嵩張るし面倒くさい。値段で気を引くのも大事なことだけれど、もう少し楽しく商品を選べるような工夫があってもいい。



地産地消とブランド戦略

2004-12-19 01:38:56 | 日記・エッセイ・コラム
京のサラダセット
地産地消(地域生産・地域消費)というキーワードをよく見かけるようになった。「地域で生産された農林産物をその地域で消費する」という意味で、その背景には消費者の食に対する安全・安心志向の高まりがある。消費者と生産者の相互理解を深めるためには、実質的にも両者に距離感がないことがいちばんということだろう。また、実際に地産地消が実現されれば、流通の間接経費が軽減される。

半面、地域活性化を狙う農作物のブランド化もさかんだ。これは主に首都圏をはじめ、大消費圏に向かい、地域の生産物に信頼と親しみを持ってもらい、販売力を強化しようとする取り組みだ。もちろん地域内においても効果があると思うが、実際に「京野菜」や「紀州梅」を有難がるのは、東京をはじめとした遠隔地の都市圏の生活者だ。現実的に多少の距離感があった方が生活者の想像力をかきたて、憧憬の情を抱きやすくなる。

ブランド戦略で都市圏での販売力を強化し、さらには生産地域でもその地域の産物を購入してもらえれば、マーケティング戦略上はある意味パーフェクト。しかし日本の食料自給率は低下の一途を辿り、現在は40%前後しかない(昭和35年→約80%)。野菜は比較的高いが、それでも約80%。食肉は55%程度である。食肉などの生産に深く関連する飼料用を含む穀物類の自給率はわずか30%にも満たない。

このように自給率が諸外国に比べ著しく低い現状で、概念ばかりが一人歩きしても、現実性に乏しい。また、農作物のブランド化には否定的な声も多い。全体消費量に満たない「日本産」に、ブランドというさまざまな化粧を施し、希少価値を強調するあまり、いたずらに価格を引き上げることがあるとすれば問題だと思う。それに伴い、形状の規格を厳しくし、美しく整った大きさ、形の商品ばかりが店頭に並ぶ様子も異様。今後はイメージと実態が伴った農作物の適正量の生産を目指した総合的な戦略性が求められている。

*京都産の青果↓
大箱入り、水蜜桃(天使のしずく)【送料無料】

網野の琴引メロン(1個入)

【お中元】京野菜 昔なつかしの味上賀茂トマト



自転車修理の行商人

2004-11-22 00:55:29 | 日記・エッセイ・コラム
気がついたら伝統的な自転車屋さんがめっきり減っている。いわゆるマウンテンバイクショップなどは別にして、ママチャリも売っていて、もちろん空気を入れたり、パンクを修理したりしてくれる店だ。無印良品やスーパーなどで安い自転車を買う人が増えて需要が減り、跡継ぎがいなくなったのかもしれない。街の電気屋も同じ傾向だ。そうすると困るのは修理だが、今電化製品を修理してまで使うケースというのは減った。パソコンは蓄積されているデータの問題があるので壊れたら修理をするが、それ以外の家電はめったに壊れないし、壊れたら最後、修理するより買った方が安いくらいの製品も多い。

しかし自転車のパンクはそうはいかない。うちの自転車は1年ぐらいにパンクしたきり、駐輪場の肥やしになっている。インターネットで調べたら、出張してくれる自転車修理のサービスがあることを知ったが、面倒でそのままだ。近所のおしゃれなバイクショップに引きずっていったら、修理は受けていないと断られてしまった。そんな話を友人にしたら、彼女の住んでいる近くには自転車修理のサービスのオジサン(…とイメージで勝手に決めているが性別年齢は不明)が回っているらしい。いわゆる行商人、移動自転車修理屋さんだ。結構人気があるらしい。弁当やホットドッグのような食べるものならともかく、自転車修理のためにあてどなく街を巡っても非効率そうだが、そうでもないのだろうか。でもうちにも来て欲しい…。

深く考えれば、もしかしたらもっと他にも行商したらニーズがありそうなものも存在するかもしれない。便利になって、昔ながらのものに回帰するというのは本末転倒のような気もするが、案外そういうものかも。

【おまけ】出張可能な自転車修理
*首都圏
http://www.rivo.mediatti.net/~keyman/
http://www.cyclepit.com/
*関西
http://www.h4.dion.ne.jp/~tac6329
上記以外にもたくさんあります。出張範囲は各自で確かめてください。