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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

スマートフォンとiPad

2010-05-29 12:47:59 | まち歩き

先週約3年ぶりにケータイを替えた。もはや普通にチェンジするのは気乗りがせず、iPhoneとXperiaで悩んだけれど、キャリアに縛られ(ポイント1万円分とアドレス…)、結局Xperiaに。持って帰って、いざ手にとると未知の世界に呆然としたけれど、週末中に最低通話、メール、アラームは使えないと話にならないと奮起(←かなり大げさ)。まあ、すぐにそれ以上のことができるようになり、今はタッチミスとバッテリーの減りだけ気にならなければ満足。

そもそもワンセグも着メロも、ましてやお財布ケータイも使っていなかったので、むしろシンプルで良いのではないかと思っている。絵文字はちょっと残念だけど。

昨日のiPad騒動で、今頃Xperiaを買ってまだ落ち着かない私は周回遅れかとも思うが、一方でスマートフォンを買って使ったことで、iPadへの親和性というか興味が強まっているのは事実。ソフトバンクがつくったiPod→iPhone→iPadの流れの巧みさを実感している。

しかし冷静に考えれば、パソコンユーザー&スマートフォン所持者としては、iPad購入にはやはり二の足を踏む。なぜならデスクトップ、ノートパソコン、ノートにはPHSカードとWiMAXのダブル通信、Xperia、その上自社HP設置、ついでに有料放送2社加入で、どれだけ通信とPC系にコストと時間をかけているかと思うと、iPadによほどの魅力がないと購入はきつい。「パソコンとスマートフォンの間の感じ」と言われても、そりゃそうだと思うが、それゆえに必然性を感じない。

あとはネットブックとしての役割だけど、ノートパソコンとダブルで持つのはきついし、それなら文庫本の方が軽そうで小さい。

紙の本はなくなるとか、パソコンはなくなるとか、随分前から実しやかに言われているが、それならその時考えればいいとも思う。現時点では、立ち仕事の人、ドライバーなど移動が多い仕事の人は、モバイルが便利だけど、オフィスワーカーはほぼみんなパソコンを使っているし、そのほうが明らかに仕事ははかどる。

ならば今のiPadのターゲットは、一部のイノベーターやアーリー・アダプターを除いては誰か?確かに周囲の大学生を見ていても、大学のPCアドレスを持っているのに、就職の相談であってもケータイメールでしてくる(返事する身としてはPCが楽なのに)。意外とPCを日常的に使っていないように思う。もっと下の年代になると、ちょっと高価なおもちゃだし、そういう意味ではまず大学生あたりか、とも思う。

そんな風に思うと、もうしばらく私としてはスマートフォンとパソコンで十分。そもそもつい先週まで、3年前のFOMAを持っていたくらいなので…。

ちなみにXperiaだが、バッテリーは、そんなに激しく使わなくても1日持たない。1週間内に泊まりの出張はなかったけれど、替えの携帯用バッテリーを買うべきかどうか、考え中。パソコンと合わせて、ますます電源のあるマクドナルドの利用機会が増えそう…


百貨店、迷走と孤高

2010-05-23 20:02:48 | まち歩き

ここのところの株安による不況感で、またどうなるかわからないが、一時生活者の節約疲れからか?百貨店売上げの下げ止まりというニュースがあった。一方で銀座松坂屋のFOREVER21出店(しかもほとんどのフロアに)は、百貨店業態の終焉を印象づけた。

自分自身、デパ地下食材はさておき、グランドフロアを席巻し一般的にも磐石な集客装置だったブランド化粧品もあまり買わなくなっていた。一部をドラッグストア、一部をオンライン通販に頼るようになり、限られたアイテム以外は安く済ませている。ただ服に関しては、節約疲れというよりは、ファストファッションのマンネリ感、つまらなさを感じつつ、少しずつ百貨店に戻りつつある。まあ、最後の百貨店ターゲット世代なのかもしれないけれども。

そんな中こんな記事も。三越伊勢丹HDが635億円の最終赤字。でも低価格路線に追随することはしないという。記事には「孤高」の2文字が。

百貨店に生活者の納得と企業の飛躍を引き出せる、とっておきのアイデアがあれば別だが、極端に変わる必要があるのかどうか。今世の中を席巻している小売業態で、ここだけあればOKなんてという店はない。

六本木や台場で買い物をする気にはなれないし、青山もたまにはいいけれど、いつもじゃ、財布がついていかないし疲れる。ユニクロはインナーだけ。H&Mもたまには買うけど、安いからという以上の感動に乏しい。オンライン通販は内容がわかる買い物だけ。

「消極的に百貨店が」という支持だけでは厳しいなら、マイナーチェンジでもいいと思う。まずは銀座三越がどう変わるのか。なんといっても好立地。あそこで難しければ、他はもっと難しい。


偉大な駅弁大会

2010-01-15 20:05:08 | まち歩き

京王百貨店といえば「駅弁」というと、京王の社員のかたの気分を害しそうだが、象徴的なイベントには違いない。個人的には新宿が自宅近隣ターミナルとなって、早7年弱。しかし京王新宿本店に何度足を踏み入れたか考えると、せいぜい2、3回ではないかと思う。

しかしいつも駅弁大会となると、必ずテレビの情報番組がとり上げるビッグイベント。デパートの物産展は珍しくないが、大抵は物産展を取り仕切る会社が持ち回りでやっているので、人気の北海道展であっても、だいたいどこのデパートでも大差がなく感じる。しかし駅弁というテーマこそ珍しくも何ともないし、そもそも東京駅では他の地域の駅弁も普段から売っているけれど、京王の駅弁大会は半端ではない。

真偽のほどは確かではないが、駅弁の催事だけを担当している社員がいて、年中日本全国を新鮮な食材やメニュー、埋もれた弁当を探し回っているという。他力本願のほかの物産展とは、規模や品揃え、企業の根性が違う。

ということと、駅弁催事だけを載せた新聞折込みチラシを発見したので、仕事帰りにちょっと寄ってみた。夕方近くとはいえ、初日でもない平日には違いないのに、むちゃくちゃ込んでいた。大晦日の伊勢丹本店のデパ地下も半端ではなかったが、負けずとも劣らない混雑。土日はおそろしくて行けない。整理券をもらって待たないと買えない人気商品もいくつもあって、とてもじゃないけれど、そんな余裕のない私は、特に行列のなかったタラバガニ弁当を買って、さっさと退散。名残惜しい気持ちはあっても、ゆっくりしていられなかった。でも老若男女、手にはチラシを持ち、テナントを巡っていた人も大勢いて、最近のデパートではちょっと見られない風景を体験した。

こういうことなんだよね~と改めて思うのは、テーマの目新しさや突拍子もないアイデアよりも、ありふれたことでもちゃんとやることの方が生活者には響く。予算や労力を最小限に、小手先で何かをやっても、結果は出にくい。むしろ同じことの繰り返しの中で、中身を進化させていく方が徐々に地力が蓄えられ、評判が新たな顧客を呼ぶ。

何かを始めて失敗を早期に見極めることも、スピード経営が求められる昨今、必要なこともある。でも特に一般生活者相手のビジネスは、結果を急がず、踏ん張ることをしなければ、下手な鉄砲になることの方が多いように思う。

ちなみにお弁当、1個500円の「いかめし」が人気とはいえ、多くは1個1000円以上する。そういうものを複数個買って、1万円札で会計をする人が何人いたことか。確かに実際に旅をして駅弁を食べるより安上がりだが、巷にあふれる安売り合戦とは一線を画している。


アバクロの売る気

2010-01-10 03:05:39 | まち歩き

買い物も「安近短」ということで、もっぱら新宿三丁目ばかりだが、銀座によく行く友人からユニクロ(4丁目)あたりから『アバクロ臭』(いわゆる欧米の男性がよくつける強烈な香水の匂い)がすると聞いていた。たまたま今日用事で銀座方面に出たので、帰りに寄ろうと思ったが、ニュースではさんざん見たのに正確な場所をチェックしていなかった。そこで匂いと行列(並んでいたら入らないのだが)を頼りに行ってみた。確かにユニクロあたりから香水の匂いがするような気がした。しかし犬ではないので、それだけでは無理。「かねまつ」がいちばん匂うと聞いていたので、とにかく「かねまつ」に。やはり隣が『アバクロ』だった。

行列はなく、店内はかなり込み合ってはいたけど、中には入れた。案の定、上半身裸の外国人男性といっしょに写真を撮っている女子も発見。しかし香水だけでなく、音楽の音量も高くて、暗くて、狭くて、上に高いビルとは聞いていなかったので、ある意味衝撃。おそらくモノだけを売る店では、初めての体験だと思う。

11階か、12階まであって、そもそも自分が何階にいるのか、すぐにわからなくなって(表示も多分なくて、暗いから)、しかもレジは11階と3階だったかに2ヵ所にあるだけ。オープン当初だけかもしれないが、エレベーターは7階にしか止まらない。

値段はむちゃくちゃ高いわけではないし、オシャレなものもある。年齢層もそこそこ上の人でも着られる(ものもある)。実際にH&Mのオープン当初のようにレジに長蛇の列ということはなく、わずかしかないレジでもすぐに買える状態だったが(ちなみに土曜日だけど)、買っている人も決して若くはない感じ。今の20代前半の人は、給料は安くても服は高いモノを買うという20年くらい前のような感覚はないので、カジュアルにしては割高感があるようだ。

まあ、そもそも「売る気はあんの?」という感じの演出だし、良くも悪くも「売るためにどうするか」という発想一辺倒の店に慣れ親しんでいる人にとっては、ものを買う店ではないのだと思う。

金融系のコメンテーターが、おそらく価格帯だけから判断して、この店が継続して好調を維持できるかどうかが、デフレ脱却の試金石みたいなことを書いていたが、その読みには微妙に違和感がある。むしろこの店が成功したら思うのは「この売り方でもありなんだ」ということ。

イケメンかどうかは別として、店の人は感じはいいのだけど、何しろ値段も、どこに何があるかも、暗くてよくわからないし、そもそも自分がどこにいるのかわからなくなるのだから。私はそうではないが、日本人は香水が苦手な人が多いともいう。30分もいなかったと思うが、それでも自分にもアバクロ臭はしっかりつく。

ショッピングバッグも目立ちすぎ。帰りに立ち寄った某デパート(銀座ではないが都心の旗艦店)の店員に「インパクトありますね~」と感嘆されたが、彼女は明らかにどこの袋かわからなかった様子。おそらくメーカーではなくデパートの社員だと思うけど、洋服の担当なら、好き嫌いはともかく最低限知らないと、それはそれで問題。アバクロ的売り方がいいとは思わないけど、伝統的セオリーから抜け出せずもがいている日本のファッション小売も課題は多い。


やっぱり見た目も大事

2009-09-15 00:52:10 | まち歩き

ドラッグストアに行くと、マスクはあるが、手ピカジェル(および類似品)は品切れ。街を歩いても、マスク姿はあまり見かけないし、新型インフルエンザ対策は東京や大阪などではすっかりマスクから手の消毒にシフトしたようだ。

マスクをしても自分が人にうつさない効果しかないとか、それより手洗いの徹底だとか、さんざんマスコミが喧伝したこともある。でもやっぱりその論に乗っかったのは、毎日マスク姿を通すことの不便さ、見た目の問題(やはり街や職場の雰囲気が暗くなる)も大きいのでは?

私もマスクは春の流行以来一度もしていないが、手の消毒はやってもいいかなと思っている。大きな会社や集客施設の入口に必ずと言っていいほど置いてあるようになったが、初めて使ったのはレストランでトイレから出てきたら差し出された時。意外とさらり感触がよく、ぬめっとした感じを残さないので気持ちいい。これで消毒した気になれるなら、と一応ドラッグストアで見てみると既になかった。

ドラッグストアと言えば、さらに頑張ってほしいのは、普通の風邪の人への対応強化。何しろこれまでなら効く薬を買いに行くような感覚で気楽に病院に行っていた人が、たかが風邪でうかうかウィルスに感染する確率が高いところに行けないということもある。インフル患者も含め重篤者のために空けてあげなくては、とも思い、遠慮してしまう。単なる風邪、静かにして放っておいたら治るといっても、早く治したいということもある。販売できる薬は限られているとしても、適切なアドバイスのできるドラッグストアなら信頼され、ビジネスチャンスが広がるかもしれない。