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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

チャレンジ

2012-01-16 01:05:13 | まち歩き

坂井宏朱さんが練習中の事故で亡くなりました。オートレースには興味はなく、坂井さんのことは過去に数回テレビ番組でOLから転身した女性レーサーとして見ただけです。女性がレーサーになることだけでも相当なハードルなのに、大学卒業後一般企業で勤務した後、20代半ばでのことです。並大抵の苦労ではなかったと思います。

実は気になっていたCMが2本ありました(首都圏限定の可能性あり)。

どちらも都市部の若い世代向けです。1本はトヨタ自動車の例のジャン・レノがドラえもんに扮する、いくら円高だからって「大スターに何させるねん?」と話題になったCM。もう1本はぐっとマイナーですが、タウンワークス(アルバイト情報サイト?)のCMです。

気になるのはドラえもんではなく、メッセージです。

「免許をとろう」

教習所ではなく、クルマのCMでは異色な感じがしました。“かっこいい”でも“環境に良い”でもなく「まずそこからなの!?」と。

そしてタウンワークスは「ジモト、ジモト」と連呼しています。「地元でバイトを見つけよう」というわけです。クルマどころか、電車にも乗せない(?)算段です。

先日、成人の日にあたって、どこかの会社が新成人が休日に何をしているかという調査をしていました。「寝ている」「インターネット」「家でのんびり」が男女とも上位3位までに入っていたと記憶しています。

もう何年も前から若い人のクルマ離れは顕著で、“ジモティ”という地元のつながりや地域を大事にして外に出たがらない若者を表す言葉もありました。地域や家族の絆を大事に、というと、東日本大震災後の世相(=良いこと)のように思えますが、裏を返せばは引きこもり傾向です。全否定するわけではありません。守るべき財産や仕事、守らなければならない家族がいて地元を選ぶのと、「変化したくない、チャレンジしたくない」と行動前からリスクを避けるのでは意味がちがいます。

みながみな、突破する力を失い、現状に甘んじていては、既に日本で社会問題ですらある「リーダー不在」にますます拍車がかかるだけです。

若年層の海外留学も旅行も減少傾向にあると言います。実際に若い人と話すと、外国どころか、国内でもあまり動かない人が増えていると実感します。日本のパスポートはほとんどの国でWelcome、国内の地域間移動も自由であるにもかかわらず、不自由な国の民が持つ渇望感も向上心も失っているのです。

日本が高齢化しているのは人口動態の問題だけでなく、多くの若い人の心も高齢化しているような気がします。そんな中で出る杭はやがて目立ちます。国内で競争が少ないので、若くして輝くチャンスも増えているということです。

坂井さんの事故は本当に残念でしたが、チャレンジし努力を続けた彼女の人生を尊敬します。同じ女性レーサーの佐藤摩弥さんに与えた衝撃と悲しみは計り知れませんが、レースを続けてほしいと思います。


派生ビジネスでブランド浸透

2012-01-14 12:15:54 | まち歩き

前回とり上げたお店は、最近、本懐のカフェを忘れ(?)八百屋街道まっしぐらです。とうとうスーパーにある買い物かごまで置き始め、ケーキのショーケースにかごを差し出すという妙なことになっています。相変わらずケーキはお高く、1ピース(ホールではない)990円のものまであるというチグハグさ。ある意味関西っぽい店ですね。関西人の私的には全然OKですし、近隣のマンション住民たちもOKみたいです。ケーキは買いませんけど。

ところで本題の『体脂肪計タニタの社員食堂』

食堂が丸の内にできたというパブリシティに踊らされ、めったに買わないレシピを買ってしまいました。ミステリー小説を買いに書店に寄ったんですけどね。それは八百屋効果でもあります。いい野菜、珍しい野菜を思いがけず、買うことがあると、料理のバリエーションも増えるというものです。

なぜそうなるのか。人によると思いますが、だいたいスーパーに行く時には作る料理が決まっています。それに合わせて野菜を買うので、買う野菜もほぼ決まってきます。その野菜が欠品していたら、別の野菜で作ってみるかっという思考の流れです。それが買う予定もないほうれん草とか、普段ジャガイモしか買わないのに安納芋とか、うっかり買ってしまうと、料理がルーティンでなくなるわけです。シンプルな理由です。

それにしてもタニタはすごいです。今どきなかなか売れない本の中でも、売りにくいレシピ本をミリオンセラー、その上東京の一等地に店まで出すとは。タニタ「丸の内食堂」とコンセプトが近いドクターズレストランは、浸透力イマイチですが、これでこの業態に弾みがつくかもしれません。

メーカーがダイレクトに消費市場に出るのは、結構皆模索していますが、意外と成功例は多くありません。近年はネット通販が浸透したので、市場環境は随分変わりましたが、まだまだ量販店との商慣習がジャマしたり、通販市場でもネットモールを通さないとアクセスしてもらうことがままならなかったりします。

タニタ自体は、それこそ本業の製品を売らないと儲からないでしょうが、少なくともブランド浸透力は抜群です。

レシピも材料が難しくなくて良いです。少なくともあえて買いに行かないとない調味料はほとんど使っていません。これも大事です。普段使わない調味料を買ってしまうと、その料理を作り続けない限り消費期限を切らしてしまいますから。


意外性で八百屋復活!?

2012-01-09 21:18:55 | まち歩き

Annoimo

多くの商店街が衰退し、昔ながらの八百屋や肉、魚屋の経営が難しくなる中、農作物の買い方が多様化しています。すべての消費がスーパーマーケットに流れたというわけではありません。

コンビニで生鮮を売り始めたり、安心安全を前面に出した生協や新興会社の宅配に人気があるのは周知のところ。数年前から都心ではマルシェ(青空市場)がさかんに行われ、東日本大震災以降、東北支援もあり活性化した印象です。

最近は直接農家に宅配をお願いするツワモノもいるようです。通販企業を通さず、知人でもない農家と1対1で行うケースは、アレルギーを持つ人など限定された消費行動ですが、今後は広がるかもしれません。

そう考えるとスーパーマーケット的「品揃え」とは何かというところに行き着きます。産地も種類も多く揃え、圧倒的な売り場面積を持っていますが、豊かではありません。ここでいう「豊か」とは、安全安心という判断の難しい話ではありません。

ネギ1つとっても、白ネギも青ネギ(わけぎ)もあさつきもありますが、白ネギは画一化された根深ネギしかない場合がほとんどです。下仁田ネギは時々出ますが、ないことの方が多いです。関東では白ネギを好んで食べるので、基本1種類から選ぶことになります。ネギの品切れには遭遇したことはありませんが、種類によっては夕方に欠品していることもよくあります。

正論を言えば、旬のある青果物に欠品はつきものですが、スーパーでの買い物に慣れた人のうち、どれくらい野菜の旬を意識しているでしょうか。ネギの旬は冬ですが、夏買う根深ネギも、冬買う根深ネギも姿かたちは同じです。味も同じに思えます(ネギをネギonlyでかじらない限りわからないのでは?)

流通機構が提案してきた品揃えとはそういうことです。否定や批判はしません。年中同じネギが安く買えるから大都市の何百万、何千万人の胃袋は満ち、外食チェーンも発展します。国内外から集まる若い人たちがそれらの店でアルバイトしながら学校に通ったり、生活ができます。都市経済の発展を支えていることは否定できません。

要はこうした大手の品揃えを逆手にとり、小さな店の経営が成り立つ糸口があるのではないかということです。住まいは白ネギが1種類しかない巨大商業施設の近くで、近隣の商店はドラッグストアチェーンですら迷走しています。毎日のようにポイント5倍、10倍とやるものだから、自分たちでもわからなくなったのか、ポイント5倍のはずがついていなかったことがあったくらいです(完全に逆効果)

しかしその薬局そばの別の店で、時々野菜を売るのですが、これがつい買ってしまう品揃えと安さなのです。東京ではデパ地下でもほとんどお見かけすることがない、大和(奈良)野菜の千筋みずな80円とか。80円でも大量でしたが、日持ちもしました。種子島の安納芋(3個150円)を見た時は、つい食べ方もわからないのに即買い。後でネットで調べました。ざくろについては、果汁を方々に飛ばしてしまい、懲りてそれっきりになっていますが、品揃えに意外性があり、商品がある意味「豊か」です。ちなみにこの店は八百屋ではないので、まったく野菜がない時や玉ねぎしかない時もあるので、おのずと出かけた帰りには前を通るようになりました。

こんなんで採算が合うのかどうかわかりませんが、関西から出店(本業はカフェレストランだと思う)しているようなので趣味でやっているわけではないでしょう。

都市部におけるいわゆる昔からある八百屋は、よほど今でも活気ある商店街の中で工夫を凝らすか、若い二代目・三代目が引き継ぎ今のマーケットに合わせて変革していかないと存続は難しいでしょう。古いものや正しいことを頑なに守ろうとしても、消費者の理解と共感、行動を引き出せなければ成り立ちません。農業の構造とよく似ています。


エコなダウンサイジング

2010-07-11 19:05:21 | まち歩き

小説を読んでいたら、登場人物の1人が経済的困窮を理由に、ベンツからゴルフか何かにクルマを安いものに買い換えていくことを称して「今時なら国産のハイブリッドカーに乗り換えた方が言い訳がきく」という記述があった。こういう話は実生活でもよく口にすることで、よほどの要人でなければ経営者であってもプリウスくらいに乗っていた方が、もっと言えば電車通勤でもした方がカッコがつくことがある。何人かそういう著名企業家がいたようにも思う。

クルマと比較すると、随分セコイ話だが、ミネラルウォーターが売れなくなってきているようだ。理由としては、他のゼロ飲料の躍進があげられているようだが、水が清潔で安全な日本でボトルドウォーターを買う意味を見出せなくなっている、もっと言えば節約ではないかと思う。

かくいう私も、以前はダース買いしていたが、今は買い物ついでに飲料用を買うか、テニスに行く途中で飲み切り用を買うだけで、かなり消費量は減っている。しかもなるべく国内製品を買うようにしている。マンションの貯水タンクの状態に不安がなければ、飲料用も水道水でいいのかもしれない。そういう風潮が影響しているのか、ボルビックが値下げ傾向にある。おそらく輸入品では売れ筋商品が値下げなら、他は撤退というものも出てくるかもしれない。

考えてみれば、水や水技術は日本の強みの一つ。輸入品が硬水の数種ならともかく、軟水も含めてこれだけ多く入ってきている方が不思議な現象ではないだろうか。


FOREVER21、新宿にも

2010-05-30 12:22:50 | まち歩き

昨日、FOREVER21新宿にもオープンした。iPad関連ニュースとプレスで独占状態、PR不足がたたったのか、初日夕方でゆっくり店内を見られた。レジもフィッティングルームもたいして並んでいなかった。神宮前では開店から何ヶ月後かでも週末は入店制限している時もあったのに。

新宿という場所も厳しいかもしれない。人はいっぱいいるけど、ターゲットがいまいち絞られていない。近郊の都市圏以外から服を買いに週末にやってくる若い人も、渋谷・原宿のようにはいない。今さら年齢とは関係なくワンポイントであれば、大人でも若めの服を着るけれど、さすがに他のファストファッションより明らかに来店客の年齢層は低い。

チープ系・アメリカ系はやはりターゲットを絞ってしまうのか。むしろアバクロの方が大人も着られる。あの売り場環境でも、銀座という場所柄もあるかもしれないけど、意外と大人の客が多い印象がある。価格はアバクロ>GAP>H&M>ユニクロ>FOREVER21だけど、素材や縫製も比例。ユニクロはさすがに技術の日本企業だけに比例関係ではなく、おそらく上位。そのあたりも影響していると思う。

でも今、FOREVER21は出店を加速している。ファストファッションもやがて廃れるから、定着しなくても一気に数年で稼ごうということか。グローバルカンパニーにはそういう自由度もある。新宿は普通のテナントビルだが、今ならインショップ出店でも、好条件で入れるかもしれない。

もし数年で出ていかれたり、不振になってもテナントビルや、せめてららぽーとのような郊外型のショッピングセンターならダメージは少ない。でも銀座松坂屋はどうだろうか。FOREVER21アジア旗艦店と位置づける(それだけ大きなスペースを貸したということ)思い切った決断だったが、せめてそれならば日本初上陸の会社を持ってくるくらいの度胸があれば興味深かった。ロケーションが良いだけに、新宿三越や昔の京都駅前の近鉄のような迷走の果て、最終的にどうなるのだろう?新宿はLOFTが出て行ったけれど、現在も健在、京都駅前はビルごと撤退した。

ちなみに新宿でも来店客のファッションスタイルは、売っている商品より質感あり。初日は見物客が多いから仕方がないといえば仕方がないけれど、日本のファッションテイストに調和し定着するのか、ちょっと疑問がある。特に東京は相変わらず若い人ほど無彩色系基調の着こなしが多い。