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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

行列はブルーボトルコーヒーだけにあらず

2015-08-16 22:43:28 | トレンド

正月は小売業と一部のサービス業の現場でもない限り、だいたい皆休みますが、旧盆の時期はそうでもありません。私は毎年、この時期はとくに休まず、東京から動くこともないですが、世間はお休みの人(会社はやっていても)も多く、実質開店休業に毛が生えたくらいの動きしかなく、むしろのんびりして好きな時期だったりします。暑さもさほど苦手ではないですし。

土日に趣味で通っているような場所や教室も休みのケースもあって、昨日の土曜日も昼間ぽっかり時間が空きました。朝はテニス(WatchではなくPlayの方)、3時から清澄白河で所用があったので、いったん自宅に戻って、遅い朝食をとりながら、錦織のナダル戦勝利を一応見届けてから、少し早めに出かけました。

目指すはここ。さすがに盆休み最中の猛暑の中、もうコーヒーに並んでいる人はいないだろうと。

ブルーボトルコーヒーの特徴的な紙コップを置いた一見テーブルのような木製の台は、外のベンチです。

はい、タイミングよく比較的すぐに買えたのですが、店内は相変わらずの満席。っていうか、店は広いのに、客席狭すぎです。スタバのようにパソコン広げて居つかれては困る、適度にずっと行列を作り、賑わい感を出し続けるための仕掛けかもしれませんが、わざわざ遠くから来る客が減った後、近隣の自宅やオフィスの持ち帰り客中心にやっていけるロケーションなのか、ちょっと疑問です。何しろ、いまどき玄関先に縁台(ベンチじゃなく縁台です)を出して、ほとんど下着姿で涼んでいるおじいさんがふつうにいる街ですから。真昼間で、全然涼しくないんですけどね。

余談ですが、最近、佃島で駄菓子屋の前にある縁台に座っている小学生くらいの男の子2人組を見て、30~40年前にタイプスリップしたような懐かしさにクラクラしながら、その子たちにある店への道を訪ねたら、スマホの地図アプリで探してくれるという……やっぱり今は21世紀でしたって話ですが、縁台のおじいさんはさすがにスマホはいじっていません。

清澄白河も佃島ほど極端でないにしろ、もともとそんな街ですが、意外とそこら中に行列があることに最近気づきました。

たとえば、ブルーボトルコーヒーに程近い『ブルジェラ・ブリオッシュコンジェラート』

外から何の店かわかりませんでしたが、どうもジェラートのようです。暑いからコーヒーよりジェラートということか、ブルーボトルコーヒーに負けない行列ができていました。

そして、深川江戸資料館がある通りの深川めしの店『福佐家』、同じ並びにある『山食堂』にも行列が。

いつの間にか、わざわざ人が来る街になったんですかねえ。もともと清澄庭園があったり、東京都現代美術館があったりと、ただの住宅街ではなかったわけですが、地味感は否めませんでした。今も十分地味ではありますが、ブルーボトルコーヒーのおかげか、実はカフェの街だった(ドトールやスタバはなく、個性的な店ばかり)ということがクローズアップされ、集客力と魅力度は増した気がします。

東京23区内で2つ目か3つ目になるワイン醸造所が関西から進出したり(フジマル醸造所=外見は普通のマンションです)、変化の兆しが見えはじめ、これから少し楽しみではあります。谷中あたりほどになると、人が増えすぎて完全に観光地になってしまうので、さじ加減が微妙なところです。


シンプルだからこそ光る

2015-04-08 23:13:31 | トレンド

企業別CM好感度が発表されました。

TOP10のほとんどが、まあそうでしょうという結果ですが、個人的に異色だと思うのは、10位の味の素・クックドゥのCMです。記憶によると、山口智充さんとその娘役のタレントがひたすらに食べているイメージがあります。上位にみられるキャラクターが織りなすストーリー性がない。特段高いタレント性がある、旬の人気者を起用しているわけでもありません。

でも確かにおいしそうだし、食べるというより食らう感じの豪快な食べっぷりも魅力です。

日本人はストイックさを求め、「欲」というものは少なくとも表面上は隠すのが美徳とされる風潮がありますが、食欲だけはむき出しにしても気持ちよく映る場合もあるようです。

食べる、美味しく食べる、親子で食べることは、生活の基本。ほとんどの人に機会を与えられる幸せな瞬間だからかもしれません。

松岡修造さんのサントリーC.C.Lemonのウェブ限定CMも話題です。テレビのパブリシティを見ただけですが、相変わらず暑苦しいこと。「できる、できる」と、ひたすら誰かを応援するオリジナルソングをつくったようです。松岡さん自身、錦織効果もあるといわれていますが、ここのところ、大活躍です。専門のスポーツ解説などはともかく、ふだんは「できる!がんばれ!」という何ともシンプルな熱いメッセージが芸風(?)です。

「できると信じて、がんばること」も、とくに若い人たちには、ほとんどの人が可能な努力の形です。

ただ、現代社会は、親子でおいしく食べることが、必ずしもすべての子どもに与えられる機会ではなくなり、「できると信じて、がんばること」も環境を与えてくれる親がいてこその贅沢なことになりつつあります。

社会が複雑化し、シンプルな幸せや努力の価値が忘れられ、がんばることが格好悪いという風潮にさえなってきていました。挙句に少し前には、ありのままでは何も変わらないのに、「自然体」「ありのまま」がもてはやされました。そして、1周回って、今シンプルなメッセージや表現に、心を引き寄せられる人が増えているのは、自然な流れなのかもしれません。


d47食堂と「のもの」

2015-03-19 21:09:07 | トレンド

昨夜、渋谷に行く用があり、帰りに「d47食堂」に寄りました。

ヒカリエは何度も行っていますが、ここは初めてでした。47都道府県の食をテーマにした定食中心のお店で、それぞれ取り上げられている地域からの視察でも来られているようなので、仕事柄、存在は知っていました。ヒカリエが開業して以来、あるはずなので、もう3年になりますが、大盛況でした。

「山形定食」ですが、写真がイマイチなため、まずそうです。実際、店内も照明を落とし、お酒を飲むお客さんにも配慮しています。インテリアはおしゃれな「定食屋」テイストなのですが。

 

今日、たまたま仕事で秋葉原駅に立ち寄ったので、「のもの」に寄ってきました。

こちらはJR東日本の地域再発見プロジェクトなのだそうです。d47は全国対象で、一応東京も入っている(47都道府県なので)のですが、「のもの」はわかりやすく、JR東日本管内の東京以外の地産品限定のようです。

都道府県のアンテナショップが年々品ぞろえやイベントを増やし豪華になるなか、こうした核となる会社が広く地域を紹介するプロジェクトやショップも少しずつ増えています。

こうしたことを通じて、地域を知ったり、旅行に行きたくなったり、ふるさとに郷愁を覚えたり、ふるさとの今に思いをはせるきっかけになることはいいことだと思います。

 

一方で、各地とりわけ地方の都市以外の地域活性化や農家の持続可能性を高めていくには、次の一手が必要でしょう。国全体として人口が減っているなかで、その若者が進学や就職で地方の都市部や大都市に流れ、卒業後も企業への就職を希望するなか、一次産業の若い担い手を育成するのは簡単ではありません。

山梨県がU・Iターンの専任窓口を設置し、それなりの成果を上げているようです。(やまなしU・Iターンポータルサイト

地理的な優位性などもあり、どこでも同じように成功しないかもしれませんが、地域発のPRにとどまらない働きかけも必要ではないでしょうか。

鳥取県かどこかで、公務員限定の婚活イベントが、せっかく参加希望者が集まっているのに批判を受けて中止になったそうですが、何もしないよりいいと思うのですがね。地方では公務員や農協勤めの兼業農家も多いわけですし、若い人が地元にとどまるためには現実問題として、そういう形(地元に就職しながら田畑をいずれ引き継ぐ)にせざるを得ない部分もあります。もちろん専業公務員の人もいるでしょうが、そういう男性たちと都市からのUターンやIターンを考える女性が交流を持つことで、少しでも人口が増えるチャンスになるのではないでしょうか。

いくら都会の仕事に疲れたからといって、Uターンならともかく、Iターンで、いきなり一次産業を目指して地方に向かうというのは、都会で転職するより度胸がいる選択です。高い志がないと難しく、そこに期待するだけでは問題解決にはならない気がします。


朝外食は本当にトレンド?

2015-03-14 23:15:17 | トレンド

いつだったか、世界一の朝食と鳴り物入りで上陸したオーストラリアのbillsですが、実際、人が並んでいるのは朝食とは限りません。夜まで営業していますし。

フレンチトーストが大人気の「パンとエスプレッソと」も、肝心のフレンチトーストは午後3時からのメニューです。

やっぱり、名古屋でないと、モーニング文化は根づかないのでしょうか。近くにコメダ珈琲が随分前にできましたが、まだ一度も行っていません。名古屋では物珍しさで入ったことがあるのですが。

今日、テニスのあと、次の予定まで時間があったのと、家に買い置きのパンがないので、表参道まで足を延ばし、あるお店を目指しました。オフィシャルHPに土日は10時から営業と書かれていて、とてもおいしそうな朝食というより、ランチ(ブランチ)が紹介されていたからです。

ところが、テニスに加え、ウォーキングまでしたにもかかわらず、なぜかあたりまえのように準備中。HPに偽りありです。

結局、しょうがなくといっては何ですが、こんなモーニングセットというには豪華すぎる(値段が)ものをANNIVERSAIREでいただきました。

これ、エッグベネディクトでした。パンケーキブームに乗ったことがないのに、こっちははからずも乗ってしまいました。

ちょっと想像していたイメージと違ったような。


ふるさと納税、特産品詰め合わせの中身

2015-02-23 20:30:10 | トレンド

コメ20㎏に続き、長野県某市からふるさと納税のお礼(?)が1週間ほど前に届きました。

きのこ、きのこ、きのこ、きのこ、きのこ、(なぜかふつうの)ほうれん草、漬け物、漬け物、漬け物、漬け物、漬け物、そば、そば、カップ麺のそば、その他の食品、なぜかアロマオイルといったラインナップでした。

じ、地味です。子どもの頃、初めて長野旅行に行ったとき、旅先定番の海の幸でも、もちろん肉でもなく、山菜づくしだったのを思い出しました。

子どものころはがっかりしたものですが、もう大人ですから、きのこは好きです。シイタケだけ、人に差し上げて、残りをほぼ1週間、毎日きのこづくしでした。

おいしかったのですが、じゃあ、次回から取り寄せして買おうかと思いにくいアイテムです。マーケティングの観点からは、きのこの量を減らしてでも、地酒とかオンリーワンのスイーツとか、お取り寄せに繋がるものがいいのではないでしょうか。4月以降、制度が変わり、ますますさかんになるポテンシャルがありますから、自治体も工夫をしてくると思います。

漬け物も本当のふるさとである京都産に親しんでいる身には、少々色合いが地味です。粕漬は好きではないので、やはりおすそ分けに回し、「残ったのは何?」と聞かれ「何だっけ?」。「野沢菜がないわけない」と言われ、冷蔵庫を見ると、野沢菜の油いためと野沢菜のみそ漬けでした。みそ漬けは私にとっては珍しいので、ちょっと楽しみです。

特典合戦になることに眉をひそめる向きもあるみたいですが、そんなことはありません。

納税先を選ぶ理由は、「本当のふるさと(出身地や長く住んだ場所)」「旅行に行って好きになってしまった場所、あるいはとてもそのときに世話になり、恩義のある場所」「(被災地など)ドネーション」。特典がなければ、この3つのいずれかに当てはまっていないと、ふるさと納税を集めるのは難しいでしょう。

特典を出すことで、知名度を上げ、リピートを増やし(納税だけでなく、商品の取り寄せも)、旅行にも来てもらえれば、税金の額面以上の効果があります。

まさに国が制度として仕組みをつくった自治体マーケティングの手法のようなものです。